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テイルズオブヴェスペリアの「関係性」に気が狂う

 みんな……「関係性」って好きかな!?

 あいつに対するこいつの思い、あの人に対するこの人の恋……もう、オタクはみんな「キャラの関係性」を主食に生きているのかもしれない。もちろん私も大好きです。私だってキャラの関係性を食べて生きる化け物です。

 で、最近クリアした『テイルズ オブ ヴェスペリア』はちょっとすごかった。ひたすら、キャラクターの強度と関係を軸にして、ゲームを成立させてしまっていた。もう、ずっと「関係性」で殴り続けてる! ひたすら「関係性」を浴びせられて、オタクおかしくなっちゃう!!

 ……ということで、『ヴェスペリア』の好きな関係性について書いてみようと思います。ただの気持ち悪いオタクの感想です。オタク、ヴェスペリアの関係性で気が狂ってしまいました。どうぞ、よろしくお願いします。

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※多分、かなり個人の意見が強い記事です。
それでもよければ、読んでいただけると……


ユーリ×フレン

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 いきなりクライマックスですけど、要するにこの記事、「ユーリとフレン」の話がしたいわけです。いや、ユーリとフレンしかないだろ! 『ヴェスペリア』って半分ぐらい「ユーリとフレン」のゲームでしょうよ!!

 光と闇、騎士団とギルド、秩序と混沌、いかにもダークヒーローっぽいユーリ、いかにもテイルズの主人公っぽいフレン、とにかく対極的なふたり。なにもかも正反対に見えるふたりだけど……もう、めちゃくちゃ仲がいい。いや、「仲がいい」と表現するのは間違っているくらい、すごい湿度。

 ユーリとフレンって、全体的に「何見せられてんのこれ?」感がすごすぎるんです。ゲーム開始時点から、ふたりはとっくに超仲良し。あらゆる前提をすっ飛ばして、有無を言わさず「コイツらはそういう関係です」と押し付けられる。勝手に走れメロスみたいなことし始める。何見せられてんの?

 もう、俺がユーリとフレンに置いていかれてるんですよ。
 ふたりでずっと「まぁ、アイツのことを一番理解<わか>ってるのは俺/僕なんですけどね……」みたいな顔をしているし、ずっとふたりにしかわからない世界を展開している。気が狂いそうだ。

 つまり、プレイヤーの「俺」がのけ者にされているんです。
 ヴェスペリア遊んでる最中ずっと「ユーリ……(cv宮野真守)」「フレン……(cv鳥海浩輔)」「え?(←混乱してるオタク)」みたいな状態なんですよ。オタクはどうしたらいいですか? 死ねばいいかな?

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何見せられてんのこれ?
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 ただ、このふたりの「対立」も、『ヴェスペリア』のコアになっている。
 騎士として、どんどん昇進していくフレン。しかし騎士団に所属している以上、「法で裁けぬ悪」には手を出せない。だから、ユーリは闇夜に紛れて悪人を誅するようになる。主人公が、人を殺すようになってしまった。

 この「ユーリが悪人を裁くようになる」というイベントが起きてから、なんとなく、ずっと「あなたは、ユーリとフレンのどちらの思想に賛同しますか?」と問いかけられているような感じがしていました。ゲームが、私に向かって質問しているような気がする。あなたにとっての正義は? 悪は?

 自分は、ユーリの必殺仕事人ムーブに「そんなことしたらアカンよ……」と、謎に落ち込んでくるタイプの人間でした。裁けない悪がいたとしても、人を殺すのはいけない。それは引き返せない道だ。私は、これを痛快に感じられる道徳観の人間ではなかった。

 とにかく、「ユーリひどい!許せん!!」みたいな憤りではなく、どちらかというと「落ち込み」の方が大きかった。自分は、ユーリとフレンの関係が好きだ。しかし、このふたりはお互いを思うがゆえに、道を違えた。

 これはツラい。好きな人が、二度と戻れない道へと歩み始めてしまったのだから。黙って見てるだけなんて、耐えられない。ここの「お互いのことを思っていたからこそ、正反対の道へ歩み始める」というユーリとフレンのすれ違いっぷりがね……もうね……苦しいよーーーーー!!!!!

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「わかってるさ。
 わかってる上で、選んだ」

「人殺しは罪だ」

「わかっていながら君は手を汚す道を選ぶのか」

「選ぶんじゃねえ。もう選んだんだよ」

 で、人殺しをしていたことがフレンにも発覚して、どんどん溝が深まっていくわけですけど……このマンタイクでのシーン超好きなんですよ。ゲームとしては中盤くらいだけど、ここでようやく「正義を貫き通すRPG」が始動した感じがする。

 この1シーンで「ヴェスペリアはこういう話をするゲームだ!!」というのを強烈にぶつけてきて、もうその日はここだけプレイして寝た。正直、クリアした今も、未だにこのシーンが作中でトップクラスに好き。

 そして、ここでの「カオス属性のユーリと、ロウ属性のフレンの対立構造」がメインのゲームであることは理解しつつも……自分の思想はやっぱりフレン派なんです。目的のためにルールを破るより、ルールを守りながら目的を達成することの方が、ずっと難しくて大事なはず。

 つまり、「社会を壊すこと」より「社会を守ること」の方が、大変でやりがいがある。壊したってつまらない。それを維持し続ける方が偉大なこと。法で裁けない悪を、個人の手で誅するのは簡単。そんな悪を、いつか法で裁けるように一歩ずつ変えていく。その方が、私にとっては正しく見える。

 ……みたいなことを、ユーリとフレンを見てると真面目に考えちゃうんですよ! それでも自分はユーリが好きだから、どんどん混沌の道を歩み始めている彼のことを考えて、頭がおかしくなってくる! え、もしかして私って、フレンと気持ち同調してる? フレンとシンクロしてますか?

