韓国で2024年12月に「非常戒厳」を宣布し、内乱首謀罪に問われた尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領(65)の論告求刑公判が13日、ソウル中央地裁で開かれた。特別検察官は、戒厳について「憲政史に前例を見つけがたい反国家勢力による重大な憲法秩序破壊事件だ」として死刑を求刑した。判決は2月にも言い渡される見通し。
尹氏は起訴内容を全面的に否認しており、弁護人は13日も「内乱罪は成立しない」と主張した。
特別検察官は、戒厳に関与したとして、内乱重要任務従事などの罪に問われた金竜顕(キムヨンヒョン)前国防相には無期懲役を求刑した。
当初、求刑は9日に行われる予定だったが、金氏側の証拠調べが長引き、延期された。13日の公判も尹氏側の証拠調べが10時間以上に及んだ。弁護側に対して「遅延戦略」との批判も出た。
内乱首謀罪の法定刑は死刑か無期懲役、無期禁錮に限られる。1979年の「粛軍クーデター」などを受け、同罪などで起訴された全斗煥(チョンドゥファン)元大統領に対し、検察が96年に死刑を求刑した事例がある。
起訴状などによると、尹氏は憲法が規定する「戦時やこれに準ずる国家非常事態」との要件を満たさずに戒厳を宣布。軍や警察を動員して国会を封鎖し、戒厳の解除決議を妨害しようとしたほか、李在明(イジェミョン)現大統領を含む政界の要人らを拘束しようとしたとされる。
尹氏側は、戒厳宣布は憲法が定める大統領の統治行為であり、当時の野党側の横暴を知らせる警告が目的だったと訴えてきた。(桜井紀雄)