【パリ=三井美奈】ルーブル美術館やベルサイユ宮殿などフランスを代表する観光地で来年、入場料の「二重料金」制が相次いで導入される。欧州域外からの観光客に住民より高い料金を設定し、増益を国内の文化財保護にあてる計画。「人類の遺産はみんなに開かれるべき」という文化大国の意識も、オーバーツーリズムのしわ寄せで変化しつつある。
外国人料金は1・45倍
ルーブル美術館の入場料金は現在、大人1人22ユーロ(約4000円)。来年1月14日から、日本や米国や中国など欧州連合(EU)域外から来る外国人については32ユーロに引き上げる。仏在住の外国人、ノルウェーなどEU経済圏の住民は除外される。
年間約900万人の来場者のうち、外国人料金の対象はほぼ3割とみられる。同美術館の広報担当者は「2千万ユーロ近い増収が見込まれる。主に改修計画に使われる」と述べた。この計画は名画モナリザ専用の展示室設置など大幅増床を目指すもので、経費は11億ユーロ。美術館では10月に強盗事件が起き、警備強化も喫緊の課題になった。