 そんな感じで横転していた時、急に『虐殺器官』のセリフを思い出しました。私はこのセリフが好きすぎて、いつでも取り出せるように画像フォルダに入れてるんですけど……昔から、「たとえ、それが正しくなかったとしても、自分の世界を守る」という人の決意と覚悟が性癖なんだと思います。ユーリとフレンが好きな方、ぜひ『虐殺器官』読んでみてください。

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このセリフです。
超久しぶりにこれ思い出しました。
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 その人殺し云々の話も含めて、『ヴェスペリア』は「ユーリ」というキャラを主人公に据えたのが、神の一手だと思います。

 だって、普通に考えたら、フレンを主人公とした方が、RPGとしてはいいはず。なぜなら、ユーリは人を殺しているから。正しくない存在に、人間は賛同できない。フレンの方が、明らかに道徳的には優位の存在。プレイヤーは、「正しくない存在を動かしていること」に不安を感じてしまう。

 でも、このゲームは「ユーリ」が主人公。
 あえてユーリの立場から物語を体験させることで、「ユーリ」というキャラを好きにさせながら、意図的にユーリの行動に不安を感じさせる。知らないうちに「ユーリの思いは理解できるけど、手段は納得できない」という、どうにも気持ちがメチャクチャになる状態に持っていかれる!

 そして、「ユーリとフレンの対立」に納得感を持たせる。
 きっとユーリの思想に賛同する人もいれば、フレンの側に立つ人もいる。どちらも正しくて、どちらにも明確な善悪はない。だから、一般的にはフレンの方が正しいかもしれないけど、ユーリが主人公じゃないと『ヴェスペリア』という作品は成立しない。ここが神の一手だと思います。

 普通は、許しちゃいけないはずの存在が主人公。
 だけど、プレイヤーは「ユーリ」という男のことをずっと見ている。情が湧いている。そんな状態で、ユーリのことを許しますか? それとも許せませんか? 『ヴェスペリア』は、キャラクターへの感情移入を通して、プレイヤーの正義感とか道徳観を強烈にあぶり出してくるゲームだと思います。

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「ずっと考えていた。
 法とはなにか、罪とはなにか」

「良いものと悪いものの境は、どこにあるのかと」

「さんざん考えて、出てきたのは
 はっきりした線引きはできない、
 という分かりきった答えだけだ」

「法が必要だという思いは今でも変わらない。
 それでも君を悪だと呼ぶ気にはなれない」

 ゲーム全体で繰り広げられる「正義とは何か」という問答のなかで、自分が一番好きなアンサーが……フレンが終盤に言うこれなんです。一番現実的で、一番面白くなくて、一番人間らしい答えだと思う。

 善悪の境界を、ハッキリと線引きすることはできない。
 間違った人間のために、法は必ず必要。だから、法の基準で考えれば、ユーリは悪かもしれない。だが、フレン個人として言うのであれば、ユーリを悪だと断定する気にはなれない。フレンの人間臭さ大好きだよ!!

 この「国の立場や事情はあれど、最後は友情に突き動かされてしまった男同士」という関係が、もう私の趣味にクリティカルヒットで……自分は学生時代に読んだ、小川未明の「野ばら」という童話が超好きなんですが、それのことを思い出してね……ぜひ小川未明の「野ばら」読んでください……。

 そもそも、世の中、そう簡単に「良いもの」と「悪いもの」だけで割り切れるはずがない。善意と理想だけでは、世界を変えられない。どこかで、必ず「折り合い」をつける必要がある。フレンは、ユーリに対して、彼なりの「折り合い」をつけた。面白くないけど、だからこそカッコいいんです。

 闇があるから、光は輝く。
 光がなければ、闇は生きられない。 
 どちらもなくては、光も闇も存在しない。

 それは社会だって変わらない。ひとつの考えがあれば、また別の思想がある。多くの正義と価値観が入り乱れて、その着地点を探り合うことで、世界が成立している。少なくとも、人間はそうやって世界を作り上げてきた。

 ユーリが「正義を貫き通す」ことで世界を救ったのなら、フレンは「他の正義を否定しない」ことで、世界を守ってみせた。そのスタンスの違いと、両者の「折り合いのつけ方」が、結構好きな温度感です。

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 ただ、ふたりは「世界を救うヒーロー」であると同時に、「最強の親友」でもある。だから、一騎打ちし始めたら、もうただの「親友兼ライバル」に戻っちゃう。まあ……ここのバトルなしに『ヴェスペリア』は語れないでしょう! というか「火花散らして」がカッコよすぎるのはあるけどね!!

 恥ずかしい話ですけど、自分は「男同士の友情」に幻想を抱いている節があります。自分の中に「そうそう、男の友情はこうでなくちゃ……」みたいな確固たる“正義”があるんですが、ユーリとフレンは何度見ても「こんなジットリした友情があるかーーー!!!」と思ってしまう。

 何度でも言いたい。
 こんなジットリした友情があるかーーーーー!!!!!

 それこそ、ユーリが定期的に言い始める「フッ、俺はフレンの横には相応しくないからな……俺は闇の二番手でいいのさ……」みたいなのも、正直「どういうこと?」と思うんです。どういう感情なの? 重すぎない? ユーリお前自認ニバンボシもいい加減にしろよ?

 別に、自分が一番でなくてもいい。
 だから、大切な友人のためなら、手を汚したっていい。
 こんな……こんなジットリした友情があるかーーーーー!!!!!

