2026年01月07日 18時00分
インタビュー
2026年01月07日 18時00分
インタビュー
舞台「oasis」で主演を務める丸山隆平さん
2002年に公開された韓国映画「oasis」。社会にうまくなじめない青年ジョンドゥと、脳性まひを患う女性コンジュの純愛を描いた本作は、公開から20年以上を経た今もなお語り継がれる傑作として知られています。
その「oasis」がこのたび、世界で初めて舞台化。脚本・演出を手掛けるのは、「自身が最も愛してやまない映画は『oasis』」と公言する劇団「□字ック」の山田佳奈さん。社会から理解されず孤立してきたふたりが、誰にも気付かれぬまま愛を育んでいく姿を、舞台という“生”の表現でどう立ち上げるのか――。大きな注目が集まっています。
主人公・ジョンドゥを演じるのは丸山隆平さん。名作と向き合う覚悟、この作品への思いなど、丸山さんらしい率直で飾らない言葉で語ってくれました。
――この作品のお話を受けたときのお気持ちを教えてください。
演出家の山田佳奈さんとは、結構長い付き合いなんです。僕のソロ曲「ヒカリ」のMVを撮ってもらったんですよ。それから、「いつか舞台も一緒にやりたいね」というお話をしてたんです。この舞台の原作である映画「oasis」についても「私がすごく大好きな映画があるんだ」って、教えてくれたです。僕は全然チェックしていない映画だったので、山田さんに言われて見たんです。それで次に山田さんに会ったときに「いや、すごいよかった!」って話をしたら「あ、それがなんかできることになって〜」って言われて、「“できることになって”ってどういうこと!?」みたいな(笑)。そのときに「oasis」が舞台化される話を初めて聞いたので、「いいですね! 見に行きたい!」なんて話していたんです。「誰が演じるんやろ? 結構大変な作品だぞ!?」って思っていたんですけど、後日、事務所からオファー頂いたことを聞いて「え、山田さんのoasis!? 何それ〜!?」みたいな(笑)。
――サプライズ的な出演決定だったのですね。
そんな感じで出演が決まったので、ありがたいのはもちろんなんですけど、怖いですよね……名作なので。今までも名作の舞台作品をやらさせてもらっていますが、毎回やっぱり怖いものなんです。どの作品でもそうなんですけど、生半可な覚悟ではできないので身構えてしまいますよね。でも、自分がどういう状態で挑めるかというのは、今から楽しみにしています。演じる機会をいただけて光栄ですし、感謝しています。
――山田さんは「この作品をやるなら丸山さんに託したい」と思われていたそうですね。
彼女は僕のいろんな面を知ってくれているので。話せることも、話せないことも(笑)。そういう間柄の中で僕を選んでくださったというのは、本当に僕が僕であってよかったなと思いますね。主人公のジョンドゥのように、僕の中にも、一種のちょっと病的な“少年性”みたいなものがあると思っているので、演じるうえで何か生かせる部分があれば。小学生ぐらいの気持ちに戻ろうかなと思っています(笑)。
――ジョンドゥについてはどのようなキャラクターだと捉えていますか?
多分、本能のまま動いているところもあるし、素直で優しい一面もあると思うんですけど、それが周囲から間違って捉えられてしまうというか。人のことを考える前に自分が動いちゃうみたいな。それもある種、“個性”なんでしょうけどね。優しい奴なんですけど、素直すぎるゆえに道を踏み間違えてしまうところがあるんです。でもみんな本来そうだと思うんですよ。我慢したり、隠したりしているだけで。
彼のピュアさって、ときどき相手を傷つけてしまうんですよね。僕たちは社会で生きるためにそういったピュアさを抑えているというか、一度どうするか頭で考えて行動しているんですけど、ジョンドゥはそのフィルターを通さずに、世界と向き合っているのだと思います。役者としてこんなふうに俯瞰的に彼を見ているだけでは、まだ全然ダメなんですけどね……。今のところ、彼のことを兄弟のように感じています。すごく愛おしいです。まあ、一緒にいたらうっとうしいでしょうけど(笑)。
――世間からはまったく理解されないジョンドゥとコンジュの恋愛関係については、どう思われますか?
純粋すぎるふたりの中で関係性が成立しているんだったら、周りがとやかく言うことじゃないですよね。僕個人としては、ふたりについてどうこう言うのはやぼなことなのかなと思います。でも第三者から見ると面白くもあり、いろんなことを言いたくなっちゃうんでしょうね。“蜜の味”やから。本当に、「なんで神様はこんな性質で人間を作ったんやろう?」って思ってしまうぐらい、人間って複雑で、どこか浅ましくできているから。
――コンジュ役の菅原小春さんとは共演するうえでどのような関係性を作っていきたいですか?
