「人手不足」で企業倒産、止まらず 過去最多ペース 人件費高騰が中小企業の経営を圧迫

JR東京駅前を職場などに向かって歩く労働者ら
JR東京駅前を職場などに向かって歩く労働者ら

2025年は人手不足による企業の倒産が過去最多(397件)となった。東京商工リサーチ(TSR)が7日に発表した調査結果によると、4年連続で増加している。従業員の退職で倒産が増えたほか、賃上げによる人件費高騰が中小企業を中心に経営を圧迫している実態が浮かんだ。

人手不足による倒産件数(東京商工リサーチ調べ)
人手不足による倒産件数(東京商工リサーチ調べ)

倒産企業397件のうち、152件が人件費の高騰によるもので、求人難は135件、従業員の退職に起因したのは110件あった。

倒産企業の63・2%(251件)は資本金1000万円未満の小・零細企業が占める。業種別にみると、サービス業が151件(71・5%増)で最多となった。次いで建設業93件(22・3%増)、運輸業60件(14・2%減)と続いた。

賃金面で大手に劣る中小企業では、人材の流動化が進む。より賃金の高い職場を目指す人が増え、人材の確保が難しくなり、業績にも影響している。TSRは「2026年は『賃上げ疲れ』が経営に深刻な影響を及ぼす企業を中心に、倒産の増加も危惧される」と指摘する。

高市早苗首相は6日、東京都内で開かれた経済3団体の新年祝賀会であいさつし、賃上げについて「事業者に丸投げしたりはしない」と語り、「官公需なども含め、しっかりとした価格で発注ができるよう進める」と強調している。

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