【解説】中国の“輸出規制強化”レアアースも 脅しか本気か…狙いは?
日テレNEWS NNN
中国政府は、軍事用に使われる可能性がある品目について、日本への輸出を禁止することを決定しました。中国の報道では、レアアースの規制強化も示唆されています。経済への影響や中国の狙いなどについて、柳沢高志・NNN中国総局長が解説します。 【画像】中国が日本に“軍民両用品の輸出禁止” 経済への影響は
■日本政府関係者「半分、脅しだ」の見方
──中国政府の狙いは何なのでしょうか? ある中国政府の関係者は、「輸出規制の対象には当然、レアアースも入る。厳しい措置で、経済的な圧力を強めるということだ」と話しました。
中国側の関係者は、今回の輸出規制について、「対象はレアアースや半導体など幅広い品目に及び、第三国などを通じての輸出も禁じる、厳しい措置になる。日本経済にはかなり影響が出るだろう」と指摘しています。 ただ、中国政府は、具体的な品目や誰に対する輸出が規制されるかを明確にしておらず、北京に駐在する日本政府の関係者は、「今までも、軍事用途であればレアアースの輸出は止めることができた。これまでと大きくは変わらないだろうし、半分、脅しだ」との見方を示しました。
■輸出規制の対象は…「すべての最終ユーザー」
一方、中国政府は、今回、軍民両用品の輸出を規制する対象について、「日本の軍事関係者、軍事用途、及び、日本の軍事力向上につながる、その他すべての最終ユーザー」と発表しています。 ある日中関係筋は、「輸出を管理する税関の現場の担当者からすると、『その他すべての最終ユーザー』というのに誰が当たるか判断できず、結局すべて止めるということになるのではないか」と危機感をあらわにしました。 レアアースや半導体などの輸出が、民間での利用も含めて事実上、すべて影響を受ける可能性もあり、その場合、日本経済への影響もかなり大きくなります。 実際に、中国側がどのように今回の輸出規制を運用していくか、慎重に見極める必要があります。
■中国、日本産原料ダンピング疑いで調査も
──そもそも、なぜ、このタイミングで新たに輸出規制を強化したのでしょうか? ある日中関係筋は、「中国としては高市首相に発言を撤回するための十分な猶予期間を与えたが、撤回に向けた動きがないので、日本が一番嫌がるカードを切ったのだろう」と指摘しました。 高市首相の台湾有事をめぐる発言から7日で2か月となりますが、中国はこの間、政府・メディアが一体となっての高市政権批判を、変わらず続けてきました。 一方で、日本側には歩み寄る姿勢は見られないどころか、高市政権が高い支持率を維持していることにも、中国としてはいら立ちをつのらせているという面もあります。 また、中国商務省は、半導体の製造などに使われる日本産の原料について、不当に安く輸出したダンピングの疑いがあるとして調査に入ったことを発表しました。 ある中国共産党関係者は、「高市政権が倒れるまで圧力を強めるだけだ」とも話していて、日中の緊張関係は、まだ続きそうです。