うちの部署に、
誰もが認めるガチで優秀な先輩がいる。
数字は出す。
締切は必ず守る。
仕事のクオリティも常に安定。
人事評価も毎年いいらしい。
それなのに5年間、一度も昇進してない。
正直みんな不思議に思ってた。
ある日、
飲みの場で思い切って聞いてみた。
「あの人って、
なんで昇進しないんですか?」
上司は少し黙ってから、こう言った。
「……仕事は完璧なんやけどな。
周りを巻き込む力が弱いんよ。」
最初は意味が分からなかった。
「自分の担当は100点。
でも、それ以上に関わろうとしない。」
「後輩が詰まってても助けに入らないし、
プロジェクト全体の流れにも入らない。」
「昇進ってな、
仕事ができるかどうかより
組織を前に進められるかなんよ。」
なるほど。
確かにあの先輩は優秀。
でも、誰かの仕事が楽になることはない。
トラブルが起きても
自分の守備範囲から出ない。
完璧だけど、孤立している。
上司は最後にこう締めた。
「評価が高い人と、
昇進する人は別やで。」
「昇進するのは、
自分の成果を積み上げる人じゃない。
周りの成果を増やせる人や。」
評価は「個人の点数」。
昇進は「組織への影響力」。
この違いを知ってから、
仕事ができるの意味がかなり変わった。
完璧で止まるか。
不完全でも、人を動かす側に回るか。
昇進って能力のご褒美じゃなく、
責任の入口だった。