「オレは罪人。
 いつ斬られてもおかしくない」

「そしてフレンは騎士の鑑。
 今後の帝国騎士を導いていく男。
 その隣に罪人は相応しくない」

「オレはさしずめ、
 あいつに相応しいヤツが現れるまでの、
 ま、代役ってヤツさ」

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 私は、テイルズをクリアしたあとに、もう一度オープニングを聞き返して余韻に浸るのがルーティーンなのですが……正直『ヴェスペリア』の「鐘を鳴らして」と「Ring A Bell」は、全然余韻どころではないと思う。

 どう聞いても「鐘を鳴らして」がユーリ視点で、どう聞いても「Ring A Bell」がフレン視点の曲。わざわざ日本語版と英語版で歌詞の意味を変えてきている手の込みようもそうだけど、主題歌を2曲使って、ユーリとフレンの相互補完ソングみたいにしてる熱量が怖い。

 以前、『アビス』をクリアして、「カルマ」の歌詞の意味をすべて把握した時、「こんなことが……こんなことが許されていいのか」と思った。ただ、「こんなことが……こんなことが許されていいのか」度で言えば、『ヴェスペリア』の主題歌は超えてきている気がする。俺はもう、開発のユーリとフレンにかける思いが怖い。ここまで来ると、もう「怖さ」が勝ってる。

光は影の 影は光の
果てまで付いて行くのだろう
僕が笑って生きていたのなら
鐘を鳴らして 君に知らせよう

「鐘を鳴らして」

I must be the light when you're in the dark
君が暗闇に居る時 僕は光でなくてはいけない

If you lose me somewhere and your tears are in the air
もしもどこかで君が僕を見失い 君が悲しんでいると感じたら

I will ring a bell until you feel me by your side
鐘を鳴らすよ 君が僕を近くに感じられるまで

「Ring A Bell」

 怖い。

 この「クリアしてから聞くと、ある意味怖い」度で言えば、あの「カルマ」と真正面から戦えると思う。ユーリとフレンの重さもすごいし、これをオープニングに配置してくる判断も怖い。ヤバいことしてますよね。この2曲を聴き比べていると、ダイアン津田ばりに発狂しそうになる。

 私はもう、「友情」を超えていると思います。
 これ普通に「愛」の歌ですよね? 別にふざけてるわけじゃなく、もうこれセックスだよ! 物理的にセックスしてないだけで、精神的にはセックスしてるよ!! 男同士ってそういうとこあるんだよ! わかってくれよ!! 

 少なくとも、私はそう思いました。
 ユーリとフレンの関係性、気が狂う。


ユーリ×ソディア×フレン

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 私、「ソディア」がめちゃくちゃ好きなんです。
 「え、誰……?」と思っている方もいるかもしれない。アイツだよ、フレンの横にいた人だよ! アレクセイ撃破後にどさくさに紛れてユーリのことナイフで刺しに来たヤツだよ! だいぶやらかしてるコイツのことだよ!!

 正直、自分は「ソディアの気持ち」がよくわかります。
 だって、俺がフレンの彼女だったら絶対ユーリのこと刺しに行ってるし……いやソディアは別にフレンの彼女じゃないけど……。

 だって、「ソディアから見たユーリ」って絶対イヤな存在ですよ! 憧れの上司に訳知り顔で近づいてくる反社みたいなヤツとか、「私が殺さなきゃ……」って思うよ!! ユーリのこと、私は許せないよ!!

 許せない。憧れの人の隣にいる、邪魔な存在。視界に映らないでほしい。その人の隣にいるのは、私のはずなのに。消えてほしい。お前さえいなくなれば、私が、あの人にとって一番大切な存在になれるのに───って、誰しも一度は思ったことないですか!? そうでもないか!?

 実際に本人がそう思ってるかはわからないけど、「ユーリのことが嫌いな人」として、ソディアは最高の動きをしていたと思います。ソディア視点の『ヴェスペリア』がめちゃくちゃ見てみたい。ユーリが悪魔に見えてそう。

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「あんたがあの時
 何故オレを殺そうとしたのか、
 わかっちまうからだよ」

「自分の手を汚してでも
 守りたいものがある」

「激しい感情に囚われて
 自分でも思いがけないことをしちまう」

 ただ、ちょっと真面目に考えてみると、ユーリとソディアってそこそこ似た者同士だと思います。「手を汚してでも、守りたいものがあった」という点で、ほぼ同じことをしている。しかも、お互いの「手を汚してでも、守りたいもの」が同じ人。ユーリ×ソディア×フレンの泥沼三角関係なんですよ

 『ヴェスペリア』は、ずっと一貫して「誰かのために、自分の手を汚す」という話が描かれていると思う。何かを守るために。責任を果たすために。そのためなら、自分のことなんて……という、自己犠牲的な話が多い。

 そんな「自己犠牲」の美しさと、どうしようもなさが混ざり合って形成されている作品だと思う。ユーリもソディアも、己の正義を貫いた結果こうなった。その意味で、ソディアは結構重要な存在なんじゃないかなと。誰かのために道を踏み外せる、人間の美しさと愚かさの象徴みたいな人ですから。


ユーリ×エステル

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 そもそも、ユーリ・ローウェルって激メロだと思うんですよ。

 ユーリとエステルの関係は、そんな「ユーリのメロさ」を死ぬほど堪能できる。この男、フレンが絡まなければひたすらカッコいい。ちょっとカッコよすぎて嫌いになるくらい、もうただただカッコいい。

 それこそエステルと絡んでる時なんて、もうストレートに「ルパンと劇場版のヒロイン」みたいになってる。姫の手を取って、城から連れ出す大悪党。「女の子は、生まれた時から必ず誰かのお姫様」とは言うけれど、いざ連れ出すのはこんなにダークで素敵な王子様とか、もう困ったものです。

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 個人的には、「明らかにエステルはユーリに対して好意を持っているのに、ユーリ本人はそれに気づきながらもひょいひょいかわす」ところが一番罪な男だなと思います。気づいてんだろ? エステルが好きなこと、もう気づいてんだろ? なんて罪作りな男なんだ。ソディアに刺されてしまえ。

 そんな、「ユーリのことを愛してる時のエステル」ってホンマにかわいくて……人は恋をすると綺麗になるらしいけど、本当に、恋しちゃってる時のエステルが一番かわいいと思う。きっと、世界で一番お姫様だよ。

 なぜ、お前はエステルの恋を受け止めないんだ? 
 あれか? いつもの「エステルに俺は相応しくないぜ……」とかいう自認ニバンボシ精神が炸裂してるのか? 受け止めろよ!! 

