11月15日に「東京2025デフリンピック」が開幕。聴覚に障害がある人々が世界中から集まるこの大会には、日本代表としてトヨタからも4人のアスリートが出場する。100周年を迎える今回の大会には、どんなドラマが待ち受けているのか? 彼らの言葉から、その想いやデフアスリートのパーソナルに迫りながら、デフリンピックの魅力を紹介する。
~12日間の祭典~東京2025デフリンピック
11月15日、東京体育館、デフリンピック開会式。81の国と地域などから集ったアスリートたちは、音を感じられない、または普通の会話をほぼ聞き取れない(*1)。英語で耳が聞こえない意味の「デフ」リンピックは今年で100周年。1924年にフランスで夏季大会、1949年に冬季大会が始まり、以来おおよそ4年に1度のペースで開催されてきた。100周年を迎える記念大会は東京で初開催。世界各国から3,081名の選手が参加し、そのうち日本は約270名が参加。全21競技で競い合う。大会のトータルサポートメンバーとして協賛するトヨタからも4人のアスリートが熱戦に挑む。開会式では、阿波踊りで迎えるサポーターの間を選手たちが晴れやかな表情で入場。ボルテージが高まるなか、観客もスマホのライトをともして一体感をつくり、祭典の幕開けを彩った。「光のリレー」では、球体や水滴の形をした光を渡して想いをつなぎ、アーティスティックプログラムでは、パフォーマーたちが「100年の1日」と題し、歴史と未来を伸びやかに表現した。デフアスリートの歩みと希望を響かせる今大会。26日までの12日間、選手たちが熱い戦いと感動を繰り広げる「音がない世界」のドラマに注目だ。
*1「補聴器」などを外した状態で、きこえる一番小さな音が55dB(デシベル)を超えており、各国の「ろう者スポーツ協会」に登録されている選手で、記録・出場条件を満たしている人が参加できる。
注目のデフ日本代表、
トヨタアスリートたちの想い
湯上 剛輝(ゆがみ まさてる)/ 円盤投
聴覚障害の差は人それぞれ。
デフへの理解を広げたい
1993年4月14日生まれ、滋賀県出身。トヨタ自動車 パワートレーン統括部勤務。先天性難聴で小学6年のときに人工内耳の手術を受ける。高校時代から円盤投をはじめ、2017年トルコで開催されたデフリンピックで銀メダルを獲得。2025年4月に64m48の日本新記録を樹立。5月のアジア選手権で銀メダルを獲得し、9月の世界陸上では日本勢として18年ぶりに出場した。
男子円盤投の日本記録保持者である湯上剛輝選手は、「聞こえないこと」を強みに、国内外の大会で健聴者と競い、好成績を収めてきた。デフリンピックは音のない世界での戦いになるが、「これまで培ってきたフィジカルや技術では負けない自信がある」と気迫をたぎらせる。前回の2022年ブラジル大会では、コロナ禍により日本選手団が大会途中で出場辞退を余儀なくされた。「銀メダルだった前々回大会のリベンジも含めてかける想いは大きかったので、現地ではやり場のない怒りやもどかしさでいっぱいでした。今度こそ、金メダルを目標に頑張ります」
湯上選手は、小学6年の夏休みに手術で人工内耳をつけ、中学時代に陸上を始めた。円盤投との出会いは中学3年のとき。「学校の倉庫で眠っていた円盤を偶然見つけて投げたところ、きれいに遠くまで飛び、面白そうだ、高校に入ったらやってみようと思いました」
円盤投の魅力は「パワー×技術の追求」だという。「効率よく理想的な投げ方をしても、遠くに飛ぶとは限らない。イレギュラー性が競技の難しさでもあり、面白いところ」。飛距離の数字が、評価やモチベーションに直結する競技だとも分析する。「いい記録が出ない時期は辛くもどかしい。でも、自分が活躍することで喜んでくれる家族やデフの人たちがいるという想いが、競技への原動力になっています」
競技人生で彼のターニングポイントになったのは、恩師たちとの出会いだ。ハンマー投げ選手として「アジアの鉄人」と呼ばれた室伏重信さんからは投てき前のターンの動きを学び、息子である室伏広治さんには競技をする目的や目標を明確にする大切さを教わった。自身の伸び悩みを感じていた2019年には、現在のコーチと一から技術を磨き直した。
