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ブレアウィッチ・プロジェクトとブレアウィッチ2とブレア・ウィッチ

 何となくTwitterで流れてきたので久しぶりに見てみた。
 俺はそういう理由で突然、映画見たりまんが読んだりする。
 ブレアウィッチ・プロジェクトに関しては昔「メッチャ怖い」ということでメッチャ怖いの見たかったから見た。メッチャ怖かった。全部怖かった。POVというものを見慣れていなかったのもあってガタガタする映像も怖かった。余談だが、俺はPOV形式の映画そんなに好きじゃない。クローバーフィールドとかなんかもう見づらくて仕方なかった。
 単純に見慣れてなかったから当時は新鮮だったのかなと思ったのだが、今回見直してみたら別に酔ったりイライラしたりはしなかった。酒呑んでたから酔うには酔っていたがそれはステータスの話なのでどうでも良い。ちなみに何でなのかは考えても仕方ないので考えていない。

 テントに外からワサワサーって手が大量に伸びてくるところとか、最後にマイクが突っ立ってる後ろ姿とかなんか知らんが怖い。あとフェイクドキュメンタリーの常である「なんでずっとカメラ回してんだよ」あたりが気にならなくて良い。これヘタにやるとホントに違和感があるんだけどブレアウィッチ・プロジェクトに関しては上手だと思う。理由は俺の中に違和感が無かったから。
 なんか知らんが怖い、を徹底しているところとか拘りを感じる。
 低予算は工夫しなくてはならないというか、ある程度ごまかさなきゃならんと思うのだが、ごまかし方がうまい。ブレアウィッチ・プロジェクト見て「結局何だったんだよ」とか言ってしまう人はちょっと甘えすぎだと思う。想像するから怖いのであるからして。
 まあただ、途中の尺稼ぎがずっと三人の口論なのが、当時は「人間関係が破壊されていく、怖い!」などと無邪気に思ったりしたのだが、今見ると「うるせえよ、いつまでケンカしてんだよ、仲良くしろ」と思ってしまう。理由はマジでうるせえから。
 ミステリに出てくる登場人物が全員バカでかんしゃく持ちみたいなストレスを感じる。推理しろ。協力しろ。仲間と力を合わせて敵に立ち向かえ。
 まあでもブレアウィッチ・プロジェクトは今見ても充分怖いよ。
 見たことない人は充分以上におっかねえ~ってなれると思う。絶対にキャンプとか行きたくなくなると思う。ソロキャンなんかもってのほかですよ。手がワサワサーって外からテント触ってきたらどうするんですか。失禁して死にますよそんなもん。

 で、ですよ。
 「なんか面白くなかったんだよな」という記憶しかないブレアウィッチ2も続けて見たんですが。U-NEXT全部あって最高。解約しなくて良かった。俺に何故かハウスオブザドラゴンのノベルティ送ってくれたし。
 多分「U-NEXT解約するの忘れてた」ってツイートしたから天罰を与えるために贈ってきたに相違ない。贈って貰って天罰とは何だ。ターガリエン家のハンコを使え。出版契約書の割印とかに。

 話が逸れた。
 ブレアウィッチ2なんですが。
 前作が妙に売れたということを受けての、制作陣の嫌がらせかな? と疑うほどに前作をめちゃくちゃにしている。というかその結果、めちゃくちゃになっているのは今作なのだが。
 ブレアウィッチ・プロジェクトという映画が売れた、というメタ視点で造っているというのは、まあ、そういうアプローチもあるよね、で済むのだが、なんせカメラが一人称視点の時はそれっぽいのだが、ほぼ三人称視点(つまり普通のカメラワーク)な上に絵ヅラがもの凄くつまらない。なんだこれ? ってなる。ならない人は甘やかしすぎだと思う。
 まああと、ちょくちょく前作を茶化すんですよ。
 例えば「男二人女一人のパーティでセックスしないの?」みたいな、子供かよって発言があったりするんですよ。前作を見れば分かるんですが(というかいきなりコレ見る人いないと思うけど)あの三人は妙に男女の垣根を越えているところがあって、三人で狭いテントに雑魚寝しても平気だし(俺は体臭とか変な雰囲気とか気にならんのかなと思ってしまうが)ションベンしにいった女を普通に面白がって撮影するし撮影されて笑ってるし、なんというか、いい意味で友達以上にならんみたいな雰囲気があり、それを無視してセックスしないのゲラゲラとかって別に面白くないし面白いと思って今、言ったのそれ? って思ってしまうし俺は全然面白くない。

