千葉市は、千葉市動物公園(若葉区)の新たな事業構想「アドバンストプラン」を発表した。3つのゾーンに分けて動物本来の行動を引き出す展示環境をつくり、アジアではこれまでに例がないハシビロコウの繁殖にも挑戦。令和9年度以降、段階的に整備する計画だ。
「湿原ゾーン」「森林ゾーン」「大池ゾーン」に分けて、動物たちを飼育。展示空間や餌などに工夫を凝らし、動物の生息環境を再現して本来の行動や習性を引き出す「環境エンリッチメント」を重視する。
湿原ゾーンでは、ビーバー、カピバラ、コツメカワウソのほか、動かない鳥として知られるハシビロコウの雄雌2頭を飼育する。
ハシビロコウの繁殖の実態は不明な点が多く、動物園での成功例は海外の3例のみにとどまる。現在は広さ200平方メートル、高さ5メートルほどの環境で飼育しているが、新ゾーンでは1200平方メートル、高さ8メートルのスペースを確保し、飛翔(ひしょう)や営巣行動を促して繁殖につなげたい考えだ。
森林ゾーンでは、同園のシンボルマークにもなっているゴリラが群れで生活できる空間を整備。大池ゾーンは、大型のビオトープ(自然の生態系を再現し生き物や植物を育てる空間)として位置付け、来園者が生態系をじっくりと観察できるようにする。大学などとも連携し、身近な生物や自然環境の保全の大切さを伝える啓発活動も活発化させる。
昨年12月には、市がIPU・環太平洋大学(岡山市)の国際経済経営学部と連携協定を締結。飼育環境の改善に向け、スーパーコンピューターを活用した展示空間のシミュレーションなどを行う。来園者の行動を分析しながら、動物園の収益改善にも取り組む。
新ゾーンの整備に合わせ、来園者の料金体系については見直す方針。神谷俊一市長は昨年12月の会見で「年間入場者数100万人を目指す。経費の縮減や収入の拡大にも取り組んでいきたい」と話した。(松崎翼)