存続危機の平成筑豊鉄道で60年前の気動車再生へ ファンがCF…82歳ベテラン「鉄道で存続してほしい」
60年前に造られ、故障中の気動車(ディーゼルカー)「キハ2004」を再び動かすプロジェクトが第三セクター平成筑豊鉄道(平筑、福岡県福智町)の車両基地で進んでいる。車両整備のベテランや鉄道ファンがクラウドファンディング(CF)で寄付金を募り、かつて基地内で実施していた運転体験イベントの再開を目指す。「経営難で存続が危ぶまれている平筑に明るい話題を届けたい」と意気込む。 ■キハ2004のエンジンを見る前田忠さん。「アナログゆえに扱いがいがある」と目を細める=2025年12月、福岡県福智町【写真】 車両は1966年製で、北海道や茨城県の私鉄で活躍。旧国鉄の車両と同じエンジンを積み、よく似た姿のディーゼルカーは九州も駆け抜けた。現在動かせる状態で残るのは全国で数カ所のみ。平筑基地で動き出せば、九州では唯一になるという。
約10年前、引退を知った地元ファンらが車両を活用して平筑を盛り上げようと「キハ2004号を守る会」を設立。国鉄でディーゼルカーの整備に携わり、平筑の営業部長を6年間務めた前田忠さん(82)が会長に就いた。 基地の線路で運転体験イベントをほぼ毎月開催し、延べ336人が参加。しかし2020年3月以降はコロナ禍の影響で度々中断した上、エンジンオイルに水が混ざるトラブルも起き、23年春からイベントを開催できなくなった。 転機となったのが昨年9月。かつて車両を所有していた「ひたちなか海浜鉄道」(茨城県)から、ほぼ同型のエンジンが届き、修復の見通しが立ったという。 CFは今月13日から開始し、目標額は400万円。守る会に所属する現役の鉄道会社員や自動車整備士が修復を担当する。車両の化粧直しや屋根の補修費にも充てる。5月中の完成を目指す。 平筑は利用者減で経営難が続く。沿線市町村などの法定協議会は路線バス転換も視野に3月までに将来の在り方の結論を出す方針。前田さんは「鉄道で存続してほしい。平筑支援のためにもキハ2004を動かさなければいけない」と語った。(中原岳)
西日本新聞