【阪神】才木浩人〝遠のく〟メジャー移籍 球団がポスティングを認めない深層
阪神・才木浩人投手(27)が13日に兵庫・尼崎市内の球団施設で自主トレを公開。真冬の冷たい空気の中、キャッチボールなどでじっくりと汗を流した。昨季は防御率1・55をマークし最優秀防御率のタイトルも獲得した本格派右腕だが、本人が熱望していた今オフのポスティングシステムを利用したメジャー移籍は、球団に認められず断念。27歳での渡米がかなわなかった背景にある〝深層〟とは――。 2025年シーズンは試合に先発登板し、勝6敗とフル回転。村上と並ぶチームのエース格としてリーグ優勝の立役者となった才木は「連覇へ向けて、チームの中心としてシーズンを乗り切っていきたい」と今季へ向けた抱負を口にする。ハワイへのV旅行すら辞退し、自主トレに専念してきた背番号35は「年末年始も、ゆっくりトレーニングをしてきました」と白い歯をのぞかせた。 昨季の早い時期から「この冬に才木は海を渡ることになるだろう」との見方も多かった。レギュラーシーズンだけでなく、開幕直前に行われたドジャースとのプレシーズンゲーム(25年3月16日、東京ドーム)でも5回1安打無失点と好投。今や名実ともに〝世界最高の打者〟となった大谷翔平投手(31)を、1三振を含む2打数無安打に封じ込めたことで、自身の市場価値と評価を大きく上げることにも成功していた。 27歳の若さならMLB球団と5年以上の複数年契約という、メガディールを締結できる可能性も高かった。譲渡金は当該選手との「契約総額」に応じて支払われるため、阪神としてもまとまったキャッシュを受け取ることができる。黄金時代に突入し、選手の年俸総額が年々膨らみ続ける球団サイドから見ても、相応のメリットがある取引だった。 だが、シーズンも佳境に入った頃合いから風向きは徐々に怪しくなり始める。関係者の話を総合すると、水面下で進めていた先発ローテ一角のジョン・デュプランティエ投手(31=今月5日にDeNAへの入団が発表)との残留交渉が早い時期から難航。他球団流出のリスクが高くなり「デュプランティエと才木。主力先発投手を同時に2枚失えば、来季戦うことなどできない」との球団上層部の判断で、才木のポスティングを認めるわけにはいかなくなったという。 26年オフには昨季、本塁打&打点王の2冠に輝いた主砲・佐藤輝明内野手(26)のポスティングが容認される可能性もある。 過去に同制度適用を承認された藤浪(22年オフ、アスレチックスへ移籍)、青柳(24年オフ、フィリーズ傘下3Aへ移籍)の例からも分かるように、球団が重視するのは「チーム内における一軍での稼働年数と貢献度」。佐藤輝と同学年の才木は高卒入団ということもあり入団年次こそ早いが、トミージョン手術などによる離脱期間も長いため一軍での稼働年数は大卒の佐藤輝よりも短い。 編成を取り仕切る竹内球団副本部長は、才木と佐藤輝の2人を同年&同時にポスティング容認する可能性を「ゆゆしき問題。全く考えていない」と強く否定。状況によっては、才木のメジャー挑戦が2、3年後にまでずれ込む可能性すら出てきた。 いずれにせよ球団側が権利を握るポスティング適用の認否は、その時その時のチーム事情に大きく左右される。投打で他球団を圧倒する陣容をそろえた「黄金時代の虎」だからこそ。新たな悩みにも直面している。
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