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「代理母に産んでもらったんです。私、忙しいので」でも愛せなくて、育児放棄...。「妊娠出産」はキャリア女性の「足かせ」なのか【専門家解説】

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妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

話題の連続ドラマ「対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜」(TBS系・火曜午後10時)では、育児と家事の負担が女性に偏ることで、キャリアアップの機会が制限される現実が描かれている。

キャリアをとるか、子どもを産むか――。

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働く女性にとって妊娠・出産・育児によるキャリアの中断は、強烈な不安とプレッシャーとなる。
「多くの女性が妊娠・出産を機に、仕事か子育てかの二者択一を迫られます。現実問題として、女性がフルタイムの仕事と子育ての両立を成し遂げるのは難しいからです。これが、女性の社会進出が進まない日本の背景にもなっていると思います」と危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は話す。

◆産休・育休取得後に復職した女性の声

「育休を終えて復帰したが、やりがいを感じていたプロジェクトの人員は足りていて、チームに戻れなかった」(外資系生保勤務・30代女性)

「育児に対して会社は寛容だが、社内で育児と仕事をがっつり両立している人がそもそもいなく、自分のような時短勤務ではキャリアップを想像できない」(メーカー勤務・30代女性)

正社員の女性の場合、第一子を出産後に8割以上が継続就業している時代(※1)。だが、産休・育休・復職後の時短勤務をとれば、フルタイムで働き続けた同期の女性社員よりも、出世が遅れるのが現実である。

それゆえ最近は、結婚時に「子供はつくらない」と約束をして籍を入れる女性も増えていると聞くが、出産適齢期のリミットが近づくにつれて、自身、あるいはパートナーが「やっぱり子どもが欲しい!」と心変わりして、夫婦間トラブルに発展することもまま起きている。

◆代理母出産という選択肢

女性管理職として働く佐藤里紗さん(仮名・44歳)は「妊娠・出産でキャリアを手放す気はない」といい、開業医の夫も、それを承知で結婚した。ところが夫が「どうしても子どもが欲しい」と心変わりしたことで、「代理母出産しか道はない...」という結論に至った。

代理母出産は日本では法的に禁止されていないが、日本産科婦人科学会などの方針で原則認められていない。そのため日本人の夫婦は、国内の仲介業者を通じて海外の代理母出産を認める国へ行くことが多い。佐藤さん夫妻は結果的に「代理母」となる女性が妊娠・出産をすることで子どもをもうけることができた。

里紗さんが「代理母に産んでもらったんです。私は大型プロジェクトで忙しいので」とサラッと言った言葉が筆者の耳に残る。そして、夫妻が多忙なため、現在は夫の母親が育てているという。またそもそも里紗さんは子どもが欲しくなかったので、愛すこともなく事実上、育児放棄の状態。「子どもを迎える」という願いは叶ったものの、筆者にもなんとも理解できない皮肉な状況である。

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では、「代理母」を見つけるまでの経緯と夫の母親が「孫育て」をすることになった理由を詳報する。※1)正規社員の女性が第一子出産に伴い継続就業した割合は83.4%(2015~19年)。ちなみにパートや派遣の女性の場合は40.3%まで下がる。出典)「第16回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2021年・国立社会保障・人口問題研究所)

photo by iStock

取材・文/中島はるき

▶︎後編に続く