ドンだーがSDVXに手を出して思ったこと
※この記事はB4UT Advent Calendar 2025に寄稿したものです。他の素敵な記事はこちらからご覧ください。
はじめに
はじめまして。B4UTのもーすと申します。先月下旬開催された駒場祭にてB4UTのブースにお伺いしたところ(シフト入れなくてごめんなさい)、アドカレ執筆の熱いお誘いをいただいたので参加させていただこうと思います。拙筆ですがどうぞお付き合いください。
まずは軽く自己紹介を。もーすという名前で主に太鼓の達人をプレイしています。3年ほど前からSDVXやチュウニズムもぼちぼちやっています。太鼓は4作金達人、SDVXはVF20.0、チュウニズムはレート16.0という現状です。team RNHというチームで動画投稿もやっているのでぜひ見てください。
太鼓の達人にかなり熱量を注いでいるので太鼓の達人についてガッツリ書こうかとも思ったんですが、せっかく機種を跨いだ音ゲーサークルにいるなら機種を跨いだ記事を書こうということで「ドンだーという立場からみるSDVX」というトピックでのんびりおしゃべりしようと思います。
SDVXを始めるにあたって
3年ほど前、同じくドンだーの知り合いがやっているのを見てSDVXを始めました。知り合いの多くが続々とSDVXに手を出して上達していくなか、「この波に乗り遅れてはならない…!」と思い筐体に100円玉を投入したのを覚えています。当時太鼓では難易度星10の楽曲を全譜面制覇し、手持ち無沙汰だった僕にとって大音量のEDMを浴びながら目新しい鍵盤やつまみを操作する一体感、疾走感はまさにドーパミンの源でした。そこからSDVXにドハマりし、太鼓の達人に打ち込む傍ら鍵盤を叩いてはつまみを回す生活が始まりました。
ここからは太鼓の達人一筋で過ごしてきた僕がSDVXをプレイしていくなかでドンだー目線でビックリしたこと、感動したことを書き連ねていこうと思います。ドンだーの方は「わかる~」と共感し、ボルテラーおよび他機種勢の方は「これって当たり前じゃないんだ」と新しい視点に立ってSDVXの魅力を再確認できるような記事になれば嬉しいです。
1.イヤホンジャックが神
SDVXに限らず多くの音ゲーにはイヤホンジャックが搭載されていて音楽に集中できるようになっていますよね。音楽ゲームなんだから当然だと思われているかもしれませんが、太鼓の達人には基本的にイヤホンジャックがついていません。なのでドンだーは筐体のスピーカーから流れる音楽を聴いてプレイすることが多く、周囲の環境がプレイの快適さに影響することも少なくありません。集中できるかどうかという要素がゲーセン選びに大きく関わってくるドンだーにとって、ゲーセンを選ばず音楽に集中してプレイできるのはSDVXの大きな魅力だと思います。
太鼓の達人には基本的にイヤホンジャックがついていないと書きましたが、最近になって太鼓の達人にイヤホンジャックを搭載してくれるゲーセンも増えてきているのでこの流れが加速していくことを願っています。
ちなみに僕はfinal E3000というイヤホンを使っています。心地よい音質で臨場感あふれるサウンド体験を楽しめるのでとてもおすすめです。あとビジュがいい。
2.思ったより判定が広い
太鼓の達人が全年齢向けの親しみやすい音ゲーだということもあって、太鼓の達人の判定は他の音ゲーより緩く、SDVXなど鍵盤音ゲーの判定はもっと厳しいのだろうと考える人もいると思います。実際はその真逆で、太鼓の達人の良の判定幅はSDVXのCRITICALの判定幅よりも大幅に狭いです(公式に情報が明かされていないのではっきりとは言えないんですが、太鼓は±25ms、SDVXは±41ms程度だった気がします)。そのおかげで、「一つのノーツを音に合わせて入力して良/CRITICALを取る」、すなわち単音の難易度に限ってはSDVXの方が易しいように感じています。
