(cache)写真家・七種諭が表現したもの | Numero TOKYO
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写真家・七種諭が表現したもの

2021年9月、モード界で世界的に活躍する日本人ファッションフォトグラファーの草分け的存在、七種諭の訃報が届いた。仲間たちのメッセージとともに感謝を込めて彼の功績を振り返る。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年1・2月号掲載)

七種諭の偉業を讃えて

Numéro TOKYO編集長 田中杏子

「モードの世界に身を置いたことがある人なら、またファッションフォトに魅了されたことがある人なら誰もが知り、誇りに感じ、憧れた人でした。今ほど多様性がうたわれていなかった80〜90年代の彼の地パリで、西洋人でもネイティブフレンチスピーカーでもないのに、才能さえあればファッションフォトグラファーとして生計を立てられるのだと証明した唯一無二の人でした。常に優しい眼差しで、誰に対してもフラットで、それでいて絵作りに関してのこだわりは世界レベル。世界の壁と戦ってきたクオリティとはこういうことなのだ、と多くを学ばせていただきました。
ファッションフォトのみならず写真家としても表現の場を広げ、パリではギャラリー経営も行い、芸術というフィールドで絵を描く作家としても新たなステージを広げようとしているところだったので、とても残念です。Satoshiさんを思い、羨望と尊敬の念を抱いた人はたくさんいらっしゃいます。ここでは一部の方からのお言葉しか掲載できませんでしたが、どれだけ愛され、惜しまれ、去ったのかは感じてもらえると思います。Satoshiさんの功績は、私たち世代はもちろんのことこれからのクリエイターへも受け継がれていくと思います。Satoshiさん、ありがとうございました」

※Numero.jpでも個人的な追悼記事を書かせていただきました。こちらもご一読ください。

『Numéro TOKYO』2020年7・8月合併号 Photos:Satoshi Saikusa Fashion Direction:Ako Tanaka Hair:Taku Makeup:Kouta Edit:Midori Oiwa, Shiori Kajiyama
『Numéro TOKYO』2020年7・8月合併号 Photos:Satoshi Saikusa Fashion Direction:Ako Tanaka Hair:Taku Makeup:Kouta Edit:Midori Oiwa, Shiori Kajiyama

すべてを表現しない写真、語りかける写真

七種諭インタビューより

1984年、24歳でパリに渡った七種諭。外国人として自由な体験を求めて、フランス文化、特にアートとモードが好きでパリへ渡った。当初はヘアメイクとして活躍、好きで撮り始めていた写真が知り合いのエージェントの目に留まり、86年からフォトグラファーとしての道を歩むことに。

「当時、写真が自分の仕事になるとはあまり考えていませんでした。もちろん(リチャード・)アヴェドンやアーヴィング・ペンを崇拝していましたが、写真よりは絵画が私自身のクリエイティビティを刺激していました。イメージを通じて美をどのように捉えるのか、写真をそんな観点で見ていたと思います。フォトグラファーになるというのが最初の目的ではありませんでした。最初、帽子を撮影したシリーズを作り、それをあるフォトエージェントが見て、『興味深いね』と言ってくれて。それからプロのフォトグラファーとしてのキャリアがスタートしました。とても自然な形で仕事が始まったといえます」

その後、故フランカ・ソッツァーニに見いだされ、イタリア版『Vogue』の表紙を飾ることに。

「もちろんフランカは(ピーター・)リンドバーグ、(スティーヴン・)マイゼルなど大物フォトグラファーを採用しましたが、2人の若いフォトグラファー、ヤン・トーマスと私にも仕事を与えてくれました。多くの人が多くのチャンスをくれたんです」

(写真左)『Numéro TOKYO』2017年3月号 Photo:Satoshi Saikusa Fashion Direction:Ako Tanaka Hair:Kenichi Makeup:Yusuke Saeki Edit:Yukino Takakura, Nozomi Urushibara
(右)『Numéro TOKYO』2020年6月号 Photo:Satoshi Saikusa Stylist:Samuel Francois Hair:Akemi Kishida Makeup:Lloyd Simmonds Model:Clara Deshayes Edit:Midori Oiwa

当時の彼のクリエイティビティの秘密を覗いてみると、イメージの詰まったノートがあった。

「何かアイデアがあるとそれを(ノートに)描きます。モデルのポーズだったり、ヘアメイク、スタイリングのアイデアだったり。あと6ページ立てのストーリーを描きます。当時、ノートを作ることはとても大切で、自分自身に確信を持てなかったのと、イメージに集中するためにも必要でした」

