日銀が今後も利上げを続けるとの観測がある中で、日本国内の景気はどうなっていくのか。
2026年度予算案をみると、一般会計の歳出(支出)総額が122・3兆円となった。これはほとんど石破政権の時に決められており、この予算案について高市カラーを見つけるのは難しい。8月末の概算要求時点の歳出は122・4兆円で、ほぼ変わりない。
とはいえ、昨年8月の中期財政試算における国のプライマリー収支(基礎的財政収支)は2・0兆円のマイナスだったが、昨年12月の予算案では1・6兆円のプラスに。1月に公表される国と地方を合わせたプライマリー収支がプラスになることが確実になった。
コロナショックで2020年度にマイナス48・8兆円と落ち込んだが、安倍政権での100兆円コロナ対策をてこに、35年ぶりにプライマリー収支を黒字化するとは、高市首相はもっている。石破政権のものに、税収増を加味しただけだが、いいイメージだ。
これで、高市政権の財政運営は、単に「積極財政」ではなく「責任ある」ものとして疑問の余地はないだろう。
財政規模も適正なので、消費や投資が活発化する「高圧経済」の素地ができた。高圧経済の好循環ができれば経済は大丈夫だ。あとは、日銀が利上げに前のめりにならないようにしっかりと、政府と日銀の間で意思疎通をしなければいけない。政府の積極姿勢と日銀の消極姿勢にちぐはぐ感がある。
ちなみに、植田総裁が就任以降、日銀政策金利と半年後の有効求人倍数の相関係数はマイナス0・87となっている。これは利上げするたびに雇用が悪化していることを示している。本コラムで指摘したが、植田金融政策は高市財政に冷や水をかけている。
このあたりを改善すれば、名目成長4%くらい、賃金もそれと同程度上昇するだろう。インフレ率は2%かそれを少し上回る程度で、実質経済成長率は1%を上回るだろう。その時の失業率は2%半ばである。これはいい経済状況だ。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)