ディア・マイ・スペシャル・プレシャス・マーベラス・スウィート・ダーリンズの制作を担当しました!
お疲れ様です!ハマダです。
というわけで、こちら💁
『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)〜ネクストシャイン!〜』のメイン・テーマ『ディア・マイ・スペシャル・プレシャス・マーベラス・スウィート・ダーリンズ』の作詞作曲編曲を担当させて頂きました!タイトルなっっっっっっっっが!
ディア・マイ・スペシャル・プレシャス・マーベラス・スウィート・ダーリンズ
歌:クインテット
(甘織れな子・王塚真唯・瀬名紫陽花・琴紗月・小柳香穂)
作詞/作曲/編曲:ハマダコウキ
Piano:Akki
Bass:吉川竜也
Guitar:小林ファンキ風格
All Other Instruments & Programming:ハマダコウキ
Engineer:岩田祐資
『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)〜ネクストシャイン!〜』とは
原作小説4巻を描く続編として
第13話〜第17話の制作・放送が決定!
TV放送に先駆け、
全5話を特別編集して劇場上映!
11月21日(金)より新宿バルト9ほかにて
全国公開予定!
わたなれはガールズラブコメです!原作はダッシュエックス文庫から出ているライトノベルで、2025年の夏クールにアニメが放送されました。放送されたTVアニメでは原作3巻までが描かれたのですが…キリのいい4巻まで作っちゃうよ〜!TV放送に先駆けて映画館で観れちゃうよ〜!!ということらしいです。ありがたいですねぇ。僕はこの4巻部分のアニメ主題歌を担当させていただきました。個人的にラブコメ主題歌がひとつの目標だったので、めちゃくちゃ嬉しいです……激オモロな作品に負けないようかなり気合を入れて制作に臨み、めちゃくちゃハイカロリーな曲に仕上がりました。予告映像でも凄い良い感じに使って頂いてホクホクです。作家冥利に尽きますね。
というわけで今回は、『ディア・マイ・スペシャル・プレシャス・マーベラス・スウィート・ダーリンズ』の制作過程について簡単にまとめていきます。
※本noteでは楽曲の構成や歌詞について言及しています。作品の重大なネタバレはないよう注意を払っていますが、まっさらな状態でれな子の勇姿を見たい!という方は是非劇場で作品を鑑賞後に本noteをお楽しみください。
◼︎制作の流れ
メインテーマ制作させて頂くことになりまして(本当にありがたい話です)、まずは作品を読んでいきます!
……。
えっ…………???
ちょっと面白すぎるかも……………
ラノベを手に取ったのが本当に久々で、高校生ぶりくらいに読んだのですが……純真無垢なヲタクの魂をどんどん取り戻していき、心をニチャつかせながら読み進めることが出来ました。授業中ノートに描いてたオリキャラの記憶とかも一緒に蘇り体調も悪くなりました。
登場人物が全員可愛いんですけどね、特に3巻の瀬名紫陽花さんがね、本当に最高&最高&最高で……恋心を自覚する流れが、美しすぎる……え〜〜これ映像化しちゃうんですか…?本当に?ありがとうございます………
と、曲作るとか関係なく普通に作品を楽しみ、読後しばらくはラブソングって全部百合のことかのかも!という気持ちで制作しておりました(ピアノを弾いてくれたAkkiくんも百合好きで、このことを話したところ「ようこそ」と静かに微笑まれて怖かったです)。
脚本と原作を何度も読みながら、ストーリーの核となる要素やキーワード、自分の価値観と重なる部分を拾い上げて整理していきました。この作業がすーーっごく楽しかったです。みかみてれん先生の「頑張っている女の子は可愛い」という骨太な軸にも大共感です、よう言うた!頑張ってる人って本当にみんな可愛いから…最近一生懸命頑張っている人を見てると、うんうん偉いね青春やね…(ホロリ)と泣けてくるようになりました、おじさんすぎる。
この曲はクインテット5人で歌う曲なので、それぞれの要素を入れ込みつつ誰が歌ってもしっくりくるようなバランスを目指しました。特定の誰かの曲というより、歌うキャラによって意味を変えられる余白を少し残すようなイメージです。そうすることで、歌割りの意味合いが増していくかな〜と。
アニメ制作サイドから色んなオーダーを頂いたのですが、大方針は「明るくアップテンポなポップス」でした。得意なやつ!上記のインプット中にサビ頭のメロを思いついたので、それを元にどんどん膨らませていく形で進めていきました。
最初に思いついた時のボイスメモが残ってました、『もっと単純明快なストーリー』という頭の歌詞は最初からあったっぽいです。すごいね。
フル尺のアレンジが意外と難航。ストレートに1番と同じ展開を繰り返すわけにもいかない(そういう病気です)ので、どうドラマを作るか四苦八苦しておりました。クラシカルなゴージャス系ラブコメソングを基調にしつつ、どうやって令和アニソンとしてアップデートさせるかの勝負だったのですが…どうでしょうか、勝ててますでしょうか。今回ストリングスやブラスの打ち込みもす〜〜〜〜ごい頑張ってるのでその辺りも聴いていただければと!
