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AI絵師の「魔法」が「呪い」に変わる時 技術者の希望、後悔、断ち難いあこがれ

それは、いかにもアメリカ人好みの話だった。高校を中退した山村の奇才が科学の革命的発見をなしとげる。だが高慢な科学界は、その無名の男の天賦の才を否定し、特許商標局は「『外部からエネルギーを補給しなくても永久に稼動する機械を発見した』という出願には例外なく特許を認めない」という立場から、審査もせずに男の特許出願を却下。これに怒ったニューマンは、「何人たりとも、ないがしろにされてはならない」と合衆国政府にくってかかり、特許商標局を相手どって連邦裁判所に訴訟を起こした……。こうしたニューマンの奮闘ぶりは、視聴者の目に「巨大で人間味のない官僚システムに小市民が挑んだ闘い」として映ったのである。

『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか インチキ! ブードゥー・サイエンス 』

神、もといnoteがまた試練を与えてきたので続編です。

高校中退Fラン美大出の私が、あっさりAIで40年選手美術教師を抜くからこそ意味がある

前回「自己満足が目的」って言ってたのはもうやめてハッキリと「上に立つことが目的」と言うようにしたんですか?

それは、美術の世界に対する私の視点と、その中でのAIの役割を世界に伝えるためでもあった。

ちょっと待ってください。前回の記事にこう書いてましたよね。

私がFGOのキャラ推しアカウントからAIを中心にしたアカウントに切り替えたのは、人々から「AIは素晴らしい」だと認められることを求めてのことではない。(実際、私のAIイラストの「いいね」はいつも同担1人からのものだ)
それはむしろ、「所属欲求」から来ていた。

私が金やチヤホヤされるためにAIイラストを生成していると思っていたのか?私は「神絵師」を越えるためにAIイラストを生成している。|安藤拓海

「所属欲求」が目的で「AIの素晴らしさ」を広めることが目的ではないという話じゃ無かったんですか?

生成AIの領域での進化は顕著で、人間が持つ想像力や創造力を補完、あるいは代替する可能性を秘めている。
事実、中国ではすでにイラストレーターの仕事がAIに取って代わられているという報告がある。

AIが中国で既にイラストレーターの仕事を奪い始めている、現場の悲鳴と実際にどのようにAIが用いられているのかをまとめたレポートが公開

いいですか、落ち着いて聞いてください。今は4月123日とかではなく8月なんです。何故4月のニュースを持ち出すんですか。4月の時点で中国は「生成AI」規制を発表していて現在は世界中でさらに進展しています。

このAIは、わずか1年でMidJourneyV4からNijiJourneyV5へと驚くべき速度で進化している。その進化の度合いは、人間が絵を学ぶスピードとは比較にならないほどだ。それは、AIの持つ可能性を具体的に示している。

こういう話知ってますか。よくソ連の計画経済は非効率的だった、と言われますがソ連は最初の頃は世界恐慌に苦しむ他国を尻目に圧倒的経済成長を続けていたんです。北朝鮮でさえ1970年代ぐらいまでは韓国を上回っていました。しかしその後停滞しました。理由は色々ある訳ですが、「計画」経済というのは「追いつく」ことはできても「追い抜く」ことはできないんです。何故なら「10年後までに工場をいくつ建設する」という計画は立てられても「10年後にiPhoneを発明する」という<計画>は立てられないからです。

私たちの生涯は有限である。その限りある時間を「死にゆくスキル」に投資するのは、無駄に思える。その時間を、もっと有益で楽しいことに使いたいと私たちは思う。読書をすること、ゲームを楽しむこと、ChatGPTで遊ぶこと、旅行をすること、恋愛をすることなど、人生はさまざまな楽しみで満ちている。

ちょっと聞きたいんですが、「絵を描くこと自体が楽しい」とはならないんですか? いや、絵を描いてる人でも「完成形だけ見たい。それを見るために仕方なく絵を描いてる」と言う事がありますが、将棋のように「勝敗」がハッキリと出るものでさえ「過程が楽しい」からやってるプロ棋士が沢山いる訳で。

AI研究の権威者である東京大学の松尾豊教授が何のスキルが役に立つのかと問われたら、「状況が変わりすぎてわからない」と答えたという。それは、現在の技術の進化速度があまりにも速く、それに対応するスキルを予想するのは難しいという現実を示している。

