イラン各地で抗議デモ、病院には「遺体が山積み」 インターネット遮断は逆効果に
「独裁者に死を」 イランで抗議デモ
(CNN) イランで行われている抗議活動に参加した複数の人々が、首都テヘランの路上に多くの群衆が集まり、残忍な暴力が振るわれたと証言した。ある女性は、病院で「遺体が積み重なっている」のを見たと話した。
身の安全を理由に匿名で証言した60代半ばの女性と70歳の男性は、8日と9日にテヘランで行われたデモには、あらゆる年齢層の人々が参加したと語った。だが、9日夜には、軍用ライフルを持った治安部隊が「多くの人」を殺害したという。
今回の抗議活動は、急激なインフレを巡り、昨年12月下旬にテヘランで始まった。その後、デモは全国100以上の都市に広がり、イランの政権にとってここ数年で最大の抗議活動となっている。
米国のルビオ国務長官は10日、トランプ大統領が9日に治安部隊がデモ参加者を殺害した場合はイランを攻撃すると改めて警告したことを受け、米国はイラン国民を支持すると述べた。
インターネットの遮断が続く中で抗議の実態を示す証言として、テヘランの別のデモ参加者はCNNに、弾圧で重傷を負った60代半ばの男性を助けたと語った。脚に約40発の散弾が残り、腕も骨折していたという。
負傷した男性に複数の病院で治療を受けさせようとしたものの、状況は「完全に混乱していた」という。
別の参加者は、路上に出た人の数はこれまで経験したことのない規模だったと話し、その光景を「信じられないほど美しく、希望に満ちていた」と表現した。
イランの最高指導者ハメネイ師が9日夜に行ったテレビ演説で、雰囲気は一変した。デモ参加者によれば、その直後、弾圧は極めて暴力的になったという。
デモ参加者のひとりはCNNの取材に、「残念ながら、外部からの力なしにこの政権は倒れないという現実を受け入れなければならないかもしれない」と語った。
イランの人権活動家が設立した通信社HRANAによると、過去13日にわたる騒乱で、イラン全土で少なくとも65人が死亡したほか、2300人以上が拘束された。インターネット遮断のため正確な死者数を把握できず、実際はさらに多い可能性があるという。
HRANAは9日の情報更新で、抗議は180都市の512地点で確認されたと発表した。死者の内訳は、デモ参加者50人、法執行機関や治安部隊14人、「政府関係の民間人」1人だった。
路上を封鎖するデモ参加者=8日、イラン・ケルマンシャー州/Kamran/Middle East Images/AFP/Getty Images
インターネットの遮断は逆効果に
テヘラン在住の男性(47)は10日、CNNに、インターネットの遮断によって、体制に対する抗議デモがさらに拡大したと語った。男性は身の安全を理由に匿名で、「インターネット遮断は逆効果だったようだ。退屈と不満が、さらに多くの人を路上へと駆り立てた」と話した。
男性は、大都市では住民が街頭に繰り出すために夜が明けるのを待ち望んでいたと説明した。抗議活動が激化するにつれ、「止められない勢い」を感じているという。