奇妙な夢
私は冬至が好きだ。日がいちばん短い日、というとつまんない感じがするけれど、裏を返せば明日から少しずつ日が長くなってゆく日なのか、とあるとき気づき、ゆず湯なんかも楽しいし好きになった。なんとなく、ここまで来れば大丈夫、という気分にさせてくれる。寒くなるのは、これからなのだけれど。
でも今日はかなりぐったり疲れている。一年の疲れがどっと出るときだからだろう。そしてそんなときに、12歳のときに離れ離れになった父親のあたらしい家族に会いに行ったからだろう。父はついこないだ会ったときと変わらず陽気で、奥さんも話に聞いた通りいいひとだったし、腹ちがいの妹と弟もかわいかった。とても健やかな、楽しい時間だったけれど、しかしそれはそれとして疲れはやってくる。
この頃日課の朝のジム帰り、昨日はなんて不思議な日だったんだろう、と私は思った。まったくしらない家族のなかに懐かしい服を着た父がいて、娘はどうやら私のちいさい頃にそっくりで、まるで子どものときに見た父をもう一回見ているようだったが、しかしその父は私の記憶よりもずっと歳を取っているのである。うちから追い出されたあとの疲れた父の顔が記憶に染み付いているので、こんなふうに幸せになってくれてほんとうによかったなぁ、としみじみと眺めていたが、同時に「なんて変な光景なんだろう」と思わずにはいられなかった。目覚めたあとにどんな感情を抱けばいいかわからなくなる、奇妙な夢みたいだった。
その奇妙な夢の家族に連れられて、年明けは父方の実家にも遊びに行く予定だ。祖父母は私に会いたがっているらしいけれど、私は写真でしか彼らのことをしらないので、そんなひとたちが私を大切がっていること自体もう不思議である。まだしばらく夢は続く。
2025.12.22



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