いまから約2万年前、地球は最終氷期の真っただ中。そんな過酷な環境なので、人類は生き延びるために色々な努力をしていたみたい。IFLSによると、なんと、マンモスの骨を使ってシェルターを作っていたんです。
現在のウクライナ中部で見つかっている遺跡では、巨大なマンモスの骨を円形に組み上げた建造物が複数確認されています。たまたまそこに積み上げられているのではなく、頭骨や脚の骨を壁のように配置してあるので、意図的に作られた構造物であることが分かります。
ただ、これが人が暮らすための住居だったのかどうかは謎のままだったんです。あるものを調べるまでは──。
小さな動物を分析して分かった用途
住居だったのかが分からない理由は、年代の特定が難しかったからです。
建材として使われているマンモスの骨は、すでに死んでいた個体の遺骸を集めた可能性が高く、骨そのものの年代を測っても建物が使われた時期とは一致しませんでした。
そこで研究者たちは視点を変え、建物の周囲に残された、小型動物の骨や石器、狩猟道具に注目しました。これらは、人間がその場所を使っていた時期に残されたものであり、いわば、生活の痕跡です。
その分析から、このマンモス骨の構造物は、氷河期の中でも特に過酷な時期に、しかもごく短期間だけ使われていたことが示唆されました。数週間ほど滞在し、狩りや道具作りを行い、また去っていく──そんな使われ方だった可能性が高いのです。
定住ではなく「サバイバルのための拠点」
つまり、この構造物は、私たちがイメージする家とは異なり、極限の寒さと風をしのぐための一時的なシェルターだったと考えられます。
断熱や防風のために、骨の隙間に何を詰めていたのか、なぜその場所に建てる必要があったのかなど、分からないことはまだ多く残っています。しかし、人類がすでにこの時代から、環境を読み、資源を選び、構造を考えられていたという事実は分かりました。
今、私たちが環境の変化に合わせてテクノロジーを駆使するように、氷河期の人類も知恵を働かせていたんですね。
Source: IFLS






