台湾有事と存立危機事態に関する高市早苗首相の発言で日中関係が最悪の危機に陥ったにもかかわらず、その直後の世論調査では高市内閣の支持率はさらに上がっている。
中国側の対抗措置による被害が実際に国民に降りかかっても、内閣支持率はあまり下がりそうにない。ましてや、すぐに高市おろしが始まることは考えられない。
11月中旬、ある自民党国会議員の重鎮A氏と著名なコメンテーターB氏と会食した。その際、A氏は、今回の中国との対立の深刻さが自民党議員の間でもよく理解されていないと教えてくれた。ほとんどの議員は、不勉強で、何が問題かを理解できないという。
A氏によれば、党内に、日頃から勉強するよりも党幹部の顔色を窺って忖度発言をすれば良いという行動パターンが広く染み渡ってしまった。ポストと選挙での公認や比例順位での優遇などを獲得するには勉強よりもゴマすりだと考える。逆に自ら勉強しても、首脳陣と異なる意見を言えば、勉強したことが評価されるどころか逆に命取りになるだけで全くペイしないという事実もある。
確かに、言われてみれば、今回の高市発言がとんでもない暴言だということがわかっている議員はほとんどいないとしか思えない。何しろ、自民党の政策の取りまとめを行う小林鷹之政調会長は、「首斬り発言」をした中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として国外追放にしろという趣旨の発言をした。中国の激しい反発の理由を理解していれば、そんなことは決して口にできないはずだ。
一方、茂木敏充外相は、今回の問題の深刻さを正しく理解できる数少ない議員の一人ではないかと私は見ていた。政策通で第2次安倍政権でも外相を務めている。当然日中関係、台湾問題にも詳しいはずだ。しかし、その茂木外相が高市発言の撤回は不要と明言した。非常に重い意味を持つ。
茂木氏は、頭は良いが、狡賢いという評価がある。この問題がこじれれば、高市氏の政権運営が困難になるとの計算があるのだろう。同時に高市支持層の右翼のご機嫌をとれば自分への支持も高まると考えたのかもしれない。
私に自民党議員の堕落を嘆いて見せたA氏は、自民議員の大半は、「馬鹿」か「自己中」だと吐いて捨てるように断言した。

















