「生成AI」を推進しているエンジニアは本当に活躍しているのか?
人間はどうかすると未熟な科学の付け焼き刃の価値を過信して、時々鳥獣に笑われそうな間違いをして得意になったり、生兵法の大怪我をしても未だ悟らない[寺田寅彦*沓掛より|1933]
「技術の進歩について来れないヤツはバカ!」と主張する「技術者」に対し、「その通りだ、これまでも技術の進歩は我々の生活を豊かにし世界を変貌させてきた。自分には理解できない技術もどんどん受け入れていかなければ」と思う人も「俺たちが持ってない技術の知識があるからってバカにしやがって。技術者なら何してもいいのかよ」と思う人もいるでしょうが、前者後者に共通する無意識の前提は「生成AI推進派はすごい技術者」だと思います。
しかし本当にそうなのか、と首をかしげる言説をよく見ます。例えば以下の300万ビュー越え(!)のツイート。
IT知識の有無に関係なく「ん?」と思う人が多いと思いますが、当然以下のように反論されてます。
なお、Samsungは禁止、Amazonはコードや機密情報の入力を禁止、JPモルガン等メガバンクも大幅に制限しています。ちなみにビジネス向けDeepL翻訳はデータ保護を確約しています。
以前の記事にも書いたように、エンジニアは皆「生成AI」に好意的という訳では無いどころか、上級エンジニアが訴訟やストライキを起こしています。
AIが生成した投稿には一見すると正しいが実際には誤った内容、いわゆる「幻覚」が含まれており、コーディングに習熟していない一般ユーザーが適切に見分けることが難しいため、投票システムなどの従来の機能では不正確な投稿の氾濫に対応できないという懸念があります。
(中略)
モデレーターらは公開書簡に「適切なルートを通じて変化をもたらそうとした私たちの努力と危惧は、あらゆる場面で無視されてきました。今、私たちは最後の手段として、10年以上にわたりボランティアの努力を注ぎ込んできたプラットフォームへの献身を打ち切ります」と記して、ストライキの決行を宣言しました。
大手AI企業に“訓練用データ”の利用料を請求、Q&Aサイト「Stack Overflow」による計画の真意 | WIRED.jp
【Infostand海外ITトピックス】GitHub Copilotに集団訴訟 AI訓練データで初 - クラウド Watch
これらのサイトはプログラマなら誰でも知ってる、というかプログラムを書いていて「こういう事やってくれるライブラリ※無いのかなー」とか検索すればトップに表示されるため自然と知るようになるサイトです(※無料で公開されてることも多い、役立つプログラムを誰でも使えるようにしたもの)。
もちろんすべての上級エンジニアがStack OverflowやGitHub(主にITエンジニアがソースコードを公開するのに使うサイト)に参加している訳ではないし、「生成AI」の研究・開発は大変なので世界トップレベルのエンジニアが行なっているでしょうが、上記のエンジニア達が一般的なプログラマよりは能力が高いことは間違いありません。
しかし、最初に紹介したツイートのアカウントを見ると、bioにもそこからリンクされてるAIツールボックスというサイトを見ても、GitHubへのリンクもどんな人/企業が作ってるのかさえ書いてありません。
また、流石にすべてでは無いですが、肯定的なリプライや引用ツイートしている人のアカウントをいくつか見たところ、実際にどんなプロダクトを作っているかや所属などはリンク先を見てもわかりませんでした。
このツイートだけで判断する訳にはいかないので客観的と思われる指標を見ると、Qiita(ITエンジニア達が技術情報を投稿しているサイト)で「生成AI」で検索して「いいね」数トップ5の記事は2023年7月現在以下の通り。
2番目の記事は機械学習や生成AIについて中立的に仕組みや注意点を解説した記事。普通にわかりやすいと思うので見た方がいいと思います。
著者は以下のような製品を開発している企業でSREを担当しているそうです。
他の(画像)生成AIに肯定的な記事の著者は以下の通り。
1番目の記事の著者はTwitterを見ると、Vision Transformer入門という本の著者の一人のようですが、その内の誰でどのような部分を担当したかはわかりません。検索してみるとおそらく本人と思われるLinkedInのアカウントが見つかり、野村総合研究所の機械学習エンジニアのようですが、少なくとも以下のページには載っておらず、何をしているかまではわかりませんでした。
3番目の記事の著者は「Larva06の技術開発部兼企画部リーダー」と書いていますが、こちらは「Larva06」自体が公式サイトなどが存在しないようでよくわかりませんでした。
4番目の記事の著者はTwitterへのリンクは無く、GitHubへのリンクはありましたが、ほとんど活動してないようなのでよくわかりませんでした。
5番目の記事の著者は色々なWebサービスを開発しているようですが、所属などはわかりませんでした。
最後にすごいAIのニュース。
他に、Twitterでは既に紹介しましたが、現在SAKANA AIに所属している競技プログラミング世界ベスト10に入ったこともある人が元いた会社Preferred Networksが開発しているAI
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