 男女が揃えばそれはセックスだ、という謎のポリシーと当てつけを感じる今作では、なんか普通にみんなセックスしとる。というかしてもいいんだが、いきなり前作クライマックスの舞台となった家まで辿り着いて(多分開始15分も過ぎてない)そこでキャンプするとか風情も何も無い。
 一応、そこで数時間、みんな揃って記憶が飛ぶ。
 その謎を解明していくという筋立てなのだが、別にどうでもいい。
 お前らが数時間、何をしていようと興味が無い。ちなみにセックスと殺人を犯していた。そうですか。
 女優が三人いるのだが、やたら脱がされる人が一人、いつもゴスっぽい服着て一番、脱ぎ要員みたいなのが下着姿止まり、そして残る一人はずっと着衣。そういうのやめて欲しい。脱ぐなら全員脱ぐ。脱がないなら全員脱がない。徹底して欲しい。ちなみに男性陣は全裸であり男女格差を感じる。
 全裸の人も鮮明な状態だとパンツ一枚着けている。そういうのも良くない。醒める。Fallout3でレイダー倒して衣服全部剥ぎ取ったらブラジャーしていたぐらい醒める。ウィッチャー3で国内盤だと女性陣が全員ブラジャーしているぐらい醒める。なので俺は海外版をプレイする。
 俺は裸が見たいとか乳首を出せとかそういうことを言っているわけではない。不自然なのが気になって仕方ないと言っている。分かったか。分かって貰いたいのだが。

 結局、ブレアウィッチ2は「全員頭がおかしくなっていました」みたいなしょうもないオチで終わる。それもブレアの魔女の呪いが齎した狂気だとかなんとか解釈出来なくもないのだが、俺はそこまで解釈してあげるほど優しくはない。
 俺の半分は優しさで出来ていると言われているが、それでもこれは容認出来ない。理由は全然面白くないから。むしろ前作見てないでこれだけ見たらもうちょっと面白がれたかもしれない。全裸が出てくるので。全裸で喜ぶのならポルノ映画でも見てくださいという感じだが。
 なんというか、前作に対してカウンターを狙いに行くのはいいし、やたらヒットしてしまった作品の「2」を造る上で考えすぎたのかもしれないのだが悉く外れている。殺人もセックスも狂気ももっと真面目にやって欲しい。残酷な死体やヒッピー崩れの乱行みたいなセックスや精神病棟の描写とか、全部「さっき五分で考えました」みたいな有様でふざけているとしか思えない。
 多分、予算は増えたんだと思う。
 人間はこうやって金で堕落するのである。
 この作品で唯一評価出来る点があるとすれば「ダッジラムの横っ腹にブレアウィッチ・ハンターって書いてあるのかっこいいよな。というかダッジラム最高だな」という点で、それは映画の評価ではなく車の評価なのだがそれしか評価するところがないので諦めて貰いたい。
 ダッジラムはかっこいいぜ。

 そして話は三作目「ブレア・ウィッチ」になる。
 これは正当続編を謳っており「前のしょうもないヤツはなかったことにしてください」みたいなことをのたまっているので一応期待したが、その期待の中にも「前作は無かったことにしてくださいって作りでおかしかった映画たくさんあるよな」などと不安も過ったりした。
 具体的に言うとターミネーターの四作目。
 そりゃ三作目をなかったことにしたいのは分かるが。
 今はターミネーターの話はどうでもいいのでどうでもいいものとする。ブレア・ウィッチの話である。なんでナカグロ入れたの? みたいに思わんでもないが些細なことなのでどうでもいいものとする。
 ちゃんとストーリー上も続編で、前作の主人公の弟が主役で、姉を探してブレアの森に向かうのである。そして時代設定が2000年代なので色々と高画質になっていたりなんだり、ドローンやらGPSやらで完全武装状態なのだが、なんというか、そもそも主人公が旅立つきっかけが「YouTubeで姉が撮影したっぽいのアップロードされているのを見たから」なのは今風と言っていいのか? と思うほどオッサンが若ぶっている感が凄い。

 俺は最新機器と人知を尽くしてオカルトと戦う話は嫌いではないというかむしろ好きである。どっちも手加減せずに全力で戦って欲しい。なのでドローンもGPSも高画質ハンディカムも高性能トランシーバーも遠慮なく使って欲しい。
 そしてオカルト側も現代に対応して頑張って欲しい。
 ところでまた話は逸れるのだが、ミステリとかホラーのジャンルにおいて携帯電話の登場は驚異かつ厄介な代物らしく、古典的なやり方だとまず何もかも台無しになるので、そこは対応し進化しなくてはならない。何なら携帯電話なんかなかった時代の話にするとかもいいと思うのだが。
 「クソッ、スマホが何故か繋がらない、アンテナがない」とか言われたら試合放棄かな? と思ってしまうのは俺だけではあるまいと思われる。

