2026/1/8
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
2026年4月から、離婚後の親権制度が大きく変わります。
日本では長年、離婚後は単独親権のみとされてきましたが、約80年ぶりに「共同親権」を選択できる制度へと転換します。
本当にこれは「子どものための改正」なのか。背景となる離婚の増加とともに整理してみました。
参照:民放等の一部を改正する法律の概要
■ 法改正は2024年
1947年戦後民法以来、77年ぶりに親権制度が改正となりました。
これまでの「離婚後は単独親権のみ」から「共同親権の 選択 が可能」となったのです。
本改正は、「民法等の一部を改正する法律」として、2024年5月に成立しました。
「民法等」とある通り、改正は多岐にわたります。
・民法(第一条関係)
・人事訴訟法(第三条関係)
・家事事件手続法(第四条関係)
・戸籍法(附則第八条関係)
・住民基本台帳法(附則第九条関係)
・民事訴訟費用等に関する法律(附則第十条関係)
・民事再生法(附則第十一条関係)
・破産法(附則第十一条関係)
・法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(附則第十一条関係
・国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(附則第十二条関係)
・民事訴訟法等の一部を改正する法律(附則第十三条関係)
・民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(附則第十五条関係)
いや、まあ……非常に広範な改正であり、大改正であったことは間違いありません。
関係者にとっては、相当大きなインパクトがあったと考えられます。
■ 離婚の数
離婚数の増加は、なんとなくイメージ通りではないでしょうか。
一方で注目すべきは、「子どもがいる離婚」の割合が高い状態で続いている点です。
1995年頃から、価値観の転換や女性の社会進出といった社会変化により、離婚数は増加したとされています。
母数が増えれば、当然ながら親権をめぐる問題も増加し、顕在化したのでしょう。
■ 親権はどちらが多い?
親権とは、子の身上監護と財産管理をおこなう権利であり、親の義務とされています(民法820条、824条)。
(監護及び教育の権利義務)
第820条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
(財産の管理及び代表)
第824条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
父母の婚姻中は共同で親権を行使するが、離婚後は父母どちらか一方が単独で親権を行使します(民法818条、819条)。
(親権者)
第818条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
(離婚又は認知の場合の親権者)
第819条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
戦後しばらくは父親が親権を行う割合が高かったものの、1965年頃から母親が単独親権者となる割合が増加。
近年では8~9割が母親となっています(2021年は以下の通り)
✓ 母親:89,401件(84.9%)
✓ 父親:12,140件(11.5%)
参照:日本における共同親権導入の意義と課題
■ 離婚後の問題点
離婚後は、子どもの利益を優先した監護をしなければなりません(民法766条)
(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第766条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によれば以下の通り。
離婚時に養育費支払の取り決めをしている割合
母子世帯46.7%・父子世帯28.3%
調査によると養育費を受けている
母子世帯28.1%・父子世帯8.7%
離婚後、子の親権・養育費・面会交流について不調となった場合、家庭裁判所にて調停されることになります。
しかし、現実には、養育費や面会交流の取り決め・履行率は極めて低い状況です。
調停や審判で決めても罰則がないため履行されにくいという構造的問題があり、
家庭裁判所の負担は年々増加し、簡便な協議離婚制度そのものが問題視されています。
■ 子供の権利条約と国連による勧告
日本は1994年に 国連子どもの権利条約 に批准しています。
2019年には国連「児童の権利委員会」から、日本の親権制度に対する勧告が出されています。
正直なところ、国連からの勧告に従う形になるのはちょっと嫌ですよね…
法制審議会の参考資料として扱われている以上、一定の影響を与えたことは否定できません。
他には、このような勧告もあります。
「競争的性質によって害されることなく…」こういったことが、順位をつけない徒競走につながった?
・・・どういった団体が児童の権利委員会にロビイングしているのかがよくわかりますね。
この勧告文、ぜひ読んでみてください(リンク)。
長くなったので今日はここまで。
次回は、子どもの影響などを紹介したいと思います。
■ 所感
私があらためて強く感じたのは、制度以前に「夫婦関係そのものをどう築くか」という倫理教育の重要性です。
子どもにとって片方の親と会えないことによる影響が研究されているのは事実で、重要な観点です。
ただし、その前提として、夫婦は互いに鏡のような存在であり、相手を変えようとする前に、まず自分を省みること。このような倫理教育がまさに必要な施策ではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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ナガタ タクヤ/43歳/男
ホーム>政党・政治家>長田 たくや (ナガタ タクヤ)>共同親権の民法改正とは何か① ― 2026年施行、その背景