「そんなこと言えるかよ!」ホームレス男性の逆鱗に触れた“タブーの質問”…大都会の小さな公園〈炊き出し〉の現場で【ルポ】
池袋駅東口の小さな公園で行われる夜の炊き出し。炊き込みご飯のおにぎりとトマトチーズパンを受け取った直後、何気ない一言がホームレス男性の怒りを買うことに……。さまざまな街を巡り、炊き出しに参加してきた國友公司氏が垣間見た“炊き出し界隈”のリアルを見ていこう。※本連載は、國友公司氏の著書『ルポ 路上メシ』(双葉社)より一部を抜粋し・編集したものです。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
池袋・うなぎ公園の炊き出し事情
東京23区においてホームレスがとくに多く集まる4カ所(新宿、渋谷、上野、荒川)に共通しているのは、大きな広場を有している、という点だ。 新宿には新宿中央公園が、渋谷には代々木公園が、上野には上野公園が、荒川沿いには言わずもがな、河川敷がある。ホームレスたちは、主にそこで生活を営んでいる(新宿は新宿中央公園を追い出される形で、現在は近くの路上にホームレスが暮らしている)。 その4カ所とまではいかないものの、池袋駅周辺でも数人のホームレスの姿を確認できる。いつもデパートの食品売り場と直結する地下の駅構内で、柱にもたれかかりながら床に座り込んでいるホームレスが何人かいて、私も気になっていた。しかし、駅の入り口は終電を迎えれば閉鎖され、彼らも外へ出なければならないはずだ。 そこまで通い詰めたわけではないが、池袋は私にとって、それなりに土地勘のある街だ。少し考えても、ホームレスが落ち着いて眠ることができるような場所は思い当たらない。彼らは一体、夜をどこで過ごしているのだろうか。 そんな池袋を中心に月に10回ほどの炊き出しを行っているのが、特定非営利活動法人『TENOHASI』。2003年に任意団体として発足(2008年にNPOの認証を受ける)して以来、20年以上活動を続けている。 活動内容は炊き出しのほかに、夜回り、生活相談、医療相談、シェルターの提供などだ。通常、ホームレスが生活保護を申請した場合、共同生活となる「無料低額宿泊所」に入ることが多いが、そこでのトラブルから再び路上に戻る人が多い。 そもそも、他人とうまく関係を築くことができないがゆえ、ホームレスになっている側面がおおいにあるからだ。そのため、同団体のシェルターはアパートを利用した個室型となっている。 2024年6月のとある平日21時半、池袋駅東口にある豊島区立池袋駅前公園(通称・うなぎ公園)には80人ほどの行列ができていた。私もその最後尾に加わると、30代のスタッフの男性から「6月活動情報」と書かれたチラシを手渡された。見ると、今月行われる同団体の炊き出しスケジュールのほかにも、池袋周辺で開催される他団体の炊き出し情報まで載っている。 池袋にある2つのキリスト教会では月に1回ずつ弁当を配っているというが、教会のホームページを見てもその周知はされていない。 本当に弁当がもらえるかは実際に訪れてみないことにはわからないが、教会主催の弁当の配布は人づてに聞くか、このチラシを見ないことには、たどり着けないだろう。 NPO団体や一般社団法人の炊き出しは、キリスト教系団体のような「説教タイム」がないため、並んでからメシにありつける時間がとても短い。公園に着いた15分後には、おにぎり1つとパン1つが私の手元に渡されていた。せっかくなので誰かと一緒に食べようと、生け垣に座っておにぎりを頬張っている70代後半の男性の隣に座った。
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