 んで今作の酷いところはまさにそれで、とにかく壊れる。
 ドローンは墜落するしフラッシュライトは点かなくなるしGPSは役に立たないし高性能トランシーバーはノイズまみれな癖に、なんでかカメラは生きている。そらそうですよね、映像なかったら映画にならんもんね。
 そういうのやめていただきたい。
 持ち出した武器が強力すぎたからといって特に理由もなく次々と壊れるの、完全に現代に適応しきれてない。オカルトが、じゃなくて制作陣が。ブレアウィッチ2で俺は「脱ぐなら全員脱ぐ、脱がないなら全員着衣」と思ったが、今作では裸とか乳首とかそういう話ではなく裸とか乳首とかそういう話を俺はしたい訳ではないし裸とか乳首とかはこの際忘れていただきたい。俺が見たいのは設定と向き合う真剣勝負であって裸も乳首もどうでもよいとされている。俺の半分は優しさで出来ている。

 ブレア・ウィッチはしかしながら、「2」と違ってこっちが2じゃ! と言い張る程度にはヒネっている。
「入り込んだブレアの森をドローンで空中から見たら無限に広がっていて出られる道が見当たらない」とか「例の人形を壊すと目の前で仲間が全身複雑骨折して死ぬ」とか「いつまで経っても夜が明けない(朝八時とか九時とかになってもずっと暗いまま)」とかは結構、良い。というか「夜が明けない」ってかなりの脅威であることは想像に難くないと思う。耳なし芳一が永久に解放されないということである。とにかく夜明けから日没までは人間のターンであるのにずっとフロムダスクティルドーン、もう助かる気配が無い。みんな死ぬ。
 まあそういうとこちゃんとしてんだけどネー。
 POV形式もギリギリまで保ってんですけどね、ちょくちょく怪しいとこあるけど見逃せる程度。俺の半分は優しさで出来ている。
 結局そこまできっちり続編をやると「ブレアウィッチ・プロジェクトの方が面白かったな」という残酷な感想が飛び出してくる。来ざるを得ない。 

 ブレアウィッチ2が最大限の優しさで評価して「ダッジラムはかっこいいよね」となるのは仕方ないとして、ブレア・ウィッチに関しては「二世モノでしくじったまんが」みたいな印象がある。あった。続編を造るのは難しい。最初から三部作構想とかならともかく、後付けで続編を造るのは殊の外難しい。
 そういう残酷な現実を垣間見せられた。というか何も今更、そんな気分にならなくてもいいと思うが、なってしまったものは仕方がない。

 あとホラ、ブレアウィッチ・プロジェクトの最もキモである「顔面の上半分を接写してて怖い」みたいなポスターにもなっているあのシーンを、なんかおざなりに踏襲しているのは二作とも同じで、もっと真面目にやれという気持ちがまたしても湧いてくる。

 真面目に造っているとは思うのだが。
 なんかこう、色々、フェアな戦いではないというか。別にフェアじゃなくてもいいが反則使った上に敗北しているというか。何にもいいことなくない、それ? みたいな万感の思いが湧いてくる。
 
 「ブレアウィッチ・プロジェクト」って凄いんだね、ということを再確認させられるというか、しょうもない続編をぶち込むことによって一作目の価値を底上げする目論みなのかも知れないと思ったりもする。全ては予算と環境である。過酷な予算と環境が作品の強度を底上げするのである。
 いやそんなことないよ、十分な予算と恵まれた環境で造った方がみんな満足するだろ、と思われるかもしれないが、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすとも言う。
 突き落とされた我が子の方は堪ったものではないのだが。
 というか意図的に突き落とすの止めて欲しい。
 スタート地点から谷底なので、仕方ないから千尋の谷の谷底から這い上がるのであって、意図的に突き落とされたら殺意しか湧かない。殺意は良くない。健全に作品を造っていただきたい。

 ブレアウィッチ・プロジェクトの続編として満足出来るという代物が出るにはまだ早いのかもしれない。2023年にもなって「まだ早い」とか何言ってんだという感じだが。「もう遅い」って意味になっている気がするが。
 ちなみにブレアウィッチ・プロジェクトの日本公開は1999年12月23日とのことだ。24年前である。あと10年くらい寝かすと千尋の谷から何かしらが這い上がってくるかもしれない。ブレア・ウィッチの公開が2016年とのことで結構最近だが、ちょっとまだ早かったかもしれない。

 まあ別に無理して続編造らなくていいと思うが。
 ブレアウィッチ・プロジェクトは単体で面白いしおっかないので単体で完結させておいた方が良かったのではないでしょうか。現時点では俺からはそれしか言えません。
 この先、それが覆るようなものが現れるとしたら、それは谷底からではなく天空からやってくると思う。そういう別次元の視点が必要であり、必要なのはまあいいとして、そこまで続編ちゃんと造る必要ある?
 俺はないと思う。
 「蛇足」という残酷な言葉の意味を、三作通して見ることによって皆さんも噛みしめてみましょう。
 <おわり>

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ブレアウィッチ・プロジェクトとブレアウィッチ2とブレア・ウィッチ|江波光則
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