ドン・キホーテが「ジャングル陳列」を捨てた? 30〜50代女性の本音“安くても汚い店は嫌”を受け……新業態で狙う全国400商業施設の“空白地帯”
「Re:Price」は、従来の「圧縮陳列」や「ジャングル探索」というドンキの方程式をあえて崩し、タイパ(時間対効果)とコスパを極限まで追求している。長時間の滞在を前提とした「時間滞留型」に対し、短時間で効率よく買い物を済ませられる「短時間型」の店舗設計に舵を切った。さらに在庫限りの「スポット品」を主軸に据えることで、常に変化する「宝探し感」を演出する。 「30〜50代の女性層は、家計管理の役割を担うケースが多く、コスト意識が非常に高い。限られた時間で楽しく買い物できる体験を提供することが、Re:Priceの役割だと考えている」
一方で、安売り業態特有のネガティブなイメージを払拭する工夫も施されている。 「アンケートでは、『安いものは買いたいけど、チープで汚いお店に通っていると思われるのは嫌だ』という声があった。店名を『Re:Price』としたのは、単なる処分品ではなく、価格を再定義し、つけ直すという意味を込めたかったからだ」 棚に並ぶ商品は、社会課題である「廃棄ロス」の削減にも貢献している。賞味期限間近の菓子類や在庫の数量に限りがある化粧品など、全店規模の供給は難しくても数店舗分であれば確実に存在する魅力的な商品を、卸業者とウィンウィンの関係を築きながら仕入れ、提供している。
■「1年間の周到な準備」と、実験・撤退の哲学 同社はこれまでにも「コスメドンキ」「お菓子ドンキ」「驚辛ドンキ」など、特定のカテゴリーに特化した小型店を次々と開発してきた。しかし、現在多店舗展開に至っているのは「キラキラドンキ」など一部に限られる。このスピード感について竹田氏は次のように語る。 「小型店の開発スピードは常にこのサイクル。まず実験を行い、その結果から『勝ちパターン』を見極めていく。一定のリスクを許容した上で、定量的な数字が合格ラインに達して初めて多店舗展開に舵を切るのだ。逆に言えば、実験の結果が芳しくなければ即座に撤退している」