類まれなセンスはもちろんのこと、そのようにして一つ一つを積み重ねた結果が彼のキャリアとなった。彼にとってファッションフォトグラファーとは、そして日本人の表現者として何か思うところはあったのだろうか。

『Numéro TOKYO』2016年4月号 Photo:Satoshi Saikusa Fashion Direction:Ako Tanaka  Hair:Kenichi  Makeup:Yusuke Saeki Edit:Yukino Takakura, Nozomi Urushibara
『Numéro TOKYO』2016年4月号 Photo:Satoshi Saikusa Fashion Direction:Ako Tanaka Hair:Kenichi Makeup:Yusuke Saeki Edit:Yukino Takakura, Nozomi Urushibara

「良いモードフォトグラファーというのは時代を映す人です。ルポルタージュの要素もあり、モードは経済、文化など多くのことを映すものです」「自分の作品がとても日本的だと思うことはありませんが、多くの人がそう言うのも事実です。日本ではすべてを表現しません。そして、相手が言いたいことを理解しようとします。(私の写真の中では)すべてを表現しておらず、でもよく見ると何か語りかけるものがあるのかもしれません」

誰もが写真を撮ることのできる現在、こんな言葉も残している。

「写真を撮ることはいいことだと思います。シャッターを押すのはすごく簡単。私たちには繊細なところがあり、多くの迷いもあると思いますが、何はともあれやってみるべきです」

※インタビューは『L’Œil de la Photographie』(2015年)より抜粋。Translation:Hiroyuki Morita

AMBER VALETTA W MAGAZINE 1995  Photo:Satoshi Saikusa
AMBER VALETTA W MAGAZINE 1995  Photo:Satoshi Saikusa

TEN MAGAZINE  Photo:Satoshi Saikusa
TEN MAGAZINE  Photo:Satoshi Saikusa

野口強

スタイリスト

「スタイリストの仕事を始める前から憧れだった大先輩の諭さん。海外で活躍する日本人フォトグラファーの第一人者で、自分が目にしていた諭さんの写真もすべて洋雑誌でした。当時(80年代半ば)パリで日本人がフォトグラファーとして活躍するには大変な苦労もあったと思います。初めてお見かけした頃はとっつきにくい人だなと思ったりもしたけれど、一緒に仕事をするようになってからは優しくて楽しい人だなと印象が変わりました。
諭さんの写真の魅力はというと、やっぱり『色気』。性別関係なく、何とも言えない色気を出す“サイクサ・マジック”があって、国内のフォトグラファーとはどこか違う着眼点、構図やアングルにも大胆さがありました。ファッション誌の撮影って面白いなと思わせてくれたのも諭さんです。そして何といっても勉強になったのが、納得がいくものを撮るまであきらめないという姿勢。普通なら時間を気にしてしまいますが、諭さんはこっちがドキドキするくらいギリギリまで粘る。自分はあきらめが早いなと反省しましたね。諭さんにしか出せない独特の空気感が感じられる撮影現場も好きでした。まだ実感が湧かないのですが……、とにかくゆっくり休んでくださいと伝えたいです」

成山明光

「成山画廊」主宰

「七種諭さんは成山画廊で仕事以外の作品を発表なさいました。人生の空しさを表すバニタス画を解釈したシリーズで、大変美しく、緻密な構成で伝わる事柄が多い、陶酔できる作品です。亡くなって間もなく京都で会った尸(し)と重なってしまって、私には直視できない強烈なイメージに変わりました。旅立ちは七種さんらしい潔さですが、悲しくてまだ言葉になりません」

INTERVIEW MAGAZINE   Photo:Satoshi Saikusa
INTERVIEW MAGAZINE  Photo:Satoshi Saikusa

祐真朋樹

スタイリスト

「諭さんとは30年前、パリで何かのパーティで出会い、カッコいい人だなと思いました。その1年後、パリで日本のブランドのカタログ撮影をご一緒することに。その仕事で僕は『ファッション撮影って面白いな!』と開眼しました」

高橋盾

「アンダーカバー」デザイナー

「いつも優しく物腰柔らかに話してくれた諭さん。パリに行くたびに訪れていた諭さんのギャラリーは、とても美しく同時に心地いい闇を感じさせてくれる、私好みの場所でした。その雰囲気とオーラは諭さんからもひしひしと伝わってきました。再び逢うときにはまた私の作品を見てくださいね。再会を心から楽しみにしています」

