高市早苗首相(64)は29日にも、長年住み慣れた議員宿舎から、首相官邸に隣接する公邸に引っ越す。災害対応などの危機管理体制は向上するが、もう一つの課題がある。首相が周囲に「ワンオペ」と明かす家族の介護だ。専門家は、首相が仕事を続けながら介護を担う「ワーキングケアラー」にあたる可能性があるとし、状況に応じた個別の支援策を検討する必要性を指摘する。
「職住近接」で危機管理
首相は21日、自身のX(ツイッター)に「危機管理は国家経営の要諦だ。近日中に住み慣れた宿舎を離れ、公邸に居を移したい」と投稿。「職住近接」で危機管理に万全を期す姿勢をアピールした。
首相周辺によると、石破茂前首相が使用していた公邸の居住スペースはリフォームを終え、バリアフリー対応の改修も施された。首相は11月下旬には内見を済ませたという。
首相はこれまで衆院赤坂議員宿舎(東京都港区)から直線距離で約400メートル離れた首相官邸(東京都千代田区)まで公用車で通っていた。隣接する公邸に住むことで、大規模災害や有事の際に速やかに官邸入りし、陣頭指揮を執ることが可能になる。
一方、首相周辺が懸念するのは首相が10月の就任以降、激務の傍らで夫の山本拓元衆院議員(73)の介護も担っていることだ。
タオルの贈り物に「助かるわ」
「拓ちゃんどう?」
11月上旬の参院本会議後、あるベテラン議員が首相に声をかけた。
旧知の議員の気遣いに表情を緩めた首相は、夫の近況を説明した上で「頑張ります」と伝え、国会を後にした。
山本氏は今年2月に脳梗塞(こうそく)を発症。車椅子が必要な生活となり、首相が介護を担ってきた。
山本氏は10月の高市首相就任時に報道陣の取材に応じた際、…
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