 あの日エステルの手を取ったように、姫を連れてどこへなりとも逃げればいいんだ! もしもシンデレラの魔法使いが男だったら、美しく着飾った姫君を舞踏会には行かせないんだよ!! なんで俺がこんな熱くなってんの?

 自分としては、この「エステルが自身の力を信じられなくなっている時に、わざと自分の腕を斬って回復させるユーリ」が、最も気が狂うかと思ったシーンですね。『ヴェスペリア』って、こういうすれ違いざまに激メロユーリを腹に一発ねじ込むような戦い方が得意すぎるんだと思います。

 もう……こんなの、俺がエステルでもユーリのこと好きになってるっつーの! ユーリの行動全部に「キューン♥♥♥」しちゃうよ!! この男に惚れちゃうのは当たり前のことだろ! エステルは悪くねぇ! エステルは悪くねぇっ!! 悪いのは全部ユーリ・ローウェルだよ!!

 ダメだ。「ユーリがいかにメロいか」を書こうとすると、なぜかユーリに逆ギレする流れになってしまう。ユーリって割と「好きなキャラの悪口なら無限に書ける」タイプのキャラですよね? いい意味でね!?

 とにかく、ユーリはエステルの気持ちを受け止めてほしい。でも、そんな未来は存在しない気がする。自分には、ユーリがエステルとくっつく未来が見えない。そんな距離感こそが、ここの関係性のコアなんだと思ってます。

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エステル×リタ

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 大本命!!!!!!!!!!!!!!!!!

 マジで、大本命です。
 私が「ユーリ×フレン」の対抗馬として出馬させるなら、真っ先に「エステル×リタ」を挙げたい。正直、このゲームで一番好き。

 もう、どっから言ったらいいんだろうな……すごいシンプルですけど、好きなところ順番に上げていってもいいですか? いいよ! ありがとー!!


好きなところ①「年齢差」

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 このふたり、結構「年齢差」がある。
 エステルが18歳で、リタが15歳。
 ここが「3歳差」なの神の一手だと思う。

 つまり、リタが中学3年生だとしたら、エステルは高校3年生なんです。中3の引きこもり天才エンジニア少女に、高3のお嬢様学校の姫様がグイグイ来てる。もうここで1本作れますよね? この設定でアニメ作れるよね?

 ただ、意外と3歳下のリタの方がしっかりしていて、年上のエステルを引っ張ってくれる。でも、エステルにグイグイ来られると、リタは初恋の中学生みたいにドギマギし始める。ほぼ同年代。でも、ちょっと年上。そんなお姫様に、なんか……心が……うわあああああ!!! ごめん急に発狂して。

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好きなところ②「守りたい」

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「もうあの子が傷つくのを、
 これ以上見たくない」

「痛い想いをしてるのはエステルなのに、
 なんで、あたしの体まで、こんなに痛いのよ」

 もうこれ、リタの言語野に米津玄師が舞い降りかけてると思う。

 エステルにどんどんグズグズにされていくなかで、リタに芽生えていた「彼女を守りたい」という感情。ここが、ユーリ&フレンとは明確に違うところだと思います。アイツらもそう思ってるかもしれないけど、どちらかというと「アイツの背中を守るのは俺だ」みたいな戦友ノリだと思う。

 ただ、リタは「エステルのことを守ってあげたい」と思っている。彼女が傷つくところを見たくない。あの子を傷つけようとするすべてから、私が守ってみせる。同じ「親友への思い」だけど、ベクトルが違う。

 私は、リタのこういう気持ちの方が入りこめるタイプでした。
 誰にも傷つけられたくない、大切な友だちがいる。あの人をひとりにしたくない。何もできなくても、あの人の傍にいてあげるべきなのかもしれない。でも、別にそんな弱いわけじゃない。僕が守る必要なんてない。じゃあ、弱いのはどっち? 守られてるのは、君が大事な僕の方なのか?

 すいません、リタ→エステルのイメソン「ピースサイン」で行かせてもらっていいですか? 「守りたいだなんて言えるほど 君が弱くないのわかってた それ以上に僕は弱くてさ 君が大事だったんだ」で行っていいですか?


好きなところ③「結婚しろよ」

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 最も衝撃的だったのが、この「子育てイベント」ですね。
 街で拾った子どもを、代わりに育てようとするリタとエステル。「なんかわたしたち、この子のお父さんとお母さんみたいです」って……こんなの二次創作じゃないですか!! ギリギリ同人誌だよこれは!!!

 そう思うと、テイルズってこういう二次創作みたいなイベントを平然とねじ込んでくるフットワークの軽さこそが「強み」なんじゃないか。ちなみに、このエステルの爆弾発言に対する「バカなこと、言わないでよ……」というリタの返しも妙に生々しい。リタ本気になっちゃってない!?

 もし『テイルズ オブ ヴェスペリア2』が発売されるなら、主人公として、リタとエステルの子どもが出てきてほしい。明らかにリタとエステルの息子としか思えないデザインの主人公が出てきて、すごい緊張感を味わいたい。

 こうなると、ヒロインはもう「どう見てもユーリとフレンの娘にしか見えないデザインの女の子」【※】しかないのだ。主人公とヒロインが並んだ時の緊張感が尋常じゃないはずだ。すいません嘘ですカロルとナンの子孫で安心させてください。でも、私はリタとエステルに……結婚してほしい!!