北村信彦

「ヒステリックグラマー」デザイナー

「諭くんとは、諭くんがパリでギャラリーを始めた頃、当時ラットホールギャラリーを運営していた僕を訪ねて相談を受けてから深いお付き合いをさせていただきました。お互いの共通の友人のバーやイベントで、酒のつまみ代わりにアートや写真論を夜遅くまで語り合ったりしていました。お互い個性的な作家を好んでいましたから、ためになる情報交換ができました。普段パリと東京で住む場所が違っていたので、次に会うときはこの情報を伝えようとか、どうしてるかな? いま何にハマっているのかな? などと勝手に想像していました。僕の人生の中でも1、2を争うイケメンのお兄さん。その諭くんともう会話ができないことにすごく悲しみを感じています。美人薄命……。正に諭くんにふさわしい言葉だなと実感しています」

KATE MOSS W MAGAZINE 1993  Photo:Satoshi Saikusa
KATE MOSS W MAGAZINE 1993  Photo:Satoshi Saikusa

水谷美香

ファッションディレクター

「Satoshiと出会ったのはパリのサンジェルマン教会の前のカフェテラス、もう30年以上も遠い昔のことです。その当時、日本からパリにヘアスタイリストとして渡仏したばかりの彼と、帽子マニアだった駆け出しのスタイリストの私がいわゆるフォトグラファーのテスト撮影をして、ファッションとルポルタージュをミックスした忘れられない10枚の帽子のストーリーを作った。二人で現像し、プリントしたその写真がのちにイタリア版『Vogue』の編集長となるフランカ・ソッツァーニの目に留まり、Satoshiはヘアスタイリストをやめ、本格的にカメラマンとしての道を歩くようになる。
子どもっぽい発想をグラフィカルに落とし込んだ作品は、フレームを大きくはみ出す斬新なものとなり、日本人のフォトグラファーで初めてイタリア版『Vogue』の表紙を飾るに至った。
今のようにインターネットもファックスもましてやWi-Fiもなかった頃で、手探りでアイデアを探し、それをぶつけながら共に成長してきた同志であった。彼の持つシュールな世界観に惹かれたのは私だけではないはずだ。数少ない絶対センスを持ち合わせた、追い越せない永遠のライバルです。今までも。これからも」

Vanitas3 Fresson ©Satoshi Saikusa
Vanitas3 Fresson ©Satoshi Saikusa

SHINMEI

フォトグラファー

「Satoshiさんの作品撮りに入らせていただいたのが、最初の出会いでした。撮影スタジオのスタッフだった当時、僕なりに組んだセットに対してSatoshiさんは調整を加えず、そのまま撮影を開始しました。そのことに対してすごく動揺したのも束の間、1枚目がモニターに映し出された瞬間、僕はSatoshiさんの虜になりました。ライティングは絶対的な要素ではなく、撮る人によってこうも違うのかと圧倒されました。シャッターを切るしぐさや創り出す現場の空気感、話し方など、その所作のすべてが優雅で、一気に魅了されました。
今、日々の仕事の中でSatoshiさんにかけられた言葉の真意に触れることが多々あります。これからもその言葉の答えを見つけられるように頑張っていきます。本当にありがとうございました」

WATARU

フォトグラファー

「憧れのSatoshiさんが急に、本当に急に逝ってしまいました……。まだ信じられないし、もっと写真を、特に僕は絵の続きを見たかったです(最後に会ったのはコロナ前のパリでの個展で、1点以外すべて絵でした)。まだまだたくさん作りたいものがあっただろうし、子どもたちの成長も見たかっただろうし……。残念でなりません。でも、僕たち世代や子どもたち、多くの人がSatoshiさんが創り出した世界観に何かを感じて憧れ続け、作品を見るたびにSatoshiさんを想い、前向きな気持ちにしてくれると思います。今までありがとうございました」

© Satoshi Saikusa
© Satoshi Saikusa

志賀玲子

「資生堂」アートディレクター

「尊敬する世界的なクリエイターでありながら、優しい親戚のお兄さんのような存在で、パリや東京で、飲んで笑って、いつも楽しい時間をつくってくれました。仕事では、さまざまな意向を汲みながらも妥協はせず、全てのスタッフの力を生かす心配りをされていました。そしてその写真はセクシーで品があり、細部まで美が宿り、シンプルで力強く、女性の新しい魅力を引き出していました。諭さんは、被写体だけでなく、あらゆる人と心の距離を近づける才能と魅力に富んでいました。そうして、お客さまの心と、資生堂の広告史に残るものをたくさん撮ってくださいました。
エスプリが効いてしなやかで優しい、みんなが大好きな諭さん。ただ、私は、また、諭さんにお会いしたかったのです。ありがとう、諭さん。諭さんや諭さんのご家族と出会えたことは、私にとって一生の宝物です」