これは確かにその通りですね。amamakoさんという人がこう書いています。

ところが近代も後期に入ってくると、社会が流動化するなかで「自分が何者であるか」ということも不安定になっていきます。例えば「自分は手先が器用で内向的だから職人として生きていく」と決めても、その職人という職業自体が社会の情勢変化によってなくなってしまうかもしれない。そんななかで、固定的に「自分はこんな存在である」と決め打ちしてアイデンティティを形成するのは、むしろリスクとなってくるわけですね。

そのような後期近代の社会においては、「自分は何者であるか」というアイデンティティの問題より、「自分はどう周囲と付き合っていくか」というコミュニケーションの問題の方が重要となります。もっと言ってしまえば、「自分が何者であるか」ということ自体が、「そういうキャラでいけば、周囲と円滑な人間関係を営める」というように、コミュニケーションの一手段となっているわけです。

いわゆる「MBTI性格診断」はなぜ流行っているのか - あままこのブログ

「どうして、人は誰かを妬むのかしら…」
「…他人と比べることでしか、自分をはかれないからさ。人と人の間にしか、自分の居場所はないんだ」

タクティクスオウガ外伝 The Knight of Lodis

アイデンティティ(自己)よりコミュニケーション(他者)の方が重視される現代(後期近代)では「神絵師を超える」のような他者との比較以外で「自己」を定義するのが難しい訳ですね。

未来のイラスト界は違う。公式絵に寄せた美しい絵だけを描く「神絵師」は、AIにとっての餌食となり、イラスト界のパワーバランスを一変させるだろう。

「公式絵に寄せた美しい絵だけを描く神絵師」ってちょっと待ってください。その「公式絵」は誰が描いてると思ってるんですか? 公式絵を描いてる人は「神絵師」と呼ばないんですか? というかそれをいったん置いとくとしても、「公式絵」が正解でそれに近いほど良いというのはどういう判断基準なんですか?

AIによるイラストの進歩があまりにも凄まじいからだ。もちろん、現時点ではまだAIによるイラストと神絵師の絵とを比較するのは早いかもしれない。しかし、将来的には、技術の進歩によって、神絵師たちが創り出す美しい絵さえもAIが描けるようになるのではないかと予想する。

過去から将来を予測するのは科学の世界でも行われていることだし正しい方法を用いれば可能かもしれませんね。15歳の時身長が140cmだったから30歳の頃には280cmになってるはずだとか。

私が達成した結果はAIの力によるものであり、他の芸術家たちが何十年もかけて磨いた絵画技術や審美眼によるものではない。しかし、それは私にとって何の問題もない。

そうですか。「私はJourneyシリーズと共に成長してきた」とか言うのをやめてAIの力によるものと認めたんですね。

とはいえ、私もAIイラストを出力する過程で、大変大幅なレタッチや微調整など、こっそりと頑張っていることは確かだ。しかし、それでも時折寂しさを感じることがある。親しい友人でさえ「AIくんは凄いね」「AIの進歩すごい。濃いインド人時代も好きだったから生成してね」と、私の作品を私の子供として認めてくれないことに、ちょっぴり、ちょっぴりだけ寂しさを感じることがある。

自分で「私が達成した結果はAIの力によるもの」と言ってるのに何でそれが「私の子供」と認められないことを嘆くんですか。AIの力によるものなんだからあなたの子どもで無いことは当然でしょう。アメリカ著作権局や日本のJASRACも著作物で無いと言ってますよ。「大変大幅なレタッチや微調整など、こっそりと頑張っている」ならその部分だけ自分の子どもだと言えばいいでしょう。

一部の反AI派からは、AIイラストは他の膨大な作品を盗作しているようなものだとの声もあった。まさに私は海賊のような立場になってしまったのかもしれない。

「一部の反AI派」というか三大学術誌の一つScienceの編集長が「生成AI」は盗作と言ってるんですが。

Science誌の編集長であるHolden Thorp氏は、すべての論文の投稿は著者のオリジナル作品でなければならず、AIによって作られたコンテンツは盗作の一形態であると述べている。(中略)インターネットから収集した膨大な量のテキストで学習するため、学習データにある文章と非常に類似した文章を再生することができる。

