高市首相が公邸に引っ越し 地震発生時など危機管理対応を重視
高市早苗首相は29日、東京・赤坂の衆院議員宿舎から首相公邸へと引っ越した。公邸は首相官邸と同じ敷地内にあり、危機管理を重視する姿勢を打ち出したい狙いだ。10月の就任直後から外交日程や国会対応が続き、官公庁の仕事納め後の引っ越しとなった。
首相公邸では同日、引っ越し用とみられるトラックが出入りした。首相は11月の衆院予算委員会で、公邸への入居について問われた際には「今は荷造りの暇がないどころか、睡眠時間もほとんど取れていない。できるだけ早く引っ越す」と答弁。公邸内では、首相の夫である山本拓元衆院議員と同居するため、バリアフリー対応の改修などが進められていた。
首相が公邸に住む理由は、災害など危機管理対応の側面が大きい。高市首相の場合、今月8日深夜に青森県沖で最大震度6強の地震が発生した際、宿舎にいた首相が官邸に入るまで35分ほどかかった。警護車両などの到着に時間がかかり、「首相も焦っていた」(首相周辺)という。首相は21日にはX(旧ツイッター)に「危機管理は国家経営の要諦(ようてい)だ。近日中に住み慣れた宿舎を離れ、公邸に居を移したい」と投稿していた。
現在の公邸は1929年に官邸として建てられ、2005年に小泉純一郎首相が公邸として居住を始めた。歴代首相の多くが居住する一方、第2次安倍政権での安倍晋三元首相は東京・富ケ谷の自宅、菅義偉元首相は議員宿舎から官邸に通ったという事例もある。旧官邸時代に5・15事件や2・26事件の舞台になったことから「幽霊が出る」とのうわさもある。