不登校に苦しんだ自分を癒やしてくれたイルカとの時間を、生きづらさに悩む子供たちに-。そんな願いを持つ四條畷学園高校3年の女子生徒が10日、堺市堺区の触れ合い施設「ノアドルフィンドーム」でドルフィンセラピーのイベントを開いた。2~18歳の参加者と保護者計12人がイルカとの触れ合いや餌やりを体験し、ドーム内は笑顔に包まれた。
イベントを企画したのは、宮沢さらさん(18)。中学1年の時、起立性調節障害などで学校に行けなくなった。そんなとき、水族館でイルカを見たり触れ合ったりすることで癒やされたという。体調が完全に回復するまでに約3年を要したが、「つらいとき、イルカはいつも元気をくれた」と振り返る。
高校卒業後は、イルカの飼育や訓練を担うドルフィントレーナーを目指し進学する宮沢さん。今回、高校の卒業プロジェクト「未来につながる挑戦」として、子供向けのドルフィンセラピーのイベントを企画した。ノアドルフィンドームの協力を得て、昨年秋ごろから準備を進めてきた。
ドルフィンセラピーは、イルカと触れ合うことで気持ちがリラックスし、自律神経が整うなど心身を向上させる効果が期待できる。参加した小学5年の女子児童(11)は「すごく楽しかった。今度は一緒に泳いでみたい」と興奮気味。母親(40)は「このイベントがなかったら、こんな施設があることも知らなかった。子供の普段見せない反応や表情を見られてよかった。また連れてきたい」と話した。
今回のイベントに企画から携わったノアドルフィンドームのトレーナー、森山射沙(しゃさ)さんは「打ち合わせの時から、さらさんの熱意を感じ、若いころの自分と重なる部分があった。何としても実現させてあげたいと思いました」と語った。
イベントを終えた宮沢さんは「始まる前は緊張で泣きそうでしたが、子供たちが笑顔で喜んでいる姿に助けられ、私も幸せな気持ちになれました。本当にやってよかったです」と話し、「あらためて、『同僚がイルカ』と言える職業に就きたいと思いました」と目を輝かせた。