シーズン中は海外を拠点にすることが多い。帰国した時は地元・甲賀で練習し、体を支えるための筋力トレーニングにも力を入れる。競技での成功のカギは、心を鎮め、集中すること。「自分の心との対話がうまくいかないと簡単に崩れてしまう。自分自身を客観的に見る余裕を持つことが大切です」
日本で開催される今回のデフリンピックでは大きな想いを抱く。「聴覚障害のある人たち、子どもや親御さんに、夢と希望、勇気と感動を感じてもらえるような選手になることを掲げて競技を続けてきました。今大会は、自分が目指す選手像をかなえるきっかけになると思います」。音のない世界への理解がより広がるために、「健聴者と聴覚障害者、どちらの目線に立ったとしても、それぞれが持つ価値観の押し付け合いになってはいけない」とも話す。「私は重い聴覚障害がありますが、家族や親戚、友人に本当に恵まれていたと感じています。困った時も、周りの人が理解し、助けてくれました。『みんなよりも少し聞こえにくい』という感覚で過ごせていたことも、自分の中では大きかったかもしれませんが、聴覚障害といっても、手話を使う、口話をする、先天性あるいは後天性の難聴があるなど、さまざまな人がいる。そのことを理解し、それぞれの考え方や生き方を尊重することが大切だと思います」
競技を観るポイントについて、湯上選手はこう語る。「私たちデフの選手は、視覚によって情報を得ることが多いですが、それには限界があります。聴覚という情報が失われたときどんなことが起こり、難しさがあるのかを知っていただけたらと思います。円盤投は健聴者と同じルールで行います。音のない、または感じにくい環境で育ってきた選手たちが、世界の舞台で挑戦する姿は、聴覚障害のある人たちにとって大きな希望につながる可能性がありますし、みなさんにもぜひそれを感じていただきたいです」。デフリンピックの円盤投は22、24日に駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場にて。湯上選手の心技体が発揮された投てきの距離に注目したい。
湯上剛輝 トヨタイムズスポーツ コンテンツ
川口 功人(かわぐち こうと)/ 卓球
ガッツあるプレイが信条。
どんなに苦しくても諦めない
1999年9月7日生まれ、神奈川県出身。トヨタ自動車 サービスパーツ物流部勤務。生まれたときから難聴があり、補聴器を使用。横浜市立ろう特別支援学校で卓球を始める。2022年にブラジルで開催されたデフリンピックに初出場し、男子団体で銅メダル獲得。2024年度全国ろうあ者卓球選手権大会では優勝を飾るほか、健聴者の大会にも出場している。
「卓球4種目でメダル獲得を目指します」と力強くいう川口功人選手。デフリンピックは前回2022年ブラジル大会で初出場。男子団体3位、男子ダブルスと混合ダブルスでベスト8の成績を残したが、「シングルスは前回予選敗退で悔しい想いをしたので、今回はしっかり勝ちを積み重ねてメダル獲得へ、団体では自分が日本代表を引っ張り盛り上げたいです」と目標をいう。学生時代から全国ろうあ者選手権ユースの部優勝など輝かしい成績を残してきた川口選手。昨年は全国ろうあ者卓球選手権大会で初優勝を飾り今回のデフリンピックにも弾みをつけている。
そんな彼が卓球と出会ったのは中学1年のとき。入学した横浜市立ろう特別支援学校の部活体験で卓球の魅力に取りつかれた。「ラリーが本当に楽しくて。いまでも長いラリーをして、勝ち切ったときが一番楽しいです。駆け引きのなかで相手の裏をついて点を取ることに魅了されます」
ストロングポイントはガッツのあるフォアハンドだという川口選手は、努力する力も人一倍。「一度決めたことは最後まで貫く性格。どんなに苦しくても最後まで諦めません。弱みをいかに強みに変えていくかを考えています」。だからこそ、耳のハンディをカバーする視覚情報の受け取り方も人一倍だ。「相手の表情の変化や相手のちょっとした体の動きを見て、その後の相手の行動を先読みすることをつねに心掛けています」という。普段はトヨタ自動車卓球部で健聴者と一緒に練習を重ね「インターハイ出場経験がある選手が多いですが、そのなかでも簡単なミスをしないことを意識して取り組んでいます。仲間から技術的なことも教えてもらい吸収しています」と、つねに成長できる環境にいるのが川口選手にとって心地よい。トヨタ社内ではデフリンピック壮行会も開かれ、応援団による激励や仲間から言葉をもらったのがうれしかった。「大好きな卓球を通して、また仲間がいるからこそいろいろな経験をさせてもらっています。本当に感謝しています」