かといって「SDVXの方が精度を取りやすい」なんてことは口が裂けても言えません。むしろ太鼓の達人に慣れている僕にとってはSDVXの方が精度を取りづらいです。これにはいくつかの要因があると思います。太鼓の達人には打面を叩くフィジカルな動作があるので、体感的にリズムが取りやすいという物理デバイスゆえの安心感があります。それに加えて、SDVXは複雑な同時押しや指押し配置で多様な難易度が出せるので、譜面認識や入力に意識を取られて精度が取りづらいという側面もあると思います。
判定幅の違いはあれど、太鼓の達人もSDVXもそれぞれのプレイスタイルに応じた絶妙な判定幅の設定で楽しめるようになっているんだなと感心しています。
3.バチを持ち歩かなくていい
当たり前だけど本当にありがたい。ドンだー、またの名を「テニスグリップを必ず偶数個購入する人達」は基本的にゲーセンで遊ぶときにマイバチを持ち歩く必要があります。太鼓の達人一筋で遊んでいたときは特に気にしていなかったんですが、SDVXを始めてから長さ40cmの木の棒を持ち歩くことの煩わしさ、そして手ぶらでゲーセンに行けることの素晴らしさを実感しました。マイバチには持ち運びに対する配慮の必要が常につきまといます。カバンを選ぶ際には大きめのトートバッグを選ぶ必要があるし、雨の日にはバチが濡れないように気を付けないといけない。さらにマイバチを忘れてゲーセンに来てしまった日には絶望しかない。
その点SDVXは本当に身軽です。イヤホンさえ持っていけば快適なプレイが保証されています。わが身一つでゲーセンに行って気軽にプレイできるのも太鼓の達人にない大きなメリットだと思います。
もちろん、太鼓の達人におけるマイバチ文化は太鼓の達人ならではの素晴らしい要素だと思います。バチ作りは単なる作業にとどまらず、ものづくりとしてゲームプレイから独立した一つのジャンルとしての地位を得ているし、バチ職人というコミュニティで繋がりも生まれます。
どっちも良さがありますね。こうやって書いてるとそれぞれ再確認できて楽しい。
4.支払いがスムーズすぎる
コナミゲーの強みとしてPASELIによる支払いがあります。基本的に太鼓の達人をプレイする際には筐体に100円玉を投入する必要があります。太鼓の達人だけでなくチュウニズムなどにおいてもそうですね。最近になって太鼓の達人やチュウニズムなどの筐体にもキャッシュレスの決済端末を設置してくれているゲーセンもよく見かけます(マジでありがとうございます)が、キャッシュレス決済ができるというだけではコナミゲーと互角ではありません。
太鼓の達人をプレイする際、現金であれキャッシュレス決済であれ1プレイごとに財布を出して支払いする必要がありますよね。SDVXで遊ぶようになって初めて気づいたんですが、これって微妙にストレスです(贅沢言ってすみません)。SDVXにはそのストレスがありません。一度カードをかざしてプレイを始めればもう財布を出す必要がありません。プレイ後にコンティニューしてそのまま次のクレがプレイできるのも太鼓にはない他機種のいい点ですね。このスムーズさもSDVXにおけるプレイの快適さの一因となっていると思います。
が、その快適さゆえにつぎ込んでいるお金を忘れてプレイに没頭してしまうことがよくあります。非常によくあります。PASELIのオートチャージ機能を登録すると残高が少なくなった際にPASELIチャージ機を探して千円札を投入したり、マイページを開いて決済画面の入力をおこなったりする必要がなく、自動的に残高がチャージされます。すなわち、自動的に口座から残高が引かれます。マジで怖い。その点太鼓の達人は財布から100円玉が尽きるたびに両替機を探して1000円札を投入する必要があるため、お金の儚さを実感しやすいです。
PASELIのマイページから月ごとのクレ数を確認できたり、一日に投入したクレ数が一定値を超えると支払い時に警告してくれるなど、抑止力となる機能はたくさん存在していますが、使いすぎには十分気をつけましょう。
5.知らない曲が大半
新しい音ゲーを初めてプレイするとき、とりあえず知ってる曲を探して遊んでみますよね。同じように僕も初めてSDVXをプレイしたときは知ってるJ-POPとかボカロあるかな~と探してみたんですが、そもそもJ-POPがない。ボカロも全然見つからない。太鼓の達人やチュウニズムのように有名曲をすぐ大量に見つけられる音ゲーに慣れていた僕にとって、このギャップはめちゃくちゃ大きく感じられました。