自分は商業作曲家としての活動が始まって以降、音や展開をどんどん積み上げていく足し算の作曲・編曲を研鑽してきたのですが、その一つの到達点の曲になったような感覚があります。特にメロディのリズムについてはかなり難解な作りになってしまい、歌唱いただいたキャストの皆さんにかなりご負担をおかけしてしまいました。毎回謝りながら曲の概要を説明しました。メロの難易度をコントロール出来るのが理想だと思いつつ、このリズム感は自分のひとつの武器なのかもな〜と実感できる制作でもありました。
歌詞についても、とっても気に入っています。作品に寄り添うのは勿論なんですが、「歌詞」だから意味が出たり補強されたり気持ちよかったりする部分がある歌詞が好きなもんで…サビの歌詞繰り返す部分と変化する部分とか、句読点の使い方とか、英語かカタカナかとか(これは割と感覚でやってますが…)。これでリズムやイントネーションも気にするので、作詞って大変な作業ですねぇ。毎回書き終わってから、よく出来たなと思います。次はもう書けないのではという気持ちにもなる。書くんですけど。
ちなみにタイトルですが、複数案出したうちのひとつが採用されました。まぁ無難にいくならこれか、みたいな案もあったのですが…半分ボケ半分大真面目にクソ長タイトルも提出したところ、まさかの採用に。良いタイトルですね。アニメ制作チームの皆様の懐の深さに大感謝です。
ざっくり制作の流れはそんな感じでした。
それでは、細かくお気に入りポイントのご紹介です。
◼︎楽曲解説
・プリイントロ
クインテットになぞらえて、5つの音のフレーズからはじまります。最初は静かな前振りが欲しいとのオーダーだったので、このような形となりました。要望に応えるかたちでフレーズが導き出されるのも主題歌を作る面白さのひとつですね……
・イントロ
と思ったらいきなり全速力で駆け出すの、バカすぎてウケながら作ってました。ここはサビの後半からコード進行を持ってきています!この進行、お気に入りです。
主人公れな子の趣味から、曲全体通してゲームっぽい音色をいくつか使用しています。イントロでは、メインのフレーズをチップチューンっぽいシンセが担当してますね。
・1A
ここどうするかめっちゃ迷った〜〜〜!!!!!
トリッキーなことしたいけど変すぎず、Aメロとしての役割を果たすバランス感を目指し…ということでこの形に落ち着きました。全編通してですが、Aメロは特に早口でどんどん転がっていくメロディが特徴的ですね。
歌詞もAメロが一番難航しました。サビとBメロで言いたいことは決まってたので、そこまでの流れをどう作るかか……あーでもないこーでもないと、キャラや物語の特徴が伝わるような描写の流れを意識しました。
『なんでこうなった!?〜胃が痛い!!!の連続で』の中村さんの歌唱マジで凄くないですか?れな子のキャラのニュアンスの乗せ方うま過ぎる。余談ですが、レコーディングの時中村さん録る素材が他の方よりちょい多めで、スムーズに進むかなぁ大丈夫かなぁと心配していたのですが、結果予定より1時間以上巻いて終わりました。そんなことあるんだ。さすが座長…
・1B
ここのコード進行!!!!気に入ってます!!!!少し専門的な話ですが、最初の和音が上で鳴ってる音はⅢなんですけど、ルートはⅣになってます。ⅢとⅣ、2つの要素を併せ持つ…♤
ずっとバンドでガンガン行きすぎると聴いてて疲れちゃうので、ちょっとここで休憩ポイントとなります。グループもでかくなる。と言いつつ色々音積んじゃってるのですが…
映画観た後に『本当の自分を曝け出すのを』って歌詞を香穂ちゃんが歌うの、良いですよね…
・1C
サビメロができた時点で優勝〜という気持ちでした。メロってガチャなんでね、出せて本当によかったです。ピークをサビ頭ではない所に持ってくる試行錯誤をこの時期やっていて、その一つの回答が出たなという気持ちです。1小節丸々耐えて、2小節目で爆発!気持ちえぇ〜
サビの歌詞は、本当にあっという間に書けました。事前準備で書きたいことが整理できてたからですかね。『だけど今更〜』のくだりとかよく書けてるなぁと思います。
「可能なら「ムリムリ」って歌詞に入れて下さい」と言われてたので、ぜってぇ一番気持ちいいとこで使ってやると強い意志で入れさせて頂きました(制作後にムリムリ進化論を聴いてなるほどな〜!!と唸った)。ここまでの流れを踏まえて何に対してムリムリ!なのかいっぱい考えました。積み上げられてきた物語の先にこの曲はあるのです。
サビの前半後半でコード進行が変わってます!前半は比較的王道、後半はそれを少しいじった形になります。強進行が好きすぎるので、それを元に代理カードなどに置き換えたりして組み立てます。後半2小説目のE♭7(-9)が良い仕事してますね、コーラスがキモいです。
イントロでも使ってるサビ後半の進行!好きです!!!4536の発展系でⅣ#から下降するやつの、発展系だと思っています。こちらの記事でも説明しておりますのでご参照くださいませ。
・2A〜2B
紫陽花さんが早口で歌ってるの可愛い。
セクションごとにアレンジのテーマをコロコロと変えていきました。我々ドーパミンに犯されたアイデア使い捨て世代です。ここはかなり演奏者の皆さんに助けられています、スーパープレイヤーの皆様に感謝………
紗月さん『経験値なくたって再挑戦!』←紗月さんって努力し続けてて本当に偉い
2Bの歌詞、すごくいいですよね。なんというか、歌詞だから成立しているバランス感だなと思います。キャラや個人の色んな文脈を乗せる余白がありつつ、本質を抑えている歌詞が好きなんだなぁ〜と今この文章書いてて気づきました。
真唯『この人生は私だけのものだった』←そうなんだよ………………
・2C
アレンジ色々変化があった流れから、1番と同じアレンジに戻ってくる!繰り返しの美学!
