北米

2026.01.08 11:00

トランプ、2027年国防費1兆5000億ドルを要求 50%超の大幅増額

ドナルド・トランプ大統領(Tasos Katopodis/Getty Images)

ドナルド・トランプ大統領(Tasos Katopodis/Getty Images)

ドナルド・トランプ大統領は、2027年の国防費を1兆5000億ドル(約235兆円)に増額するよう議会に要請する考えを示した。この提案は、2026年の軍事費として約9010億ドル(約141兆円)を承認した国防政策法案に署名してから数週間後のものであり、Truth Socialへの投稿で発表されている。

1兆5000億ドルは、12月に承認された2026年の予算から50%以上の増加であり、米国史上最高の国防予算となる。

トランプは米国時間1月7日に行ったTruth Socialへの投稿で、議会のメンバーと交渉した結果、驚異的な1兆5000億ドルという数字に至ったと述べ、この巨額の予算により米国は「夢の軍隊」を構築できると主張。大統領はまた、関税からの収入により政府は1兆5000億ドルの予算を「容易に達成」できると主張している。

この巨額の予算は、トランプ大統領が「非常に困難で危険な時代」と呼ぶ状況に必要だという。今週初めのベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束のための急襲をめぐる論争の渦中での発言だ。

米財務省によると、政府は2025年に関税から約1950億ドルを徴収している。米国時間1月7日のTruth Socialへの投稿で、トランプはまた、関税からの収入により、国家債務の返済や、彼が「我が国内の中所得の愛国者」と呼ぶ人々への配当金など、他の公約目標も達成できると主張している。

トランプ政権は関税収入を使って米国民に2000ドルの還付小切手を発行するというアイデアを繰り返しアピールしてきたが、1月時点でこれらの支払いを実行するための具体的な計画は示していない。12月、トランプは、以前、関税政策で大きな打撃を受けた大豆農家を含む農家への120億ドルの支援パッケージを承認した。大統領は、これらの資金も関税収入からのものだと主張した。

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トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

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2026.01.07 16:00

米国のベネズエラ再攻撃、あるとすればどこを狙うか リスクは?

ベネズエラのデルシー・ロドリゲス暫定大統領。2026年1月5日、カラカス(Jesus Vargas/Getty Images)

ベネズエラのデルシー・ロドリゲス暫定大統領。2026年1月5日、カラカス(Jesus Vargas/Getty Images)

米国に拘束されたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に代わり、新たに国のトップに就いたデルシー・ロドリゲス暫定大統領に対し、ドナルド・トランプ米大統領は「正しいことをしなければ非常に大きな代償を払うことになる。おそらくマドゥロよりも大きな代償だ」と警告を発した。マルコ・ルビオ米国務長官は当初、ベネズエラに対するこれ以上の行動はないとの見通しを示していたが、ベネズエラ指導部が依然として米国に屈しない姿勢とみられるなか、米国が2回目の攻撃に踏み切る可能性は十分ある。

課題は、米国側や民間人の犠牲を最小限に抑えながら、最大限の政治的圧力を加えることにある。地上部隊を投入すれば人的損害を出すリスクがあるが、航空戦力による攻撃には幅広い選択肢がある。

航空戦力だけで紛争に決定的な結果をもたらせるのか。これについてはアナリストらが何十年にもわたり議論してきた。わたしたちはその答えを近く目にすることになるかもしれない。

空爆による「斬首作戦」

トランプの脅しはロドリゲス個人に向けられたもののようだ。ヘリコプターでマドゥロの邸宅を急襲し、彼と妻を生け捕りにした「断固たる決意(アブソルート・リザルブ)作戦」のような大胆な作戦が再び実施される可能性はきわめて低いと思われる。この作戦では、米陸軍の特殊部隊デルタフォースを乗せたCH-47チヌーク輸送ヘリコプターが首都カラカス上空を低空飛行し、隊員らが邸宅に突入して夫妻の身柄を拘束したとされる。その成功には完全な奇襲と緻密な計画が不可欠だった。

数千人規模の人員と数十機以上の航空機が投入されるこの種の作戦は、1日や2日で立案できるものではない。

再び奇襲を仕掛けるのは不可能だろう。ロドリゲスは居場所を特定されないように細心の注意を払うだろうし、イラクのサダム・フセイン元大統領がしていたように替え玉を1人あるいは複数用意する可能性もある。警護体制も厳重になるに違いない。米国のどのような作戦も1993年のモガディシュにおける戦闘、いわゆる「ブラックホーク・ダウン事件」の二の舞いになりかねない。米軍はソマリアの軍閥指導者モハメド・ファラー・アイディード将軍の拘束に失敗し、地元勢力との長時間にわたる銃撃戦に巻き込まれた。最終的に救援作戦で終結したが、米兵18人、ソマリア人数百人が死亡した。