※「ユーリとフレンの娘にしか見えないヴェスペリア2のヒロイン」
ちなみに、私の脳内では「美人」「金髪ロング」「ニバンボシとホワイトナイトソードの二刀流」「我流の混ざった二刀の爪竜連牙斬で斬りこんでくる」「騎士団とギルドを行ったり来たりする謎の美女」という大量の属性が付与されており、コイツ普通に最強キャラなのでは?と思い始めている。

みんなは……どうかな?

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好きなところ④「親友」

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「……改めて、聞いていいです?
 ……わたしとずっと友達でいてくれます?」

「あんたがあたしのことを忘れない限りは」

「忘れません」
「これからもずっと友達です」

「ずっと?」

「ずっと、ずーっとです」

 ここ、プレイ中に泣きました。

 ふたりは、ずっと親友。ユーリとフレンとは、また違う形の「親友」。世界を救ったあとも。エステルがお姫様になったとしても。リタが「あたしのことを忘れない限りは」と言っているあたり、実質的に「自分はずっとエステルのことを親友だと思ってる」と宣言しているのが……号泣です。

 このふたりの、「友情」のあり方が好きなんだと思います。
 立場も違う。身分も違う。でも、「親友」なことは変わらない。リタとエステルは、この先もずっと……親友であり続けるのだろう。どれだけの時が流れても。ふたりともおばあちゃんになっても。ずっと友達。

 ちょっと冗談交じりに言ったけど、もし『ヴェスペリア2』があったとして、おばあちゃんになったリタとエステルが未だに仲良くやっているシーンがあったら、一番泣けるかもしれない。きっとそう。ずっと最高の友達。ふたりの未来永劫の友情を含めて、リタとエステルの関係が一番好きです。

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ユーリ×カロル

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 ユーリとカロルの関係は……気持ち悪いオタクの自分を抜きにして、本当に心の底から「こういう関係っていいよね」と思える。こんなに美しい関係はないと思う。そのくらい、ユーリとカロルの間柄はすごくいい。

 「カロル先生」とバカにしているようで、本当はカロルを大切に扱っているユーリ。実際にカロルが「凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)」のボスになったら、ちゃんとカロルをボスとして扱ってくれるユーリ。最初から、ユーリは一度もカロルを侮ることはなく、対等の存在として扱っていた。

 これは、私個人の話になってしまうんですが……自分は、「年下の人間を対等に扱ってくれる、オトナの人」をすごく尊敬しているし、信頼しています。どんな相手にも、ちゃんと対等の立場で、目線をあわせて話してくれる。それが、私にとっての「素敵な大人」の理想像です。

 私は、20歳のころに、自分を年下だからといって無下にせず、対等に話してくれる素敵な人に出会いました。それから、ずっと「かっこいい大人って、こういう人なんだろうな」と思い続けています。だから、ユーリの一番好きなところも、「カロルを対等に扱ってくれるところ」なんです。

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「大丈夫なんだよ。
 だって、みんながいるもん」

「ボクの後ろにはみんながいるから」

「ボクがどんだけやられても
 ボクに負けはないんだ」

 ここ、『ヴェスペリア』で一番好きなイベントなんです。
 パーティーメンバーが全員動けなくなって、カロルがたったひとりで強大なモンスターに立ち向かう。どれだけやられても、カロルは倒れない。なぜなら、自分の後ろには「凛々の明星」の仲間たちがいるから。

 私の無数にあるフェチの中に、「絶対的な強者を前にして、それでも弱者が勇気を振り絞って立ち向かう瞬間」と、「自分じゃない誰かを守るために、立ち上がろうとする瞬間」があるんですけど……カロル先生はその両方を満たしてくれる。キャラ単体だと、割とぶっちぎりでカロルが好きです。

 そして、ずっと虚勢を張っていたカロルが、本物の「ギルドのボス」として成長したシーンでもある……シンプルですけど、こういう「ストーリー中で、ものすごい成長を遂げるキャラ」が好きになりがちなのもあると思います。『アビス』のルークと、ちょっと好きの方向性が近いです。

 しかも、ゲーム的にエステルが離脱しているタイミングだから、ちょうどこのあたりで「あれ? カロルの“活心エイドスタンプ”って結構強い技なんじゃないか……?」と気づき始めるのも、なんかタイミングがいい。どこまで狙っているのかわからないけど、ゲームに愛された男なんだと思います。

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泣きます


ユーリ×レイヴン

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 このおじさんに、言いたいことがありすぎる。

 超うさん臭いけど、実力者だし、ふざけてるし、おじさんだし……テイルズだと、こういう「裏切りそうなヤツ」が定番のメニューなのも薄々理解してきた。テイルズって、大体が「いい感じのOP、差別、男、男、男、ふたつ目の世界、男、男、男、裏切り、男、男、クリア後に聞き返すと余韻に浸れるOP」で構成されているゲームだと思う。なんで毎回ユダがいるんだ。

 ただ、おじさんのちょっと異質なところは、「うさんくさいけど愛されている」ところ。いや、「憎めない」と言った方が正しいのか。たしかに怪しくてロクでもないおじさんかもしれないが、どうにもこの人を憎む気になれない。パーティーメンバーも、だいたいその認識なんじゃないか。

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「一人で勝手に終わった気になってんじゃねえ!」

「オレたちとの旅が全部芝居だったとしてもだ」

「ドンが死んだときの怒り、
 あれも演技だってのか?」

「最後までケツ持つのがギルド流……
 ドンの遺志じゃねぇのか!」

「最後までしゃんと生きやがれ!」

 バレバレだったけど、実はシュヴァーン隊の隊長だったおじさん。無理に蘇生させられ、生きてるのか死んでるのかわからない状態で戦い続けていた。死にたくても、死ねなかった。そんなおじさんに、ユーリが「それでも生きろよ」と激励する。おじさん、屈指の泣き要員だと思う。

 このサイボーグみたいな設定もだいぶエッチだなと思うけど、ここに辿り着いたころにはパーティーのみんなが「それでもいいから生きろよ」と言ってくれる……ここがおじさんの「愛されっぷり」を象徴してる。

 しかも、これでリオン・マグナスよろしくな悲劇の死別を遂げたかと思ったら、次のダンジョンでは平然と復活してくる。「シュヴァーンは死んだ……俺はレイヴンだ!」みたいな顔で。おじさんそういうとこやぞ!!

