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在日3世記者の韓国留学 「自分が何者か」問い続け=金志尚(デジタル報道グループ)

祖父の墓は生まれ故郷の韓国南東部・慶尚北道聞慶市にある=2024年12月15日、金志尚撮影
祖父の墓は生まれ故郷の韓国南東部・慶尚北道聞慶市にある=2024年12月15日、金志尚撮影

 在日コリアンの私(40)にとって、韓国に対する気持ちは少し複雑だ。「祖国」という意識は正直ない。かといって「外国」でもない。では一体何なのか? 昨年6月から1年間留学したソウルで、そんな問いと日々向き合った。

 80年前の終戦時、日本には200万人以上の朝鮮半島出身者がいたとされる。背景には日本の植民地支配があり、解放に伴って多くは祖国に戻ることになるが、一部は日本にとどまった。2013年に90歳で死去した私の祖父は、東京で働く道を選んだ。その祖父から数えて、私は在日3世に当たる。

 韓国南東部の慶尚北道(キョンサンプクド)出身の祖父は、祖国とのつながりをとても大切にしていた。先祖を供養する「チェサ」と呼ばれる法事を年に10回も家で執り行い、その度に親族が一堂に会した。弔う先祖は5代前までさかのぼり、旧暦の命日に感謝の意を示すのだ。私も毎回参加し、両手と両膝を床につく朝鮮式のお辞儀を繰り返した。

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