次ページ > 防空システムは優先順位の高い目標になる可能性が高い

翻訳・編集=江戸伸禎

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2026.01.08 08:00

米国、ベネズエラ関連の石油タンカー2隻を拿捕

ベネズエラに停泊するタンカー船(Jose Bula Urrutia/UCG/Universal Images Group via Getty Images)

ベネズエラに停泊するタンカー船(Jose Bula Urrutia/UCG/Universal Images Group via Getty Images)

米国がベネズエラ指導者のニコラス・マドゥロを拘束し、同国の膨大な埋蔵石油の掌握に動く中、米沿岸警備隊は現地時間1月7日、大西洋およびカリブ海で、ベネズエラと関係する石油タンカー2隻を拿捕した。

アメリカ欧州軍の声明によると、「ベラ1号」として知られ、現在は「マリネラ」と名乗っているロシア船籍のタンカーは、米国の制裁に違反したとして、アイスランド近海の北大西洋で拿捕された。

国土安全保障長官のクリスティ・ノームは、上記に加え、カリブ海でも「M/Tソフィア」と呼ばれるタンカーを拿捕したと述べ、ソーシャルメディアへの投稿で次のように記した。

「本日未明に行われた2つの作戦で、沿岸警備隊は、いずれもベネズエラに最後に寄港したか、あるいは同国に向かっていた『ゴースト・フリート』のタンカー2隻に対し、連続して綿密に連携した立ち入り検査を実施した」

AP通信が引用した船舶追跡データによると、ベラ1号は拿捕された時点で石油を積載していなかったという。

APによれば、この船は、ロシア、イラン、ベネズエラから石油を輸送する制裁対象船舶からなる「シャドーフリート」の一部であり、3月にイランの港に寄港した後、11月までペルシャ湾入口付近に停泊していた。

またAPは、この船が、イランの支援を受けるレバノンの武装組織ヒズボラとの関係が疑われたとして、2024年に米国から制裁対象に指定されていたとも報じている。

複数のメディアによると、以前同船が沿岸警備隊による立ち入りの試みを拒否した後、ロシアは潜水艦やその他の海軍艦艇を派遣し、このタンカーを護衛していた。

乗組員は船体にロシア国旗を描いたとされ、同船はマリネラという新たな名称でロシア船籍に登録され、ロシア北東部の港であるムルマンスクに向かっているように見えた。

米国防長官のピート・ヘグセスは、アメリカ欧州軍の声明を引用する形でXに投稿し、次のように述べた。

「制裁対象で違法なベネズエラ産石油に対する封鎖は、世界のどこであれ、完全に継続している」

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トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

次ページ > トランプ政権によるマドゥロ拘束の背景

翻訳=江津拓哉

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2026.01.04 08:00

トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

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ドナルド・トランプ米大統領は2025年12月中旬、ベネズエラに出入りする石油タンカーの封鎖を命じ、同国のニコラス・マドゥロ政権に対する圧力を劇的に高めた(編集注:トランプは3日、ベネズエラに対する大規模な攻撃を成功裏に実施し、マドゥロを妻とともに拘束したと発表した)。米国はこれまでにベネズエラ沖で複数の石油タンカーを拿捕している。トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で「われわれから盗んだ石油や土地、その他の資産をすべて返還するまで」ベネズエラに対する包囲は続くと脅した。

ホワイトハウスのスティーブン・ミラー大統領次席補佐官はX(旧ツイッター)で、ベネズエラは「記録にある限り米国の富と財産の最大の窃盗」をはたらいたとまで断じた

これ以前、ベネズエラに対する米国の介入は麻薬戦争、とりわけ合成麻薬「フェンタニル」対策の一環として位置づけられていた。

トランプ政権は同月、米国は麻薬カルテルとの「武力紛争」に入っていると米議会に通知した。すでに1期目の2020年3月、米司法省はマドゥロ大統領らを「麻薬テロ」を共謀した罪などで訴追している。米国はこれまでにベネズエラ近海で数十隻のボートを攻撃し、100人以上を殺害している。

不都合な真実は、ベネズエラは実のところ、2021年以降25万人超の米国人を死亡させてきたフェンタニルの供給源ではないことだ。米国務省や米麻薬取締局(DEA)によると、ベネズエラは主にコカインの通過国である。

フェンタニルは圧倒的多くがメキシコで生産されていて、原料となる前駆物質は中国やインドから調達されている。大半は合法的な入国港を通じて米国に流入しており、それを担っているのもほとんどが米国人だ。米国のリバタリアン系シンクタンク、ケイトー研究所が政府データを調査したところ、米国で2024年にフェンタニル関連で有罪判決を受けた被告の5人に4人(8割超)は米国市民だった。

真の問題がフェンタニルでないとすれば、投資家はこう問うべきだろう。「なぜベネズエラで、なぜ今なのか」と。筆者の考えでは、答えは麻薬よりもエネルギーとパワー(力)にはるかに深く関わっている。

次ページ > ベネズエラ産重質油が持つ地経学的意味

翻訳・編集=江戸伸禎

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