 この「死んだかと思ったら、普通に次のダンジョンで生き返ってくる」って、ひとつでもボタンをかけ違えたらギャグになっちゃいそうだけど……おじさんには「まあ、おじさんだからそういうこともあるか」と思える。この「なんか許してしまう感じ」が、レイヴンの魅力なんだと思います。

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あったけえ……
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「……あなたが今、決着をつけようとしているのは、
 レイヴンとして生きると決めたからですか?」

「こんな俺のことに、
 本気になってくれるヤツらがいたもんでね、
 死ぬに死ねなくなっちゃったのよ」

「けど、生きるんならシュヴァーンがやったことの
 けじめをつけないわけにはいかないでしょ」

「……良い出会いが、あなたを変えたんですね」

 レイヴンが生きたいと思った理由は……「こんな俺のことに本気になってくれるヤツらがいたから」。泣く!! レイヴンの口から直々に「生きたいと思ったのはみんながいたから」って語られるの……泣く!!!

 レイヴンは仲間に愛されているけど、おじさん自身も仲間に愛着が湧いてしまった。死に場所を探していたけど、生きる理由を見つけてしまった。仲間との出会いが、シュヴァーンを殺し、レイヴンを生かした。泣く!!

 しかも、自分の進行度的に、ちょうどシュヴァーンの真実が発覚したあたりでレイヴンが「愛の快針」を習得して、パーティーメンバーに「愛してるぜ~!」と言いながら回復するようになって……これ泣き要素ですよね? 仕様なのかはわからないけど、回復技が泣き要素になってますよね?

 なんかもう、こっちまで「おじさん、生きろ」と思えてくる。レイヴンに言いたいことはいろいろあるけど、最終的には「おじさん、生きろ」と思う。生きるんだ。みっともなくても、最後まで生きてほしい。

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フレン×レイヴン

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 若干ニッチかもしれないけど、「フレンとレイヴン」の関係も結構好きなんです。そもそも、私は「職場の同僚くらいの仲の男性同士が好き」という、これまたニッチな性癖があって……例を挙げるとするなら、FF14の「サンクレッドとウリエンジェ」がそれに該当します。

 で、フレンとレイヴンもそういう「程よい仲の良さ」を感じる。
 もちろん、お互いに命を預け合うような激重感情も好きだけど……こういう「同僚として仲がいい」くらいの、近すぎない関係もいい。そして、ユーリたちは「同じギルドの仲間」としてレイヴンを見ているけど、フレンの目には「職場の先輩」のように見えている。ここの視点の違いも面白い。

 もっと言えば、「シュヴァーンとしての、レイヴン」も結構好き。ちゃらんぽらんなおじさんに見えているけど、騎士団及びシュヴァーン隊からの信頼は絶大。なんならフレンからも「理想の先輩」みたいに扱われている。

 そもそも、レイヴンって人徳がすごくない? この人徳があるから、騎士団でもギルドでも愛されてるんじゃない? ……と、シュヴァーンとかレイヴンとかは一旦置いといて、ひとりの人間としての強さや魅力が見えてくる。純粋に、大人としてかっこいい。それがおじさんのいいところ。

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ユーリ×ジュディス

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 大本命。

 「大本命ばっかじゃないか……?」と思われるかもしれないけど、そうだよ大本命ばっかりだよ! これってそういうゲームだろ!!

 ユーリとジュディスの関係って……最初はなんとなく「洋画っぽい」と思ってたんです。どっちも大人な感じだから、ユーリとジュディスが会話すると、いきなり空気が午後のロードショーになる。鳥海浩輔と久川綾の演技も気持ち洋画ノリに寄っている気がする。え、いま吹き替え版聞いてる?

 そのくらい、ここの関係が頭ひとつ抜けてアダルティック。
 21歳と19歳とは思えない。人生の酸いも甘いも味わってきた大人同士が、バーで会話してるような空気感。こんなのカロルやリタに見せられない。ユーリとジュディスだけこのゲームが深夜帯だと思ってやがる。

 ただ、ゲームが進むにつれ、どんどん「夫婦」みたいになってくる。
 もう、「夫婦」としか言いようがない。「新婚」じゃなく、もう20年くらい連れ添って、子どもが家を出ていき、自宅に2人しかいない時の熟年夫婦のような取り留めのない……しかし心が通じ合っている会話を繰り広げる。

 私は、正直「ユーリが誰かとくっついている未来」をあまり想像できない。散々「エステルの思いを受け止めろ」だの「続編でフレンとの娘にしか見えないヒロインが出る」だの言ってきたけど、そもそもユーリ・ローウェルという男が、誰かと一緒に暮らしている姿を想像できない。

 だが。
 もしユーリが誰かと所帯を持つ可能性があるとして、「なんやかんやあって、ジュディスと暮らしている」という未来が出てきたら、割と納得できるような気がする。まあ、そういうこともあるんじゃないか? ユーリとジュディスなら、なし崩し的に連れ添う未来があってもおかしくないのでは?