科学誌は論文の共著者としてChatGPTを認めない方針 | TEXAL

自己欺瞞が詐欺に変わる時(永久機関の場合)

私はこれからも、常識や伝統に囚われることなく、自分の道を進む。そして、他の「神絵師」たちを追い越し、自分を満足させつつ、新しい時代を築く日を心待ちにしている。

最後にこう締めている訳ですが、常識や伝統に囚われなかったとしても自分の心には従った方がいいと思うんですよ。どういうことかと言うと、

神絵師たちが創り出す美しい絵さえもAIが描けるようになるのではないかと予想する。
それは、私が試しにAI(NijiJourneyV5)に神絵師のと同じ題材を投げてみた結果からも伺える。その結果は、神絵師の描く絵と比較しても遜色ないもので、あたかも人間が描いたかのような仕上がりだった。(結果は炎上を防ぐため載せられない)

「結果は炎上を防ぐため載せられない」という文を見てふと思い出したのは冒頭に引用したニューマンという人の話です。この人は最初永久機関を発明したと宣言し次のように煽ってました。

「このマシーンが世界を変える!」ニューマンは叫んだ。
「どうしてそう断言できるか、わかるかい?  真実は強烈なレーザー光線のごとく、ゴミを焼きつくすからだ!」
(中略)
「物理学者がいたら、ここに降りてきてくれ。討論しようじゃないか!」ニューマンは挑んだ。一瞬、観客席は静まりかえった。ニューマンが額に手をかざすと、しのび笑いが広がった。物理学者がひとりも降りてこないので、ニューマンはいかにもがっかりしたような表情を浮かべてみせた。

P.31-32

そして自分の「発明」を試験してくれと懇願していましたが、その後アメリカ上院公聴会に登場するまでに昇りつめた時、態度はこう変わっていました。

「これは、いたって単純な問題です」 グレンは述べた。
「入力されたエネルギーを測定し、出力されたエネルギーを割定し、どちらが大きいか比べればよいだけです。ミスター・ニューマンはこれに同意なさいますか? 同意なさるのなら」グレン議員は答えを待たずに話をつづけた。「測定をどこの研究所に依頼しましようか?」
ニューマンのこけおどしがあばかれた。ニューマンは初めて言葉に詰まったが、返答をせかされ、ようやく口をひらいた──自分のマシーンを保証してくれた科学者たちを侮辱することになるので、いかなる研究所による試験も断固拒否する。
室内の空気がこわばるのがわかった。なんだっていうのだ、この返答は?
(中略)
形勢が不利になったと感じたニューマンは、どなり散らす戦法にでた。
「なにをおっしゃりたいのかわかりますがね、 上院議員、わたしはなにも隠しだてしていない。いいですか、この目を見てください。まばたきなどしていない」
「わたしもまばたきはしていない」グレン議員は淡々と返した。

P.199-201

既に厳しい意見、というか盗作と批判されて炎上中なのだから「結果は炎上を防ぐため載せられない」と言う必要無いでしょう。自分の道を進むと決めたのだから堂々と公開し「もはや神絵師など不要」と宣言すればいいじゃないですか。何故ニューマンのように拒否する必要が? もう自分でも気づいてるのでは?

「この世界に可能性がないなら、過去からもう一度可能性を選び直せばいいんだ」
「駄目だ、エンジンは未来へ向かうためのものだ! 今の自分を否定すれば、魔法は、呪いに変わってしまう!」
「だって、否定するしかないじゃないか。僕のことを思ってくれる人なんて一人もいない。何もかも幻だったんだ。僕が初めて抱いた希望は、全て……」

(中略)

可能性のない「いま」に絶望し、過去へ戻って「いま」を変えようとするみなとに、エルナトがかけたのがこの「エンジンは未来へ向かうためのものだ」という言葉だ。作中におけるエンジンは魔法の力の象徴のようなものだ。だが終わってしまった過去を、決まってしまった「いま」を変えるためのものではない。少年と少女はエンジンの力を借りて、自分で未来を選択し、小さな一歩を踏み出した。この言葉には、希望や夢、あこがれを原動力に突き進んでいたはずの航空産業が、いつの間にか多くの人々の命を奪い、敗北の象徴となってしまったことに対する後悔、そしてそれを糧に未来へ向かって発展を遂げた自動車産業への尊敬の念がこめられている気がしてならない。

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