東武鉄道、磁気定期券の発売を3月13日で終了--IC専用化で関東大手私鉄の先陣を切る
東武鉄道は1月9日、磁気定期乗車券の発売を2026年3月13日で終了すると発表した。通勤・通学定期が対象で、以降はPASMOおよびモバイルPASMOによるIC定期乗車券のみの発売に切り替える。関東の大手私鉄が磁気定期券の終了時期を明示したのは同社が初めてだ。 対象は通勤定期乗車券と通学定期乗車券で、他社線への連絡定期も含まれる。すでに磁気定期券を持っている利用者は、3月14日以降も有効期限まで使い続けられる。ただし、従来から磁気定期券のみで販売していた他社線にまたがる実習用通学定期券は、当面磁気での発売を続ける。 IC定期券への移行にあたり、PASMO未所持の利用者は定期運賃に加えてデポジット(カード発行預かり金)500円が必要だが、カード返却時に返金される。紛失時の再発行に対応できる点もIC定期券の利点として同社は挙げている。 なお、上毛電気鉄道、わたらせ渓谷鐵道、野岩鉄道との連絡定期券はPASMOに搭載できないため、東武線内区間のみIC化し、各社線区間の定期券は別途購入する形になる。 背景に磁気式改札機の維持コスト問題 鉄道業界では、磁気乗車券に対応した自動改札機や券売機の維持が課題になっている。磁気券を読み取る機構は複雑で専門性が高く、中長期的な保守が難しくなりつつある。磁気券の用紙には金属が含まれ、リサイクル時に磁気層の分離・廃棄が必要になるなど環境負荷も指摘されてきた。 関西ではすでに磁気定期券の廃止が進んでいる。京阪電鉄が2021年3月に磁気定期券を廃止したのを皮切りに、阪急電鉄と能勢電鉄が2025年3月、神戸電鉄と山陽電気鉄道が同年9月、北大阪急行電鉄が同年11月にそれぞれ発売を終了した。 首都圏8社はQR乗車券への移行で合意 関東でも磁気券からの脱却が進む。2024年5月には、JR東日本、東武鉄道、京成電鉄、京浜急行電鉄、西武鉄道、新京成電鉄、東京モノレール、北総鉄道の8社が、磁気乗車券をQRコード式乗車券へ置き換えると共同発表した。2026年度末以降、自動券売機で発券する普通乗車券(近距離券)から順次切り替える計画だ。8社共用のサーバーでQR乗車券の情報を管理し、会社間をまたぐ発券にも対応する。 現在、首都圏の鉄道利用者のうちICカード利用率は90〜95%に達しており、磁気乗車券の利用は5〜10%にとどまる。東武鉄道の今回の発表は、定期券についてもIC専用化を先行して進める動きといえる。