「訳が分からない」。インターネットで「暇空茜」を名乗る男性と、取り巻きである多数のアカウントから執拗(しつよう)な攻撃を受けた大学生の男性は、渦中に投げ込まれた“ネットリンチ”に当惑する。デマが事実であるかのように広がり、話が作られていく。相手をおとしめるためなら何でもありの世界。「パニックでひどい時は死ぬと何回も思った」と被害の深刻さを語った。
始まりは2023年夏、暇空茜がネットで発信した防衛政策に対する主張に疑問を感じたことだった。戦争学を学ぶ立場から「分かっていない」と感じたという。
以前から同アカウントが交流サイト(SNS)などで繰り返していた他者への誹謗(ひぼう)中傷を苦々しく思っていたこともあり、SNSに書き込んだ。〈論理構成も雑。事実誤認も繰り返され、法制への知識も根本的に欠落。これで『天才』を自称なさるのは何かのギャグでしょうか?〉
「これが逆鱗(げきりん)に触れてしまった」。大学生は語る。翌日から攻撃が始まった。
はじめは直接対話できるSNSの機能で「話そう」と執拗に迫られた。その後、暇空茜の発信に触発された多くのアカウントも加わり、「詮索」が始まった。
1人で写った画像を取り上げ「友人がいない」と言ったり、学歴詐称と決めつけたりとデマが重ねられた。それが「事実」であるかのように拡散され、止めようもなかった。
「『安全保障論が間違っている』という指摘に『低身長』と言うのは、かみ合わない。だが言い返せないから、身長を持ち出す。たたくことありきで、対象をおとしめるためなら無からも何かを生み出す」
デマ拡散はもちろん、侮辱的なあだ名を付けられ、言葉尻を捉えられるなど嫌がらせが続いた。公人でもないのに「なぜこんなに注目の的になっているのか」と困惑した。
実害も出た。男性が暇空茜のアカウントに個別に送ったメッセージやメールアドレスを公表された。その後、そのアドレスや男性の氏名で、引っ越し業者などへのなりすまし注文や、政治家や芸能人らへの殺害予告、施設への爆破予告などが相次いだ。友人らへの嫌がらせもあった。
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