トレーナー室の支配者と、堕ちていくウマ娘たち 作:railgunk
トレセン学園の夕暮れは、いつ見ても美しい。
茜色に染まる空の下、ターフからは少女たちの駆け抜ける足音と、生命力に満ちた呼気が、ここまで届いてくるようだ。
俺はトレーナー室の窓際に立ち、コーヒーの香りを楽しみながら、眼下に広がるその光景を見下ろしていた。
ガラスに映る俺の顔は、穏やかで、知的で、そして生徒思いの教育者のそれだ。
無理もない。それが、俺が長年かけて完璧に作り上げてきた「仮面」なのだから。
「……優秀なトレーナー」
「生徒の心に寄り添う、信頼できる指導者」
学園内での俺の評価は、概ねそのようなものだ。理事長からも、同僚からも、そして何より担当ウマ娘たちからも、俺は絶対的な信頼を勝ち得ている。
彼女たちは疑わない。俺が差し伸べる手が、彼女たちを勝利へ導くためのものだと信じて疑わない。
愚かで、愛おしい子供たちだ。
俺はデスクに戻り、手元にある分厚いファイルを指先で弾いた。
そこに記されているのは、彼女たちの身体データ、レース成績、そして――性格、趣味、家族構成、抱えているコンプレックスに至るまでの、詳細な個人情報だ。
一般的に、トレーナーの仕事とは、ウマ娘を鍛え上げ、レースで勝利させることだと言われている。
だが、俺にとっては少し違う。
レースでの勝利など、あくまで副産物に過ぎない。
俺の真の目的は、「支配」だ。
圧倒的な身体能力と、煌めくような才能を持つ彼女たち。
プライドが高く、美しく、そして強靭な精神を持つ「怪物」たち。
そんな彼女たちの、鉄壁に見える心の鎧に、ほんのわずかな亀裂を見つけること。
そこへ、信頼という名の甘い毒を流し込み、尊敬という名の鎖で縛り上げ、最終的に俺なしでは呼吸すらできないような「依存」の状態へと堕としていくこと。
それこそが、俺がこの学園に存在する理由であり、至上の愉悦なのだ。
暴力的な強制は美しくない。
彼女たち自らが、俺の望む形へと変わっていくことを望むように仕向ける。
「あなたのためなら」「あなたに認められたい」――そう願わせてこそ、真の支配は完成する。
俺は一枚の写真を手に取った。
カツラギエース。
勝利への執念に燃える、誇り高き逃げウマ娘。
彼女のその強固なプロ意識は、裏を返せば、目的のためなら手段を選ばないという危うさでもある。
俺は彼女に提案するつもりだ。「排泄」さえもコンディション管理の一環として徹底的に管理・指導するという、常軌を逸したトレーニング法を。
彼女は戸惑うだろう。だが、結果が出るにつれ、その羞恥心は「プロ意識」へとすり替わる。
誰もいないトイレでの指導、密室でのマッサージ。その過程で、彼女は俺に身も心も委ねることを是とし、俺とのキスさえも「契約」として受け入れるようになるだろう。その純潔を俺一色に染め上げる快感は、何物にも代えがたい。
次に、ミスターシービーの写真。
自由奔放で、誰にも縛られない天才。
だが、その自由さは、裏を返せば孤独だ。俺は彼女を放置し、彼女が最も意識するライバルであるエースにだけ構う。
エースと俺の親密な様子を見せつけられ、焦燥と嫉妬に狂う彼女。その心につけ込み、「罰」と称して屈辱的な行為を強いる。
トイレでのエースの排泄音を聞かせ、覗き見をさせ、その背徳感の中で自らを慰めさせる。
そして、最後には「エースと比較される屈辱」と「エースの痕跡を与えられる喜び」を同時に与え、彼女のプライドを粉々に砕く。自由な魂が、嫉妬という鎖で自らを俺に縛り付けていく様は、さぞ美しいことだろう。
そして、この学園の頂点に立つ、秋川理事長。
扇子を片手に豪快に振る舞う彼女だが、その小さな肩には、年齢に見合わない重圧がのしかかっている。
俺は見抜いている。彼女が本当は、まだ12歳くらいの少女でしかないことを。
俺の前でだけ、その重い鎧を脱がせ、ただの子供に戻してやる。甘やかし、依存させ、その未成熟な身体に、女としての喜びを教え込む。
学園の最高権力者が、俺の指先一つで泣き叫び、快楽に溺れる雌へと堕ちる。その背徳感こそが、俺の支配欲を満たす最高のスパイスだ。
さらに、アグネスデジタル。
「ウマ娘ちゃん尊い!」と叫ぶ、一見無害なオタク少女。
だが、その熱狂的な「推し活」は、歪んだ好奇心と紙一重だ。俺は彼女に「同志」として近づく。
「研究」という名目で、共に他のウマ娘のトイレを盗み聞きし、その聖なる音に感動を分かち合う。その共犯関係の中で、彼女の羞恥心を麻痺させていく。
最終的には、彼女自身の身体をも「研究対象」とし、オタクとしての仮面を被らせたまま、恥ずかしい姿を晒させ、快感の地獄へと突き落とす。彼女は俺を「師匠」と崇め、その魂ごと俺に捧げるだろう。
最後に、ライスシャワー。
不幸を背負い、自己肯定感が極端に低い、青い薔薇。
彼女には「優しさ」という名の罠を仕掛ける。雨の日に傘を貸し、俺が濡れて帰る。怪我をする、大切なチケットを失う。それら全てを「自分のせいだ」と思い込ませる。
罪悪感でがんじがらめになった彼女に、露出の高い水着を着せ、「悪い大人ごっこ」と称して身体を弄ぶ。
そして、「君のせいで俺は我慢できなくなった」と告げ、俺の欲望処理を「奉仕」として行わせるのだ。彼女はそれを贖罪だと信じ、健気に尽くし続けるだろう。
どいつもこいつも、付け入る隙だらけだ。
彼女たちはまだ知らない。
このトレーナー室が、夢を叶えるための作戦室ではなく、彼女たちの魂を加工し、俺の好みの形へと変えるための「実験室」であることを。
エースのひたむきな恋心も。
シービーのドロドロとした嫉妬も。
理事長の隠された幼さも。
デジタルの狂信的な同志愛も。
ライスの痛々しい献身も。
全ては、俺の手のひらの上で踊る、哀れで愛おしい駒たちのダンスに過ぎない。
外の喧騒が、次第に遠ざかっていく。
夜が来る。
俺の、本当の仕事が始まる時間だ。
「さあ……まずは、誰から堕としていこうか」
俺は完璧な仮面の下で、音もなく嗤った。
盤上の駒は揃っている。
誰にも知られることのない、密室での背徳的なゲームの幕が、今、静かに上がろうとしていた。