この想いは、今回のデフリンピックでもっと広がるはずだ。「日本開催ということで、多くの方に応援に来ていただける機会だと思います。メダルを獲ってみなさんに喜んでいただくのが一番ですが、耳が聞こえないなかで頑張っている姿を見せたいですし、感動や勇気を与えられるようなプレイを見せたいです」と想いを口にする。競技のなかで特に見てほしいところを聞くと「ガッツあるプレイを見てもらいたいです」という川口選手。「自分は器用ではなく、最後まで泥臭くボールを追いかけているプレイが多いと思いますが、耳が聞こえなくても『そんなにできるんだ』ということを実感していただき、もっともっとデフリンピックを広めたいと思っています。障害のあるなしに関係なく、一人の人間として世の中に関わることが大事だと感じていますし、そのためには、お互いの意思を伝え合い理解を高めることでいい関係を築いていけると思っています。そのいい機会がデフリンピックですので、手話がわからなくても体全体で熱い想いを伝えていただければ自分たちもパワーもらえます!」。デフリンピックの卓球競技は24日まで東京体育館にて。川口選手をはじめ、男女8名が出場する卓球日本代表のドラマを見届けたい。
川口功人 トヨタイムズスポーツ コンテンツ
安田 晃斗(やすだ あきと)/ バレーボール
家族や友人、仲間と喜びを分かち合いたい
1998年11月3日生まれ、岐阜県出身。トヨタ自動車 元町工場勤務。中学1年のときに先輩の誘いでバレーボールを始める。現在のポジションはセッターで愛知県を拠点とするデフバレーボールチーム「愛天翔」のキャプテンを務める。県代表チームでは、全国障害者スポーツ大会で2024年初優勝、25年に2連覇を達成。
「トルコとウクライナに勝ち、メダル獲得へ!」。デフリンピック初出場の安田晃斗選手は、強豪国を見据え、挑むモチベーションをいっそう高めている。「東京での開催は、100年に一度と言ってもいいくらい。さまざまな競技に参加する選手たちを間近に見て、聞こえなくても思い切りプレイできることをみなさんに知っていただけたらうれしいです」
安田選手は生まれつき耳が聞こえず、2歳ごろに手術で人工内耳をつけた。いまの聞こえ方は健聴者とほぼ同じだが、人工内耳を外せば、振動音をわずかに感じるほどだ。そのハンディを越えて、デフ日本代表の座に到達したのはバレーボール。中学1年のとき、先輩からの誘いをきっかけに始め、現在はセッターを務める。強みは丁寧なトスワーク。スパイカーに合わせ、打ちやすいように想いを込めて、ボールを渡す。
バレーボールの魅力は、「ボールを懸命につなぎ、点を取った時や試合に勝った時の喜びを仲間と分かち合えること」。チームプレイなので、コミュニケーションを取ることを大切にしている。「音が聞こえない分、目から得る情報をいかに処理できるかがカギ。チームでは、あらかじめ決めておいたルールを共有し、スムーズにプレイできるよう心がけています」
2024年、日本代表に初めて選ばれた安田選手。チームメイトからデフリンピック代表への挑戦をすすめられ、さらなるステップアップとして選考会に参加したことが、競技人生最大のターニングポイントだったという。周囲への感謝も忘れない。「競技を続けてこられたのは、いろいろな方がいてくださったから。家族や友人の支えが一番大きいと感じています」。普段の会話では、相手の口の動きを見て、伝えたい言葉を読み取る力を磨いてきた。「聞こえないだけでなく、なかには体に障害がある方もいます。学校の授業などで、そうした人たちの存在や、ともに関わり合うことを知ってもらえたら、音のない世界をもっと多くの人たちに理解していただけると思います」
「プレイ中、応援メッセ―ジが書かれたうちわやバルーンを振っていただければ、目で見て分かりやすく、元気がでます!」と安田選手。トヨタ社内のデフリンピック壮行会では、所属する車体部カーボン課の全員が熱いエールを送った。「頑張れよ!」「応援に行くからな!」。たくさんの励ましを受け、「感謝の気持ちを忘れずプレイしたい」と笑顔を見せる。「音のない世界で戦う僕たちがどのようなコミュニケーションを取っているのか、点を取った時はどのようにしているのか見ていただければ、より楽しく観戦できると思います。音が聞こえなくても楽しく、感動と勇気を届けられるようなプレイをしますので、ぜひ注目してください!」。男子バレーボールは25日まで駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開催中。チームの躍動に貢献する活躍の舞台が待っている。
