故ソウル市長から4年間セクハラ受けたと主張 告別式の日に元秘書側が会見

Park Won-soon

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画像説明, 朴氏の告別式は5日間にわたる。韓国の告別式としては異例の長さだ

先週遺体で見つかり、自殺したとみられる韓国・ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長(64)について、元秘書の女性が13日、4年間にわたってセクハラを受けたと告発した。

この日、朴氏の告別式が催された。公式行事で5日間にわたる。

朴氏は韓国有数の影響力をもつリーダーで、大統領候補にも名前が挙がっていた。

家族に書き置きを残して失踪し、10日未明に市内の山中で遺体が発見された。書き置きはその後、公表された。

遺体発見の前日には、秘書が朴氏の行動に関して、警察に告訴状を出していた。

告別式に反対する署名活動には50万人以上が応じた。

A mourner at the funeral on Monday

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画像説明, 告別式で朴氏の死を悼む参列者
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被害の主張

元秘書の弁護団は13日、記者会見を開き、朴氏が4年間にわたって性的な嫌がらせを続けていたと主張した。

弁護団が明らかにした元秘書の話によると、朴氏は下着姿の写真を彼女に送りつけた。また、市長室のベッドルームに呼び、自分を抱きしめるよう求めたこともあるという。

元秘書は市役所に助けを求めたが、無視されたと話している。加害行動は彼女の異動後も続いたという。

記者会見では、「最初の時点で報告すべきだった」、「そうしていたら、いま自分を責めずに済んだだろうか」などと書かれた元秘書の手記が読み上げられた。

彼女は警察に告訴状を出した後、「夜通し尋問された」という。また、元上司の市長が死亡したことに衝撃を受けたという。

「死という言葉は、最もつらかった時期にも口にできなかった。心から残念だし、まだ信じたくない」、「冥福を祈りたい」。弁護団は元秘書の言葉を紹介した。

A Buddhist monk pays his respects at a public memorial for Park Won-soon at Seoul City Hall

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画像説明, 告別式はソウル市庁舎で開かれた
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告別式に反対の署名活動

告別式については、反対する署名活動が韓国大統領府のウェブサイトで始まり、56万回以上の署名があった。同ウェブサイトは日ごろ、市民運動などに活用されている。

署名活動を立ち上げた人たちは、「セクハラで自殺したとされる有名政治家の、5日間にわたる上等な告別式を見なくてはならないのか?」と問いかけている。

そして、「そんなことをして、それが世間へのどういうメッセージになると思う? 告別式はひっそりと家族で営まれるべきだ」とした。

ただ、ソウルの裁判所は12日、公的な告別式開催の差し止め請求を退けた。

Mr Park at a rally before his first election 2011

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画像説明, 2011年にソウル市長選で初当選する前の朴氏
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朴氏の服喪期間には、2万人以上が追悼の意を示した。13日は激しい雨にもかかわらず、朴氏への支持を表明する人もいた。

この日の告別式の参列者は100人に限定され、社会的距離が保たれた。式の模様はオンラインで中継された。

朴市長とはどういう人

朴市長は2011年にソウル市長選で初当選し、昨年6月に最後となる3期目に当選した。ソウル市長の3選は初めてのことだった。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が率いる「共に民主党」の一員で、2022年大統領選への出馬も取りざたされていた。

朴氏は、民主化を求める市民運動に取り組んだ人権派弁護士としてソウル市長になり、韓国国内の社会格差や汚職を厳しく糾弾してきた。

弁護士としては、国内初のセクハラ有罪判決を獲得した弁護士として知られていた。

朴槿恵(パク・クネ)前大統領と対立し、やがて前大統領の弾劾罷免実刑判決へと至った2016年後半からの大規模な抗議集会を、公然と支持していた。

BBCのソウル特派員、ローラ・ビッカー記者は、性的加害行動に関する話となると「朴氏の政治的な仲間たちを耳を閉ざそうとした。記者団が質問しても、『今はその話をする時ではない』、『失礼だ』などの答えが返ってきた」と説明する。

「『共に民主党』の仲間たちは、女性の権利のためにあれほど闘った人の思い出と、今回言われている主張との折り合いがつけられず、困惑している」と、ビッカー記者は言う。

「朴氏の同僚たちは悲しみにくれており、耳をふさいだ両手をなかなか離せないかもしれない。しかし、この国の女性の多くが明確に訴えている。権力を握る政治家たちが女性の信頼を獲得したいなら、今はきちんと耳を傾けるべき時だと」