キービジュアルを撮影したときに、佳奈さんから「もうふたりの関係性ができあがっていてすごく楽しみ」と言ってもらえました。なので佳奈さんに委ねつつ、お互いを信頼して、よいモノに仕上げられたらなと思っています。小春さんと会った瞬間に、ドンッと何か来たんですよ。お互い同じものを感じている気がしました。なんでかわからんけど、着替える前にふたりで踊っちゃったりして(笑)。「前世なんだったんだろうね? ソウルメイトだったの?」って、気が合いすぎて怖いぐらい。でも彼女のほうが体への負担はすごいと思うので、サポートできることがあれば、支えられたらいいなと思います。
――これまで数多くの舞台を経験されていますが、舞台ならではの面白さや醍醐味は、どんなところにあると思いますか?
舞台って“生モノ”なので、お客さんも一種の緊張感みたいなものがあると思うんですよね。役者同士だけじゃなく、お客さんとも緊張感を共有できている気がするんです。劇が始まると、すごく繊細で神聖な空気感に会場が包まれる感じがして。そんなところが舞台の醍醐味なのかな。
「oasis」が舞台化されると情報解禁されたときに、作品の内容を知っている方は「あの話をどうやって舞台化するんやろう?」って思ったと思うんですよ。なので、そこも見どころのひとつじゃないでしょうか。僕もまだ演出を受けてないから、台本を読みながら「このシーンどうするんだろう?」と、楽しみにしています。
――これから稽古が始まり、本番を迎えられますが、舞台期間中の健康管理やルーティンはありますか?
体に関しては仕事が終わったらご飯食べて寝ればいいだけなんですけど、多分、メンタルですよね。「舞台期間中のメンタル、どうなるんやろうな?」というのが、怖いですけど楽しみですね。普通のメンタルでいたらよくない気もするし、自分の心がどんなふうに形を変えるのかは楽しみです。
――舞台期間中、日常生活でもメンタルの変化はあったりされますか?
めっちゃ恥ずかしいんですけど、僕は意外と役に引っ張られているみたいで。「金子差入店」の撮影期間中に行きつけのお店に行ったら「誰かわからんかった」って言われたんです(笑)。そのときに性格検査をしたら、いつもの結果ではなく、役の性格にピッタリの結果が出たんですよ! よく役者さんが「役が抜けなくて……」とか言うじゃないですか? 僕はあまりピンときてなかったんですけど、自分もまさにそうなっちゃいましたね。
1983年11月26日生まれ。京都府出身。「浪花いろは節」(’04年)でCDデビュー。SUPER EIGHTではベースを担当。ソロでの近年の主な出演作は、ドラマ「着飾る恋には理由があって」(’21年)「FOGDOG」(’25年)、映画「泥棒役者」(’17年)「金子差入店」(’25年)アニメ映画「AS ONE/アズワン」(’25年)、ブロードウェイミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(’22年)、舞台「ハザカイキ」(’24年)「浪人街」、「震度3」、「日本対俺2」(全て’25年)など。俳優として映画やドラマ、舞台に数多く出演。親しみやすいキャラクターと軽妙なトークで世代を超えて人気を集め、バラエティーやCM、ラジオでも多才ぶりを発揮している。7月よりスタートしたFM COCOLO「Groove-Method」では、レギュラーDJを務める。また2026年5月には映画「名無し」の公開が控えている。
2026年3月14日(土)~3月30日(月)
会場 東京都 サンシャイン劇場
※3月17日(火)、18日(水)、24日(火)、25日(水)は休演
2026年4月4日(土)~4月12日(日)
会場 大阪府 森ノ宮ピロティホール
※4月6日(月)は休演
2026年4月17日(金)~4月19日(日)
会場 愛知県 東海市芸術劇場
出演
丸山隆平 / 菅原小春
田中俊介 / 岩本えり / 富山えり子 / 中原三千代 / 武藤晃子 /久保貫太郎
池田遼 / 石森美咲 / 上ノ町優仁
深水元基 / 水橋研二
スタッフ
原作:イ・チャンドン
翻訳:みょんふぁ
脚本・演出:山田佳奈
美術:土岐研一
照明:松本大介
音楽:オレノグラフィティ
音響:佐藤こうじ
衣装:牧野純子
ヘアメイク:小林雄美
映像:松澤延拓 / 松本竜一
フィジカルアクティング:大石めぐみ
演出助手:矢本翼子
舞台監督:土居歩
宣伝美術:中野淳二
宣伝写真:加藤アラタ
宣伝:ディップス・プラネット
キャスティング:伊藤尚哉
協力プロデューサー:亀田裕子
制作:北見奈々江 / 松尾由紀 / 須藤タイガ
プロデューサー:仲村和生
企画:□字ック / ナッポス・ユナイテッド
主催:ナッポス・ユナイテッド(東京公演) / サンライズプロモーション大阪(大阪・愛知公演)
舞台「oasis」キービジュアル
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