音ゲーを初めて遊ぶ人にとって、知名度の高い楽曲は安心して挑戦できる導線のような役割を果たしますが、SDVXにはその導線がほとんどありません。そのため、SDVXを始めた直後は楽曲の触れ方が分からず、知らない曲を選択する心理的ハードルがとても高く感じられると思います。楽曲名やアーティスト名も馴染みのないものが多く、他の音ゲーと比べて始めたての段階は少し取っかかりづらいんじゃないかと思います。
逆に言うと、それには未知の曲を発見して好みを広げていくという楽しさがあります。最初は完全に知らない曲ばかりでも、プレイを重ねるうちに自然とお気に入りのジャンルや作曲者が見つかり、新たな楽曲に出会う楽しさが次々に生まれていくのは音ゲーならではの素晴らしい体験だと思います。
6.連打がない
当たり前ではあるんですが、これが太鼓の達人を他の音ゲーと区別する大きな違いだと思っています。太鼓の達人には連打があって、他の多くの音ゲーには連打がない。これは単なるノーツの一要素の有無ではなく、「天井の有無」を意味します。バチや太鼓という物理デバイスによる直感的な操作や横レーンでのスクロールなど、太鼓の達人と他の音ゲーの間には大きな違いがたくさんありますが、この「天井の有無」はプレイスタイルに根本的な違いを与える非常に大きな要素だと思います。
SDVXやチュウニズムをはじめ、音ゲーには基本的に理論値という天井が存在します。そして、プレイヤーは基本的にその天井となる模範的なプレイの再現を目指してプレイします。SDVXで言うとPUC、さらに突き詰めるとS-PUCですね。それに対して、太鼓の達人は連打音符がある限りどこまでも点数を伸ばせます(連打内のすべてのフレームで入力すれば連打においても理論上は理論値を出せますが、あくまで“理論値”であり現実的な話ではありません)。
天井が明確に定められている一般的な音ゲーでは、プレイヤーはミスを減らして精度を高めることで理論値に近づくことを最終目標とします。ここで問われるのは「模範的なプレイを忠実に再現する能力」です。一方で、太鼓の達人のように実質的な天井が存在しないゲームでは、スコアの追求は「天井への接近」ではなく「自身の限界突破」を意味します。バチの振り方や角度など、連打においてはプレイヤーの工夫によってスコアが伸びる余地が常に残されています。そのためプレイスタイルはより多様化し、個人の創意工夫がスコアに直結します。
ドンだーはこの創意工夫に命を賭しています。基板や面にひたすらこだわって筐体をメンテナンスし、反発や振りやすさを考えて木の棒をじっくり削り、面のどのあたりを叩けば密度が出るかを頭に叩きこみ、バチの角度を絶妙に調整し、黄色の音符が流れてきたら全力でバチを振る。まさにアスリートです。
以上述べたように、連打音符の有無は単なるゲームシステムの差異にとどまらず、それぞれのプレイヤーの目標意識や競技性を決定づけ、ゲームプレイおよびプレイヤーに多様性を与えるとてつもなく重要な要素なんです。本当に奥が深い。
おわりに
のんびりおしゃべりさせていただきました。今回挙げたもの以外にも僕が感じた太鼓の達人とSDVXのギャップはたくさんあります。癖がつきやすい、レートで実力を把握しやすい、メンテナンスの差が小さい、公式大会が豪華、キャラデザが強いetc…
何より僕の中で目立ったのは「ゲームの軽快さ」という要素です。必要な荷物の少なさなど物質的な身軽さだけでなく、イヤホンジャックや支払いのスムーズさなど、ゲームを快適に遊ぶためのアメニティが充実しているのが僕にとってのSDVXの魅力でした。
同時に、執筆のお誘いをいただいたおかげで長い木の棒を持ち歩いてでも遊びたくなる太鼓の達人の底知れない奥深さを再確認させてもらえました。ありがとうございました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!よい音ゲーライフをお過ごしください。


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