便秘やガスの変化は「腸年齢」低下のサイン?腸内環境を悪化させる日常習慣を専門家が解説
発酵食品&ウオーキングで腸内環境を整える
腸年齢を若くする食べ物について岩崎さんが言う。 「発酵食品を食べ続けることで菌の種類を増やすことができるのですが、10日間食べると腸内の多様性が高まることが学術雑誌『Cell』(※)で報告されています」 腸を老けさせないために生活習慣において辨野さんが推奨するのは適度な運動だが、どの程度の運動が体にいいのか。 「厚生労働省が定める『健康日本21』では、1日8000歩(65才以上は6000歩)のウオーキングが推奨されています。運動習慣がある人は腸内細菌の多様性が高い傾向があるほか、腸に集まった便を押し出すための腸腰筋や腹筋を鍛え、排便力を上げることもできます」 睡眠時間も腸内環境にとっては重要な要素だという。 「腸内細菌は睡眠と覚醒のリズムの影響を大きく受けます。睡眠不足や体内時計のズレがエネルギーバランスを崩して体重を増加させたり、ホルモンバランスを崩して炎症反応が起こるなど、機能不全の要因になります。そして睡眠不足は腸内細菌のバランスも崩すことがわかっているので、なるべく避けたいところです」(石黒さん) 風邪をひいたときなどに処方される抗生物質も、腸内環境へ大ダメージを与えてしまう。岩崎さんが指摘する。 「病気の治療に不可欠な場合は使用すべきですが、抗生物質は腸内細菌叢(そう)の多様性を低下させ、特定の有益な菌を減少、または消失させてしまうリスクがあります。投薬終了後、腸内環境はある程度回復しますが、場合によっては元の状態に戻るのに長期間を要したり、一部の菌が永続的に失われることもあります。 重要な菌が完全に失われてしまった場合、食事療法だけではその菌を復活させることは難しく、有用菌の摂取や便移植で菌を補う手段が必要になることもある。ただし、便移植は現在、特定の疾患を除き研究段階であり、リスクやドナーとの適合性の問題もあります。不必要な抗生物質の摂取は避けるべきです」 止めるべきなのはわかっているが、減らせない人もいる飲酒と喫煙についてはどうか。 「アルコールの定期的な摂取と喫煙習慣は、体内の慢性的な炎症を引き起こすので、もちろん腸内環境を悪化させます。ただ、一点押さえておきたいのは、精神的なストレスも腸内環境を悪化させる大きな要因であること。つまり、強いストレスをアルコールやたばこで解消している場合は、プラスマイナスで結果的にどちらに転ぶかは難しいところ。結局人によって違うとしか言えないですが、できるなら減らすべきなのは確かです」(石黒さん) ※(Hannah C Wastyk et al, Cell. 2021 Jul 12;184(16):4137-4153.e14.) 写真/PIXTA ※女性セブン2026年1月22日号