七種諭。自身がパリのサンジェルマン・デ・プレにオープンしたギャラリー「Da-End」にて。 Photo:Takeshi Miyamoto
七種諭。自身がパリのサンジェルマン・デ・プレにオープンしたギャラリー「Da-End」にて。 Photo:Takeshi Miyamoto

安珠

写真家

「冬のパリのカフェ。彼がまだヘアメイクでわたしがモデルの頃の会話。Satoshiは言う。『安珠は地球の中心で回ってるって思うけど、俺はさ、地球のまわりを飛んでいる塵みたいなもんだなって思うんだよ』。『それって時間の話? Satoshiもわたしも自分の中に宇宙があるんじゃないの?』と言うと、彼はヴァンショーを吹き出して『やっぱり安珠は地球の中心で回ってる!』と、あのとき、ふたりで笑ったけれど。Satoshiの中に無限の宇宙がある。だって、作品を見ればわかるもの」

No-Zarashi Ⅰ 2017 ©Satoshi Saikusa
No-Zarashi Ⅰ 2017 ©Satoshi Saikusa

MICHIRU

メイクアップアーティスト

「七種さんとは、長きにわたりジルスチュアートのヴィジュアルイメージ作りに関わらせていただきました。七種さんが撮るとジルのスウィートな世界観の中にも洗練された美しさが宿るから不思議。撮影の現場はそれぞれが切磋琢磨して決して妥協しない。ヘアメイクの深い部分も知っているからこそ一緒にビューティの細かい部分も共有しながら、より良いものを作り上げていくその過程は、クリエイティビティの真髄を見るような素晴らしい時間でした。
メイクルームに来ては他愛のないおしゃべりをしたり、リラックスしているそんな時間でさえもモデルの表情を見ていたりコミュニケーションを大切にしていて、プロフェッショナルな一面と穏やかな優しさをいつも感じてました。学生時代に憧れだった人とこうして一緒に仕事ができるなんて夢のようで、私のメイク人生の忘れられない大切な宝物となっています。たくさんの功績をありがとうございました。どうか安らかに。ご冥福をお祈りします」

TAKU

ヘアスタイリスト

「諭。僕はある意味、この方に諭されたと思っています。2000年頃、パリのPin-Upスタジオで初めて仕事でお会いしました。初対面にもかかわらず撮影後、僕のキャリアについていろいろ相談に乗ってくださいました。僕がベースを東京に移した後、仕事や食事で同席するたび、彼のセンスに魅了されてきました。仕事、立ち居振る舞い、しぐさ、洋服の着こなし、そんなところからも諭された気分になったのです。
拓。この字の意味に恥じない生き方をと、身を引き締める思いです。Satoshiさん、ありがとうございました!!」

Edit:Sayaka Ito

Profile

七種諭 Satoshi Saikusa 1984年に渡仏。以来Vogue、Numéro、i-D、Harper's Bazaarといった最先端のファッション雑誌とコラボレーションを続ける。また、資生堂など数々の広告撮影にも携わる。モニカ・ヴェルッチやソフィア・コッポラ、ルイーズ・ブルジョワらのポートレイトを手がけ、アーティストやセレブリティの間でも評価が高い。2010年にはパリにギャラリー「Da-End」をオープン。自らもアーティストとして東京・成山画廊などにて個展を開催、ギャラリストとしてアートフェアに出展など活動は多岐にわたる。享年62歳。
 
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【デニム探訪 vol.2】すべての女性が理想の一本に出会えるデニムブランド「Tu es mon Tresor」

あまたあるデニムの中から卓越した技術や作り手の思いがこもった一本を深堀りする新シリーズ「デニム探訪」がスタート。第二回は、Tu es mon Tresor(トゥ エ モン トレゾア)のデニムにフィーチャー。

Tu es mon Tresor(トゥ エ モン トレゾア)のデニムを読み解く

時代を超えて長く愛用され続ける、パーマネントな定番を目指し、ブランド設立10年、2020年に女性のためのデニムブランドとしてリスタートした新生「トゥ エ モン トレゾア」。デザイナー佐原愛美による、女性の体に向き合ったフェミニンなデニムのこだわりを徹底リサーチ。

The Emerald Jean 3year ¥40,700
The Emerald Jean 3year ¥40,700

王道ストレートデニムの機能とデザインを現代風に解釈

一番人気のモデル、エメラルドは、コットン100%のいわゆる501のようなストレートシルエットのボーイフレンドデニムを現代女性に向けてアップデートしました。ハイウエストでヒップにフィットしながらもゆったりとしたシルエットが特徴。シンチバックでウエストの微調整も可能です。

