今選挙しないでほしい理由

勘違いしてはいけないこと

 よく勘違いされていますが、地方職員は別に選挙をするなとは思っていないはずです。少なくとも僕は思っていません。選挙があると、業務量が増えてウハウハですからね。大体はタイミングに原因があります。前回の衆院選も解散時期がいつまでも決まらず、選管は準備にバタバタさせられたものです。
 だが、こういったことは地方は別に慣れっこであります。別に国に限らず、県・自前選挙どちらも急にあるといえばあります。地方の職員はまあ多少の不満は言うでしょうが、なんやかんやでやりとげるんですよ。

問題はそこではない

 自治体情報システム標準化というものがあります。知らない人はいないと思いますので、説明は割愛します。選挙人名簿管理業務は標準化の20業務のうちの一つです。そしてこの標準化は、令和7年度末までに移行期限が引かれています(一部自治体では令和10年度末まで)。
 つまりは、この令和8年3月末までは、地方及びシステムベンダさんは一生懸命頑張って基幹システムを切り替えています。基幹システムとはその事業者が事業を行うための根幹となるシステムです。止まったところで支障のないグループウェア等とは違うんです。
 当方はもともと民間で、社内情シスでしたが、やはり基幹事業のシステムは、シンプル・枯れた技術で構成されています。華やかな最新技術の導入なぞもってのほか。
 基幹システムは安定稼働が絶対です。どこぞのCSP上で稼働させスケールイン/スケールアウトでギリギリのリソースでランニングコスト削減!とかを優先して行うものでもありません。
 さて、話を戻しまして、令和7年度末に期限が引かれているということは、この年末年始、1~3月に移行する自治体が多いということでもあります。職員はもとより、構築ベンダ様も過労死スレスレで耐えているところです。これも、ここ数年間のスケジュールの上に成り立っているものです。
 スケジュールなら人員を投入してやればいいだろ!とおっしゃると思いますが、人員の問題ではございません。

データ連携がヤバい

 標準化前のウチのシステム構成は以下のとおり。他の自治体の構成とは違うこともあります。今までは、投票所システムで一通り完結していました。

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で、標準化後は以下のとおり。今回は標準化そのもののが議題ではないので、ざっくり構成で掲載します。

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 抄本を選挙人名簿管理で管理するクソ仕様(期日前が終わった20時から、いったん選挙人名簿管理にデータを戻し、そこから当日の抄本を出力するという現場無視の仕様)に文句を言いたいところではありますが、そこは今回の問題ではありません。

じゃあ何が問題なの?

 先ほどの構成でいうと、標準準拠システムは令和7年度末の移行に向け、今なお皆さんが必死こいているところです。一方、投票所システムなんかぶっちゃけると選挙がない限り、20業務の標準化と時期を合わせる必要はありません。つまり、限られたリソースを20業務の標準化に注力することができたんですね。弊社の場合は、2月上旬20業務移行、2月末投票所システム構築完了で進めています。

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大丈夫なパターン

 自治体のシステム構成にもよりますが、大丈夫なパターン(切替日を土日とすると)は、投開票日<=移行日となる場合です。
 移行となる休日の金曜日に異動データを旧システムでFIXし、当日用の抄本作成、旧投票所システムにデータを取り込めばいいだけです。
 ただ、これは選挙事務「は」大丈夫なパターンであり、投開票が終わった後、標準化後のシステムにデータを反映する必要がありますので、標準化後も大変と言えば大変です。しかし、選挙事務が安全に行える点に勝るものはありません。ご存知だと思いますが、選挙事務はちょーっとしたミスでもすぐ新聞に掲載されます。下手したら名前付きです。

ヤバいパターン

 上とは逆になります。投開票日>=移行日となる場合です。この場合、標準化後のデータ連携レイアウトかその他のレイアウトで、投票所システムがデータを受け取れなければなりません。データ連携そのものが安全にできるかどうかが分かりません。
 ましてや、抄本の作成が標準システム側で行われるという運用ルールの変更つき。ウチの場合、ハガキの運用も変える必要があります。

何を問題としているのか?

 さて、話を戻します。今地方の職員が真に文句を言っているのは、冬の寒い時期にやるな!、予算・人事異動の時期にやるな!とかじゃないんです。
 今まで、構築ベンダとの協力のもと、安全稼働に向けスケジュールを組んでいたものを、今は支持率が高いからとかという理由が本当かどうかは知りませんが、そもそも標準化は国が言い出したことなんだから、特定移行支援末日とまでは言いませんが、少なくとも令和7年度末までは、移行を見届けましょうよ。
 自治体職員も構築ベンダさんも、今はギリギリの人事リソースでスケジュールを組んでいるときに、余計な業務を増やすなって。国民のことを思うのであれば、その窓口に立っている地方現場職員を大事にしろって。少しは目を向けろって。お前らが始めた物語なんだろ?
 どこの会社に、基幹業務を担うシステムの大幅な刷新をしているときに、新しい製品開発ラインを作成しろって指示を出しますでしょうか。これで基幹業務がコケたら責任を取ってくれるんですか?どうせ取らないでしょう?

地方職員が問題じゃないんだ。構築ベンダのことを考えろ。

参議院議員選挙あったじゃないか

 そうっすね。もともと予定されていた参議院議員選挙と、年度末に移行が集中している時期に、突発で行うものを一緒にしないでいただきたい。職員ではなく、構築ベンダ様が泣いていますよ。

「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」

 僕自身は、この言葉別に嫌いじゃないですし、地方ハム職員でももっとお前働けよと思う人は当然います。だけども、今回は人員の投入で解決できるものではなく、安全稼働に向けて準備してきた職員・構築ベンダにとんでもない負担を強いることとなります。分かりましたか?

システム開発・運用、選挙事務の事も分からない第3者が知ったかのように言わないでいただきたい。ご意見・ご質問があるなら共創PFの標準化・ガバクラ・選挙スレでどうぞ。お待ちしております。


なおウチは週明け作戦会議です。もうやだ。

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