 大したプロポーズイベントもなく、気がついたら一緒に暮らしていた。なにも言葉を交わさずに、何年も一緒に生活している。ユーリとジュディスなら、普通にありえるのではないか。そういう、「付き合ってそうな実感」を一番感じる。あるかないかでいえば、“ありそう”。そういう2人だと思う。

 『ヴェスペリア』を遊んでいると、「男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」という言葉が喉から飛び出しそうになる。しかし、同時に「ユーリとジュディスも最強だろうが!!」と自分自身を羽交い絞めにする、第2の己も存在している。この力の均衡を保ち、最後まで理性を維持していた。結局のところ、決着はつかなかった。

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リタ×ジュディス

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 このふたりって……まるで「姉妹」みたいじゃないですか……?

 たぶん、この感想を読んでいる全員が「白々しいなテメェ……」と拳を振り下ろしそうになっているんだろうなと思いながらも、まあ世の中には「言わぬが花」というモノもある。こういうのって、なんとなく「言わぬが花」じゃん?

 だから、リタとジュディスの関係そのものへの言及ではないのですが……自分は、リタの「妹っぽさ」が結構好きなんです。というか、ちょいちょいリタに感情移入してしまう。全編通して、リタの気持ちがすごくわかる。

「……他の人より出来ちゃうとね、
 物足りないと思う時があるのよ。毎日が」

「あたしがとっくに見つけてた事を一月も二月も後に
 嬉々として話し合ってる奴らを見てると」

「こいつらと話してもつまらなそうって
 思っちゃったりしてた」

 ここのスキットとか、すごくわかる。
 ずっとひとりで頑張り続けて、行けるところまで行ったら……周りに誰もいなくなった。物足りない。世界って、こんなにつまんなかったっけ? 誰でもいいから、横にいてほしい。誰か、ボクを理解してくれないか?

 私はよく、周りの人から「弟っぽい」とか「後輩っぽい」と言われたりするのだけど、それたぶん寂しさとか虚無感から来る、「理解してほしい」という他人への甘えが露呈しているだけ。この感想も、おそらく目の前で読んでいるアナタに甘えてます。きっと「兄」とか「姉」を求めてます。

 だから、エステル相手に年下の親友になったり、ジュディス相手に妹みたいになったりするリタの気持ちに、やたら入りこんでしまった。

 ……と、イマイチ共感しづらいし、好感度も下がりそうなことを急に書きました。忘れてください。でも、『ヴェスペリア』で一番気持ちが入りこんだキャラクターは、確実にリタだと思います。そこは間違いないです。

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フレン×パティ

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 ここの金髪コンビが仲良いの、なんかいいですよね。

 メタな話だけど、そもそもの「オリジナルであるXbox 360版では、このふたりが仲間にならない」という事実に結構ビビりました。フレンはプレイアブルにならなくて、パティはそもそも存在すらしていない。最新ハードで遊んだ自分としては、なんか信じられない。本当に?

 だから、メタ的には「あとから追加された2名を絡ませてみました」みたいなゲーム都合で発生した関係だと思うんだけど、実際そこそこハマってるところに、このゲームの妙を感じる。「ウソ? この材料で関係性作れちゃうの?」みたいなところで、長谷川あかりのレシピくらいすごいと思う。

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 もっと言えば、完全にあとから追加されたはずのパティが、そこそこメインストーリーにも馴染んでいるのがすごいと思う。正直、『ファンタジア』の藤林すずくらい最後にポロっと加入してくるのかなと思っていたけど、ちゃんと序盤からパーティーメンバーとして本筋に関わってくる。

 実際パティがいなくても成立する話かもしれないけど、あまりに自然に馴染んでいる。なんの説明もされなかったら、パティが追加キャラだとは全く気づかないと思う。ゴジュウジャーの志田こはく並にすごいことしてない?

 そんなアクロバティックな関係性の作り方があるのか? しかも、それで結構おいしいダシを取ることができるモンなのか? そんなメタなところも含めて、フレンとパティはお気に入りの関係です。シェフの腕前がすごい。


ユーリ×ラピード

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 私の中で「影のヒロインでは?」と名高いラピード。最終的にユーリの隣にいるのは、フレンでもなく、エステルでもなく、ジュディスでもなく、ラピードなのかもしれない。そう言われたら、なんの反論もできない。

 そんなラピード絡みのシーンが来るたびに感じていたのですが、このゲームの主人公である「ユーリ・ローウェル」って……とにかく異質な存在だと思うんです。RPGの主人公として、ここまで異質なヤツは珍しい気がする。

 そもそも、主人公なのに、全然本心を見せてくれない。
 仲間には何も告げず、ひとりで悪人を成敗している。なにか問題があれば、ひとりで責任を背負おうとする。プレイヤーにも、その心情を説明してくれない。しいて言えば、ラピードには本心を語っている……ような……。

 まぁ、突然ユーリが「よぉ、プレイヤーのみんな。俺は今こう思っててな……」とスキットで語り始めたらギャグもいいとこだけど、にしてもプレイヤーに全然気持ちを打ち明けてくれない。ユーリに信頼されてないのか?

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 つまり、ユーリの気持ちは、ユーリにしかわからない。
 さらに
最初から「ユーリ」という人間は完成していて、成長の必要がない。徹頭徹尾、ユーリは自分の正義を貫き続ける。この「不変性」と「本心の見えなさ」が、ユーリの異質さだと思う。最初からプレイヤーとの接続が遮断されていて、ずっと「ユーリ」という完成した人間が動いている。

 ゲームに限らず、マンガなどでも、物語は「作中でどういう変化があるか」が重要とされている。たとえば、ダメな主人公が、頑張って成長していく。そういう始まりから終わりにかけての「変化」が、物語の面白さを生み出す。でも、ユーリはあまり変化しない。この男、全然ブレない。

 代わりに、カロルやエステルがメインストーリーにおける「成長していく人物」の役割を背負っている。そしてユーリは、その成長を手助けする。そんな「大人」の立場からストーリーを引っ張っていくのが、ユーリのひと味違うところでもあり、最大の魅力。基本は変わらないのに、カッコいい。

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もちろん、「仲間を信じて戦うようになった」みたいな変化はあると思う。
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 で、ずっと思っていたことが、ひとつある。
 私は、ユーリが怖い。

 『ヴェスペリア』を遊んでいる最中、ずっと脳裏にこびりついていた感情。それがユーリへの恐怖! この人、ちょっと怖い!! 「異質さ」だの「不変性」だの、なんだかよくわからん小難しい話をこねくり回してきたけど、要するに「オレはユーリが怖い」という話をしたいのです!!

