日本の政治家に決定的に欠けているもの
ブケレ大統領の改革から、日本が学ぶべきことはいくつもある。
もちろん、日本は治安の良さでは世界屈指であり、司法などの制度が健全に機能している。そういう意味で日本がエルサルバドルから学ぶべきことはなさそうに見える。
ただし、ブケレ大統領という政治家と比べると、日本の政治家に欠けているものが見えてくる。特に日本の政治家には決定的に欠けているのは、マスコミの論調や空気に妥協しない強さだろう。
日本では、政策の是非が国民ではなく、マスコミの評価によって左右されがちだ。その結果、日本の政治家は「どう実現するか」よりも、「どう批判されないか」に走り、政策がいくぶん骨抜きになりがちである。
「行動するトップ」を選べるかどうか
ブケレ大統領の政治はそれとは正反対である。彼は欧米メディアや人権団体から何度も批判されながら、MS-13など凶悪犯罪組織の解体を進めた。それが最優先課題であり、国民が望んでいたことだからだ。
マスコミに支持されたかったら、何もせず、何も変えなければよい。実際、「憲法を守る」「日本を軍事大国にしない」「外国人の人権を守る」「福祉を守る」ときれいごとを言っていれば、マスコミは褒めてくれるだろう。
でも、それでは着実に政治不信が高まるだけだ。
かつて「肥だめ」と罵られた国は、いきなり奇跡を起こしたわけではない。言葉だけでなく、行動するトップを選び、そのトップが問題を一点に絞り、結果を出し、それを国民に分かる形で示すという、愚直にやるべきことをやっただけである。
すべての政策は、その結果を国民に伝えることで完成する。伝える結果のない政治は、何もしないのと同じである。私たちはブケレ大統領からそのことを学ぶべきだと思う。