【尾鷲】江戸時代に盛んだった古式捕鯨を再現する「ハラソ祭り」が12日、三重県尾鷲市梶賀町の梶賀漁港沖で開かれた。色鮮やかな大漁旗を掲げた和船「ハラソ船」が海上を進み、クジラの供養や海上安全を祈願した。
町によると、江戸時代に飢饉(ききん)が起きる度に浦で鯨が取れ、住民を救ったとの伝承がある。捕鯨が明治時代初期に廃絶した後、鯨をしのんで祭りが始まった。ハラソの語源は、銛(もり)を打つ「羽刺(はざし)」の転訛という説がある。
この日、男衆24人が隣町でおしろいや口紅を施し、赤色のじゅばん姿で帰航。漁港に近づくと「ハラソ、ハラソ」の掛け声に合わせ、羽刺役が天高く銛を掲げて海に投げ入れ、多くの見物客が歓声を上げていた。
同祭りの担い手不足が懸念される中、羽刺役は3年連続で大阪府茨木市の大学2年中村圭希さん(20)=町出身=が引き受けた。中村さんは「伝統を守りたい。力強い姿を見せることで、梶賀が活気づけば」と話した。
漁港では、輪内中学校の生徒らによるエイサー踊り、和太鼓団体「熊野鬼城太鼓」の演奏などがあった。区長の榎本富男さん(72)は「今年も多くの人が来てくれた。過疎化が進むが、できるだけ続けたい」と語った。