「社内問い合わせメール」の返信作業をゼロに。Dify×Outlookで作る社内FAQ自動回答ワークフロー
「Wi-Fiのパスワードは?」「勤怠の修正方法は?」「備品申請のフォームはどこ?」 社内のヘルプデスクには、毎日このような定型的な問い合わせが数多く寄せられます。
これらの質問は、社内マニュアルやFAQを見れば解決できる内容がほとんどですが、問い合わせのたびに担当者が対応していては、生産性を低下させる要因となります。
今回は、Difyのワークフロー機能を活用して、社内FAQへの自動回答システムの構築方法を紹介します。
Outlookでメールを受信すると、AIが社内ナレッジを検索して自動で回答を返信する仕組みで、質問者はわざわざDifyを立ち上げる必要はなく、普段から使い慣れているOutlookで、問い合わせも回答を受け取る事も可能です。
この仕組みを導入することで、担当者は「メール対応」という単純作業から解放され、社内環境の改善や制度設計といった、社員が働きやすくなるための本来の業務に集中できるようになります。
会議室の予約手順が分からない!締め日を過ぎた勤怠の修正方法は?
— 岸田崇史 | Omluc (@omluc_ai) December 15, 2025
宛先が分からず、とりあえず聞きやすい人に送られるメール。受け取った人は「またか」と溜め息をつきながらコピペで返信。
その時間とストレス、Outlook × AI で無くせます。
例えば、… https://t.co/bhE2cD8aE7 pic.twitter.com/aT1skswGKV
ワークフローの概要
今回作成したワークフローは、以下の処理を自動で実行します。
Outlookで問い合わせメールを受信
メール本文から質問内容を抽出
社内FAQナレッジを検索
内容に基づいて回答を自動生成
回答メールを自動返信
ワークフローの解説
ここからは具体的なブロック構成を紹介します。各ブロックがどのような役割を担っているか、順に解説していきます。
1. メール受信トリガー(Outlookプラグイン)
ワークフローの起点です。Outlookで指定したメールアドレス宛にメールが届くと、自動的にワークフローが起動します。このトリガーにより、社員からの問い合わせをリアルタイムで受け取り、即座に処理を開始できます。
2. 知識検索ブロック(ナレッジ検索)
受信したメール本文を元に、事前に登録した社内FAQナレッジを検索します。
社内ナレッジの登録には「親子チャンク」という手法を採用しています。これは、「検索するときは細かい文章(子)を探し、回答を作るときはその周辺の文脈(親)も含めてAIに渡す」という仕組みです。これにより、「パスワード」という単語だけで検索しても、それがWi-FiのことなのかPCのアカウントのことなのかを前後の文脈から判断しやすくなり、回答の精度が格段に向上します。
ナレッジの内容例:
IT関連(Wi-Fi、PC、アカウント)
勤怠・労務(出退勤、休暇申請)
備品・申請(備品購入、会議室予約)
検索時は、ハイブリッド検索(キーワード検索30% + ベクトル検索70%)を使用し、関連性の高い情報を抽出します。
3. 内容生成ブロック(LLM)
検索で見つかった情報をもとに、AIにより返信用のメール本文を作成します。 ここでは、「ナレッジに書かれていることだけを使って答えること」「もし情報がなければ、『担当者が確認しますので少々お待ちください』と案内すること」といった指示を与え、AIが勝手な回答をするのを防いでいます。
4. 出力ブロック(回答返信)
生成された回答文を、問い合わせ元のメールアドレスに自動で返信します。社員は数秒で回答を受け取ることができ、ヘルプデスク担当者の作業を介さずに問題を解決できます。
このワークフローがもたらすメリット
このワークフローを利用することで、以下のようなメリットがあります
技術面のメリット
ノーコードでの迅速な構築:Difyの画面上でブロックを繋ぐだけで、プログラミング不要で構築できます。ITの専門知識がなくても、業務担当者自身がワークフローを作成・改善できるため、現場のニーズに素早く対応可能です。
柔軟な自動返信を実現:「誰から来たメールか」という情報をDify内で変数として扱うことで、固定のアドレスではなく、その都度相手に合わせた自動返信が可能になります。これはメールマガジンの配信や、サンクスメールの自動送信などにも応用できるテクニックです。
メンテナンスがテキストファイルの更新だけで完結:回答データを更新したいときは、元のテキストファイルを書き換えてDifyにアップロードし直すだけです。システムの設定をいじる必要がないため、ITに詳しくない総務部のメンバーだけでも運用を回すことができます。
業務面のメリット
問い合わせ対応時間の大幅削減:ヘルプデスクには毎日数十件の定型的な問い合わせが寄せられます。これまで担当者が1件あたり5分かけていた対応が、AIによって即座に完了するため、1日あたり数時間の業務削減が実現します。
削減された時間は、複雑なトラブル対応やシステム改善の検討、セキュリティ対策の強化といった、より専門性の高い業務に充てることができます。24時間365日の即時対応:従来は営業時間内しか対応できませんでしたが、AIは時間を問わず稼働します。
深夜や休日に発生した問い合わせも即座に回答できるため、社員の生産性向上に貢献します。対応品質の標準化:担当者によって回答の質や詳しさにばらつきが生じることがありました。
AIを使うことで、誰に対しても同じ品質の回答を提供でき、社内のサポート体制が安定します。
他業務への応用例
この「メールを受信して、ナレッジを参照して、自動で返す」という仕組みは、社内FAQ以外にも幅広く応用できます。
カスタマーサポートの一次対応:製品マニュアルやよくある質問をナレッジに登録し、顧客からの問い合わせに自動で回答。サポート担当者は複雑な案件にのみ注力できます。
営業部門向けの商品情報提供:商品スペックや価格表、競合比較資料をナレッジ化し、営業担当者からの問い合わせに即答。商談前の情報収集時間を短縮できます。
新入社員向けのオンボーディング支援:入社手続きや社内ルールに関する質問に自動回答し、人事担当者の負担を軽減。新入社員は気兼ねなく何度でも質問できます。
まとめ
Difyのワークフロー機能を活用することで、社内問い合わせ対応を自動化し、ヘルプデスク担当者の負担を大幅に削減できます。
担当者は「Wi-Fiのパスワードは?」「勤怠修正のやり方は?」といった定型的な質問への対応から解放され、その時間をシステム障害の対応、セキュリティ対策の強化、社内ITインフラの改善提案といった、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。
結果として、コスト削減だけでなく、組織全体の生産性向上と社員満足度の向上にも繋がります。
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