 ユーリは、主人公だけど、ちょっと恐ろしいくらい「自我」と「己の正義」がハッキリしている。だから、キレるものにはハッキリとキレるし、彼が悪と断じたものは、もう逃れようのない悪になる。さて、ここで「もし、ユーリ・ローウェルが高校の同級生にいたら」と、想像してみよう。

 私は、なにかしらのきっかけで、彼を怒らせるようなことをしてしまったとする。それでユーリに「気に食わねえ……」と断定されてしまったら、もう高校3年間不登校になる自信がある。二度と学校に行けなくなる。

 俺は、ユーリのことが好きだ。
 でも、ユーリは俺のことが嫌いなんじゃないか?
 
ユーリに嫌われたら、ボクの人生が終わるんじゃないか?

 そんな恐怖を、ずっと感じてしまう! 全部勝手な被害妄想なのはわかってる! でも、ユーリが怖い! 彼に「コイツは悪だ」と断定されたら、私はもう生きていけないッ!! 本心が見えないし、ずっとブレない……だから、「ユーリは俺のことが嫌いなのか?」という疑念が頭から消えない!!

 自分で書きながら、自分自身の情けなさに悲しくなってきた。
 ユーリはそんなに器の小さい男じゃないと思う。でも、私はユーリが怖い。みんなには理解してほしい。「好き」と「怖い」と「苦手」という感情は、並列で存在することができるのだ。私はユーリに対して、その3つの感情が全部あって、すごく複雑な心境を抱いている。助けてください。

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怖い


『テイルズ オブ ヴェスペリア』とは

 私の勝手な被害妄想で終わらせると、あまりに後味が悪すぎるかもしれない。そこで、クリア後に見た『テイルズ オブ ヴェスペリア ~ The First Strike ~』を含め、作品全体の総括を書いてみることにした。

 いや、映画……というかゲームも含めて、『ヴェスペリア』というコンテンツが、全体的に「キャラの強さが、ストーリーを上回っている」と思う。キャラが強くなりすぎた結果として、ストーリーとの主従が逆転している。根本的に、「キャラが主、ストーリーが従」になっている作品な気がする。

 その良し悪しはともかくとして、ここが『ヴェスペリア』独自の味だと思う。それこそ、ゲームをクリアした時も、映画を見終わった時も、「おぉ……まぁ、みんな最高だったな! テルカ・リュミレースの未来をよろしくなァ!!」と、全く同じ感想を抱いていた。全部こういう味がする。

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 あくまで、「キャラの行動にストーリーが付随している」ような作品なんだと思います。キャラ個人の意思を尊重したら、物語もこう動かざるを得ない。もうこれ、「テイルズ味」の極地ですよ。キャラの力がストーリーを上回った結果、作品自体をキャラクターが引っ張りきってしまった。

 なんか、ストーリー自体には、途中で「あれ……? これってなんの話だっけ……?」と思えてくる。でも、キャラクターの強さと関係性でひたすらクリティカルヒットを出し続けることで、面白さが上がり続けていく。素朴に、「こんな戦い方のRPGがあるのか」という驚きがありました。

 私自身も『ヴェスペリア』の関係性で気が狂っているし、この作品自体も、「キャラの関係」で走りきってしまった。最後まで「キャラ全振り」でやりきってしまえば、もう誰も食べたことのない味がする。ここまでキャラの強さと関係性で一本筋を貫き通してしまったRPGも、中々ないと思う。

 だから、キャラの関係性で気が狂いたい人は、『ヴェスペリア』を遊んでみてください。ユーリとフレンでもいい。リタとエステルでもいい。アナタだけの好きな「関係性」を見つけてほしい。そして気が狂ったら、僕と飲みに行きましょう。もう狂ってる人は……明日にでも行こうぜ!


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テイルズの感想

  • 7本

コメント

6
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夕日

是非ディレクターの書いたスピンオフ小説も読んでほしい。 特に断罪者の系譜はユーリの内面がすごく描写されてるからオススメ。自分もユーリのこと怖かったけど、これ読んで怖くなくなった。 ※ただし高騰してえぐい値段になってる

T Takeのプロフィールへのリンク
T Take

別のテイルズだと、裏切りそうなの分かったうえで連れてた奴が裏切ってほら言ったじゃん、ってなってその上凄く空気悪くなるやつもあって、その辺の塩梅がレイヴンは上手く作ってあると思いますね。帰ってきた時に皆でぶん殴ってハイ裏切りの件はこれでおしまい!ってなるのは気持ちいい上に、彼ららし…

カナヅチのたいやきのプロフィールへのリンク

実況ずっと楽しませていただきました!話自体も長いしやり込み要素もエグいので、トロコン難易度はシリーズ随一です。おそらく未完遂の水着イベントや温泉イベント、それに髄する会話などもきっと動画上がってますし、ジュディスのコンボ動画も美しくてオススメです。レイヴンとジュディスの外伝小説も…

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是非虚空の仮面を読んで欲しい

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テイルズオブヴェスペリアの「関係性」に気が狂う|ジスロマック
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