本人は今休んでいて、会社も対応に追われている。正直、俺も周りの人間も「やっぱりな」という気持ちと「どうしてあんなことを」という気持ちが半々だ。
その同僚、仮にAとする。Aは仕事はそれなりにできる人だった。企画も通すし、プレゼンもうまい。上司受けもいい。だけど、なんというか、扱いに困るタイプだったんだよな。
何が困るって、とにかく承認欲求が強い。会議でも飲み会でも、常に自分が中心じゃないと気が済まない。誰かが話していても途中で遮って自分の話に持っていく。そういうのが日常茶飯事だった。
SNSも同じ調子で、毎日のように仕事の愚痴や持論を投稿していた。最初は「意識高いな」くらいに思っていたんだけど、だんだんエスカレートしていって、特定の業界や職種をディスるような投稿が増えていった。
周りの何人かは「あれ、大丈夫なのか」と心配していた。俺も一度だけ飲みの席で「SNS、ちょっと気をつけた方がいいんじゃない?」と遠回しに言ってみたことがある。でもAは「いや、これくらい言わないと伝わらないから」と笑って流された。
で、先月。Aがまた例の調子で、今度はある職業の人たちを小馬鹿にするような投稿をした。それがバズって、一気に炎上。リプライ欄は批判で埋め尽くされ、過去の投稿も掘り起こされて、会社名まで特定された。
会社は即座に謝罪文を出したけど、ダメージはでかい。取引先からも問い合わせが来ているらしい。Aは今、自宅待機という名の休養中だ。
正直、同情する気持ちもある。ネットリンチは度が過ぎることもあるし、誰だって失敗はする。でも同時に「なんで誰の忠告も聞かなかったんだ」という思いもある。
Aは多分、自分が間違っているとは思っていなかったんだろう。自分の正しさを証明したくて、どんどん過激になっていった。承認欲求と正義感が混ざり合って、ブレーキが効かなくなっていたんだと思う。
これからAがどうなるのかは分からない。でも、この件で学んだことはある。
承認欲求が強い人間は、それ自体は悪いことじゃない。でも、それが暴走したとき、誰も止められなくなる。本人も、周りも。
そして、SNSというのは恐ろしいものだと改めて思った。一瞬の感情で書いた文章が、人生を変えてしまう。