安田晃斗 トヨタイムズスポーツ コンテンツ
加藤 亮太(かとう りょうた)/ バスケットボール
耳が聞こえにくい子どもたちに勇気と感動を
1997年7月19日生まれ、埼玉県出身。トヨタ自動車 本社工場勤務。小学1年のときに姉の影響でバスケットボールを始める。現在のポジションはスモールフォワードで愛知県を拠点とするチーム「狼王」で活躍中。健聴者も参加できる全国デフバスケットボール大会(通称ミミリーグ)で2023年3位、24年4位に輝く。
「日本にデフリンピックバスケで初のメダルを」と気持ちを込める加藤亮太選手は、今回がデフリンピック初出場。「夢に描いたデフリンピックという大きな舞台に立てるのは、まわりの支えがあってこそ。感謝の気持ちを忘れずに全力で頑張りたいです」と、応援してくれる人がいるからこそ頑張れていることを口にする。
加藤選手は、生まれて間もなく病気で耳が聞こえなくなった。補聴器を着用すると音は聞こえるが発音は聞き取れないため、口の動きで人の言葉を読み取ってきた。そんな加藤選手がバスケットボールを始めたのは小学1年のとき。「子どもの頃から厳しい指導者のもとでバスケットボールをやってきました。何度も怒られたり、逃げ出したくなったりすることもたくさんありました。ただ、シュートが決まった瞬間の爽快感やチームメイトと協力して一体感を生むことができるバスケットボールは何事にも代えられません。なので練習は一度も休みませんでした」という。
自身のプレイの強みは「ドリブルで相手を抜く1on1や速攻」。そしてバスケットボールはチームプレイが肝になる競技なので、「音が聞こえない分、目で見て情報を得るサインやアイコンタクトを使ってプレイをしています。まわりを注意深く見ることは特に大切です。そして、チーム全員が共有認識できるように練習を積み重ねることが大切だと考えています」とコミュニケーション力も日々磨いている。「自分なりのコミュニケーションの取り方のコツは、相手を知ることから始めて積極的にコミュニケーションを取ること。これにより自分にとって新たな気づきが生まれ、人生も豊かになっていると思います」とバスケットボールを通して人生にもいろどりが生まれていく。
今回のデフリンピックで加藤選手はある想いを持っている。それは、「耳が聞こえにくい子どもたちに勇気と感動を与える存在になる」こと。自身もまわりからいっぱい支えられてきた。「社内の壮行会で仕事の仲間たちがサインエールをしてくれて。目で伝わる応援だったので熱い気持ちが届いて本当にうれしかったです。試合中も手話や身ぶりで『頑張れ!』『大丈夫!』と応援してもらえると、目に見えて熱い気持ちが伝わるので力になります。試合中は手話がメインのため静寂な雰囲気もありますが、そのなかで笑顔が飛び交っているところにも注目してほしいです。試合を通してデフリンピックならではの一体感を感じられるはずなので、応援よろしくお願いします!」。男子バスケットボールは25日まで大田区総合体育館で開催中。彼らの雄姿を目に焼き付けたい。
加藤亮太 トヨタイムズスポーツ コンテンツ
トヨタアスリート出場の
競技日程
| 11月 ●:予選等 :メダル決定日 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 競技 | 14 金 | 15 土 | 16 日 | 17 月 | 18 火 | 19 水 | 20 木 | 21 金 | 22 土 | 23 日 | 24 月 | 25 火 | 26 水 | |
| 開会式・閉会式 | ★ | ★ | ||||||||||||
| 円盤投 (湯上選手) |
● | |||||||||||||
| 卓球 (川口選手) |
● | ● | ||||||||||||
| バレーボール (安田選手) |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