『私だけに見えた魔法』というフレーズがとってもとっても気に入っております。キャラクターそれぞれに起きた感情の変化は異なる訳ですが、それを包み込める、ちょうどいいサイズの言葉が出てきてやったー!と小躍り。奇しくもお風呂で思いつきました。
・間奏
2025年11月時点の日本では、間奏でワルツになる曲がいっちゃん良いとされています。ここは舞踏会的なイメージで作りました。そんなシーンないのですが、僕の中では真唯とれな子がドレス着て踊ってます。真唯は自信ありげに、でも少し照れつつ、これからの未来に想いを馳せながられな子をリードしていますし、れな子は少し困りながら、でも嬉しそうに真唯の手を取っています。ふたりの周りを回るようなカメラワークでそれぞれの表情が交互に見えます、尊いですね。そんなシーンないのですが。
ここでFからDへ短3度下に転調してます。この転調、とても多幸感があって好きです。FをDmと捉え、同主長調のDに転調するため多幸感が感じられる…と解釈しています。
・dropC(落ちサビ)
D→Eに転調、他サビがFなので所謂落ちサビ下転調です。落ちサビで他のサビより下のキーに転調することで、ラスサビで転調して盛り上げられる、キーも高くならない一石二鳥のアプローチです。最近見る機会が増えていて使用を控えようと思ってたのですが、今回は流れ的にバッチリハマったので…
『大切なあなたの胸の奥』の部分、Ⅲが地味にハーフディミニッシュになってるのも好きポです。
こんな日がまさか来るなんて
あの日の私も驚くだろうな
↑本当にビックリだよ
・3C
キメ大好き!キメって思い出なので、何回やっても良いとされています。
1番では『この気持ちに素直になりたい…!』と歌っていたのが、最後に『この気持ちに素直になれたよ!』になり、良かったわね……という気持ちです。変化を恐れず素直な気持ちを相手にぶつける、その勇気に拍手です。僕は全てを観測する天井のシミのような気持ちで歌詞を書いています。
『運命かどうかは、一緒に確かめて!』というフレーズがこの曲、そしてここまでの物語の結実だと思っています。運命の相手とは最初から決まってるのではなく、互いの努力で運命の相手になっていくものであり、その過程こそがラブコメやねと私は思っております。
素晴らしい作品に出会わせてくれたスタッフの皆さん、そしてキャラクター達への感謝を込めてフィニッシュです。
ということで、解説は以上です。いかがでしたか?楽しくなっていっぱい書いちゃいました。
みかみてれん先生がアニメ放送後に毎週あとがきを書かれていて、その熱量が高くてすごく素敵だったんですよね。それに触発されちゃいました。
ディア・マイ・スペシャル・プレシャス・マーベラス・スウィート・ダーリンズは各種配信サービスより配信中ですのでいっぱい聴いてください。
そしてそして!『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)〜ネクストシャイン!〜』は11/21(金)より全国劇場にて上映中です!是非劇場のデカい画面でれな子の勇姿を見届け、この曲を爆音で聴こう!
以上!自分、まだまだ主題歌やりたいです!やらせてください!
引き続きよろしくお願いします!!
おわり
(11/24 追記)
原作者のみかみてれん先生から楽曲について特大の愛を返して頂きました、BIG LOVEの好循環……
自分は原作者の方が全てだと思っています。主題歌の制作はある種の二次創作というか、ちゃんと作品を彩れるだろうかという不安と戦いながらの制作でした。
自分が作品が精度高く読み取られ、その上これだけ言葉を尽くしてレビューを頂けるなんて……クリエイターは基本孤独なので、こんなことがあると、本当に音楽を作って来て良かったなと救われた気持ちになります。これだけで3年はやっていけそうです。
改めて、貴重な機会をいただきありがとうございました!



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