【Tarzan】腸内細菌を豊かにする方法とは? 発酵食品が腸を元気にするメカニズム。
都市部在住者には、「長寿菌」が少ない?
下のグラフは内藤先生が毎年のように追跡調査をしている長寿地域・京丹後市在住者と京都市内在住者の腸内細菌を比較したもの。前者は短鎖脂肪酸のひとつである酪酸を作り出す酪酸産生菌が多く、後者はいわゆる“日和見菌”の一種、バクテロイデス属が多いことが分かった。 「酪酸は過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞を活性化したり、腸管上皮細胞のエネルギーとなって腸の蠕動運動を促す短鎖脂肪酸です。都会の食生活ではその酪酸を作り出す腸内細菌が失われる傾向があります」
被験者は京丹後および京都市内在住の各51人。京丹後在住者は京都市内在住者に比べて酪酸産生菌が明らかに多く、寿命短縮の可能性のあるプロテオバクテリア門が少なかった。
あの長寿地域でも、現役世代には黄色信号。
そもそも今持っている腸内細菌は母親から譲り受けたもの。 「母親の腸内細菌の多様性が減ると子どもの多様性も減り、その子どもの子ども、つまり孫の腸内細菌の多様性まで減るというデータがあります」 昭和の時代、地方から都市に出てきたお母さん。食生活の変化による腸内細菌の減少が子どもや孫に次々と受け継がれていき、せっかく備わっていた腸内細菌の多様性は失われていく。 ご長寿地域・京丹後でも同様のことが起きているという。草木も生えない荒野になる前に、一刻も早く手を打つべし。
京丹後市の同一家系3世代で腸内細菌叢の多様性を比較。第1世代は祖父母、第2世代は両親、第3世代は孫および子どもに当たる。世代交代のたびに多様性は乏しくなる。
発酵食品が、菌の多様性を守る。
腸活食材の筆頭はヨーグルトなどの発酵食品。でも、そもそも「発酵」って何? 正確に答えられる人はそう多くない。発酵のエキスパートで宮城大学教授の金内誠先生に聞いてみた。 「広義で言うところの発酵は、微生物が糖やタンパク質などを分解してエネルギーを作るすべての工程のことを言います。微生物にとっては自身の生育や増殖に必要なエネルギーを得ることが重要。一方人間の側から見ると、微生物の作用でできる物質が有益なら発酵、無益なら腐敗とみなされます」 つまり、人間がありがたがっている発酵食品は微生物の本来の目的であるエネルギー産生の副産物ということ。