どうして回らない寿司屋にはサーモンが無いの??

回転寿司ではサーモンが定番の人気ネタになっている。ところが、昔ながらの寿司屋や「回らない寿司屋」ではほとんど見かけない。あれほど浸透しているのに、なぜ姿を見せないのか。

サーモンが寿司に登場したのは意外と最近

サーモンが寿司ネタとして普及したのは、実はここ数十年のことに過ぎない。
江戸前寿司の世界では、マグロやコハダ、アナゴ、エビなどが代表的であり、サーモンは伝統に含まれていなかった。日本の川や海にもサケ類はいたが、生食されることはほとんどなかった。理由は寄生虫のリスクである。サケは川を遡上するためアニサキスなどを持ちやすく、そのままでは食用に適さなかった。

状況が変わったのは1980年代以降だ。冷凍技術が発達し、ノルウェー産の養殖サーモンが日本に入ってきた。養殖サーモンは海水で育つため寄生虫がつきにくく、年間を通じて安定供給できる。こうして寿司チェーンが導入し、全国に広まっていった。サーモンは「現代の寿司」によって初めて定着した新参者だった。

江戸前寿司の美学との距離感

回らない寿司屋の多くは、江戸前寿司を基盤にしている。江戸前寿司は東京湾の魚をその日のうちに握る文化から発展し、旬を重視し、素材にひと手間を加えることを大切にしてきた。

サーモンはその枠組みには入りにくい。江戸前の海では獲れず、季節感も希薄である。さらに脂の強い魚であるため、漬けや酢締めといった伝統的な仕事を施す余地が少ない。江戸前の文脈では「寿司らしい魚」とは言いにくかった。

職人と客の評価のずれ

寿司職人の意識も無視できない。職人は「寿司は魚の仕事を味わうもの」という考えを持ち、サーモンに対しては「脂が強く単調」「どの部位も似た風味」「通向けではない」といった印象を抱くことが多い。伝統を守る立場からすれば、わざわざ選ぶ魚ではなかった。

一方、消費者にとってサーモンは食べやすく、脂の甘みが心地よく、価格も手頃だ。特に子どもや寿司に慣れない人にとって入りやすいネタとして受け入れられてきた。職人の価値観と客の嗜好がすれ違った結果、サーモンは「回転寿司では主役、回らない寿司屋では脇役以下」という位置づけになった。

回転寿司が広げた人気

1990年代以降、回転寿司は家族連れを取り込みながら拡大した。その中でサーモンは「子どもに人気があるネタ」として定着し、やがて全世代で好まれる定番に変わった。炙りサーモン、オニオンサーモン、チーズやマヨネーズとの組み合わせなど、多彩なアレンジが人気を押し上げた。

ただし、高級寿司の世界では事情が異なる。そこで求められるのは「旬を味わう特別感」や「希少な魚を食べる体験」である。安定供給できる養殖サーモンは、むしろ平凡に映ってしまった。

あえて置かないという選択

回らない寿司屋でサーモンを見かけないのは、仕入れられないからではない。むしろ簡単に仕入れられる魚だからこそ、あえて扱わないのである。職人が守る美学や、店が提供する体験価値に関わる部分であり、「高級寿司と回転寿司を差別化するための線引き」としてサーモンを外す店も多い。

少しずつ変わる状況

それでも近年は、高級店でもサーモンを出す例が出てきている。海外ではサーモン寿司が一般的になっており、観光客の要望に応える必要があるためだ。養殖技術の進歩で品質が安定したこともあり、「扱う価値がある」と考える店が増え始めている。


回らない寿司屋にサーモンが並ばないのは、仕入れの問題ではなく、文化や価値観の違いが背景にある。ただし近年は、その垣根も少しずつ低くなってきた。寿司屋ごとにどんな姿勢をとるかが見える部分でもあり、サーモンは今後さらに立場を変えていくかもしれない。





かいたひと→スタッフAとAIアシスタントくん

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サーモンだいすき



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