解散検討、秘密主義貫く首相 選んだ「異例」の手法、政権内に禍根も

 23日召集予定の通常国会冒頭で、衆院を解散する検討に入った高市早苗首相(自民党総裁)。直近の民意を得ることで政権基盤の強化をはかる狙いだが、唐突な政治判断に対する反発を懸念して一部の側近のみで流れをつくる政治手法を選んだことで、政権内に禍根を残す可能性もある。

 「首相からは何も聞いていない。解散は首相の専権事項だが、進め方がおかしい」。党幹部の一人は11日、こう憤った。

 衆院選では、候補者の選定、選挙公約の策定などを主に担う党側との意思疎通は欠かせない。それでも首相は、党側との密なやりとりを避ける「異例」の手段を選択した。

加速する衆院選への動き

 首相としては、早めに国政選挙を経たいとの思いがある。内閣支持率は高水準にあるが、選挙で有権者の信任を得たわけではないからだ。一方で党側には早期解散への慎重論も根強い。国民生活に直結する新年度当初予算の成立が遅れるうえ、衆院選は約1年3カ月前に行ったばかり。公明党との選挙協力を欠くことの影響も見通せない。

 こうした状況を踏まえた首相は、自身の政治判断を封じられないよう、秘密主義を貫いたとみられる。首相は11日も報道各社の取材要請に応じなかったが、各党が準備に着手するなど衆院選への動きは加速している。連立を組む日本維新の会の吉村洋文代表は同日、記者団に「9日に首相と話したとき、衆院解散は遠くないと判断した。戦う準備はできている」と述べた。

 ただ、解散の大義が見えないことは変わらない。首相は衆院選でその課題を問われ続けることになる。

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    中北浩爾
    (政治学者・中央大学法学部教授)
    2026年1月11日22時5分 投稿
    【視点】

    今回の衆議院解散の判断は、官邸の一部で固められ、自民党への根回しは後回しになったようです、とりわけ麻生太郎副総裁と鈴木俊一幹事長に対する根回しです。高市総理は維新の吉村代表との会談でも、鈴木幹事長ではなく、木原官房長官を同席させており、党との連携を欠きがちです。この点は、第二次安倍政権との大きな違いです。 麻生副総裁は、高市総理の自民党総裁選勝利の立役者ですが、衆議院解散には消極的な態度をとっていると報じられており、溝が深まりかねません。衆院選で勝利すれば、麻生副総裁への依存度が下がるでしょうが、敗北すれば、党内基盤はますます脆弱化してしまいます。高市総理が賭けに出たということでしょうが、かなり危ういように感じます。

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高市政権

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自民党の高市早苗総裁が第104代の首相に選出されました。憲政史上で初の女性首相として、維新との連立政権をスタートさせました。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]

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