| バスケットボール (加藤選手) |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 陸上競技 | ||||||||||||||
| バドミントン | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| ビーチバレーボール | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| ボウリング | ● | ● | ||||||||||||
| 自転車競技 ロード |
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| サッカー | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
| ゴルフ | ● | ● | ||||||||||||
| ハンドボール | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 柔道 | ||||||||||||||
| 空手 | ||||||||||||||
| 自転車競技 マウンテンバイク |
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| オリエンテーリング | ||||||||||||||
| 射撃 | ||||||||||||||
| 水泳 | ||||||||||||||
| テコンドー | ||||||||||||||
| テニス | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| レスリング フリースタイル |
● | |||||||||||||
| レスリング グレコローマン |
● | |||||||||||||
デフリンピックは応援も熱い
スポーツで熱くなるのはアスリートだけではない。応援する者たちも熱くなり、その熱がアスリートの心に届き力になる。それはデフリンピックも同じだ。デフスポーツでの応援の基本は、音にたよらない応援「サインエール」。目で世界をとらえる人々の身体感覚と日本の手話をベースにしたものだ。
11月16日、バレーボール男子予選でもサインエールが選手たちに届けられた。この日は日本の初戦となるイタリア戦。トヨタアスリートの安田晃斗選手も出場した試合には同僚のトヨタ社員もたくさん詰めかけサインエールを送る。サインエールの基本形は「行け!」「大丈夫、勝つ!」「メダルをつかみ取れ」。そのエールを送る姿は「きこえない」「きこえる」とわず心に響く。エールを送る観客の笑顔と、受け取るアスリートの笑顔もふくめ、一体感を実感する瞬間だ。
そして、デフリンピックのサポートは競技外でもおこなわれている。トヨタは、開会式の演出もサポート。自然や環境に配慮したトヨタの燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」から水素給電をおこない、華麗な演出を支えた。
また、デフリンピックの開催期間に開設される「デフリンピックスクエア」(国立オリンピック記念青少年総合センター)では、デフスポーツやろう者の文化への理解を深めるコンテンツやプログラムもある。ここでもトヨタは、当事者の立場に立ってみるブースを開設。デフサッカーや視覚障害サッカーのPK体験ができる「まぜこぜウォーキングフットボールPK」や3輪の小型モビリティ「C+walk T(シーウォーク・ティー)」などに乗ることができる「モビリティパーク」を展開し、デフスポーツや障害への理解の未来につながる活動をしている。
デフアスリートだけでなく、応援やサポートする者たちの想いもつまっているデフリンピック。26日に閉会式を迎えるまでに、どのようなドラマが待っているのか。
トヨタアスリートたちのこれまでの人生の想いも詰まったプレイは見ているだけで観客の心を打つ。彼らの活躍が、デフスポーツやろう文化の世界を広げ、また理解を広げていく。
今大会を通じて、デフリンピックに新たにどのような価値が生まれてくるのか。その当事者のトヨタアスリートの活躍、そして、この先に待つ新たなデフスポーツのカタチにも注目だ。