もう一つがカーネリアン。いわゆるマリリン・モンローがはいていたような、女性のために作られた初のデニム701に近いシルエットで、股上深めのハイウエストに、こちらもシンチバックを付けました。ウエストバンドも直線のクラシックな形をアレンジしています。

The Carnelian Jean 3year ¥41,800
The Carnelian Jean 3year ¥41,800

深めにロールアップするのを前提にしたデザインで、ちょうどいいバランスで折れるように折り目にステッチが入っています。自分で折ると幅の加減が難しかったり、左右で微妙に高さが違ったりしますが、お好みで調整する時もステッチを基準にすれば折りやすいです。

ヴィンテージのディテールを盛り込んだスペシャルピース

The Diamond Jean ¥148,500
The Diamond Jean ¥148,500

ブランドをリローンチする前からのモデルで、40年代のヴィンテージ織機で織った生地を使い、当時の製法にかなり近い手法でコットンステッチやセルヴィッジを使っていたり、本格的な501のディテールを盛り込んでいます。エメラルドがモダンな解釈を加えているのに対し、全体的にオールド感があり、アタリや刺繍など人の手が入ったスペシャルな一本です。生地は厚めの13.5オンスですが、ジンバブエコットンなので柔らかくフワッとした風合いが特徴です。糸の毛羽が均一でないために白く出ているのが味わいになっています。

大人がはけるストレスフリーなタイプ別ストレッチ

一般的にストレッチデニムは若い体に合うようにできているものが多くて、年齢とともに変化する体に合うような、自分がはきたいと思えるストレッチがないと感じていたことから、大人でもはける、エレガントさを意識しました。トレゾアのストレッチデニムはできるだけ長くはいて欲しいから、化学繊維の割合を少なくして、伸縮性を持続させ、コットンデニムに近いような見た目の生地を使用しています。また、尾錠の調整がない分、女性の腰やお腹周りの曲線的なボディラインに沿うように、滑らかなカーブベルトにして、腰回りのラインを美しく見せる仕様にしました。

(写真左)The Amethyst Jean 3year ¥41,800、(右)The Ruby Jean 7year ¥38,500
ミッドウエストのスリムフィットで裾はややフレア、センターラインが入っているのが特徴のアメジスト。トレゾアでは、いちばんスキニーなフィット感のルビー。アメジストと同素材ですが、少し厚めのオンスなので、いかにもストレッチデニムという印象ではありません。生地の表面に起毛しているような加工を施し、滑らかで柔らかい肌あたりと馴染みやすさに仕上げました。そのまま寝てしまうほど家でもずっとはいていられる快適さです。

(写真左)The Rose Quartz Jean 7year ¥38,500、(右) The Sapphire Jean Black 1year ¥39,600
細身のスリムストレートで股上深めのハイウエストのサファイアは、気になるお腹が収まるようにできていて、さらにラインを拾いたくない、ヒップや太もも周りには丸くふくらみのあるパターンを最初から作り、少しゆとりを持たせました。身長が低めの人でもすっきりはける、スリムすぎず太すぎずのシルエット。裾にかけて気持ちフレア気味のローズクオーツはクロップ丈と膝部分を少し絞っているため脚長効果もあります。

蒸し暑い夏でもゆったり快適なはき心地のサマーデニム

(写真左)The Lapis Lazuli Jean Flax 3year ¥41,800、(右)The Coral Jean Short Solid 7year ¥31,900

ワイドストレートで、丈も長めのラピスラズリ。全体的に丈が短かめだったファーストコレクションに対して、ゆったりダボっとはきたい人向け。ワイドなのにごわつかず、柔らかな風合いのオーガニックコットンの生地は10オンスと薄く軽い仕上がり。蒸し暑い夏にもサラッと着用できます。そして、膝が隠れるハーフパンツのターコイズと、さらにショート丈のコーラル。ともに腰回りはゆったりフィットで楽ちんな上に涼しい。極端なヒゲやスリを入れずに、色落ちのアタリ加工のみでクリーンに仕上げているので、元気すぎず大人もきれいにはけます。

【インタビュー】

女性ならではの解釈で、女性の体と感性に寄り添うデニムを深く追求する

──これまでのブランドから、新たにデニムブランドとしてリローンチしようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

「年4回レディ・トゥ・ウエアのコレクションを発表していく中で、5シーズン目ぐらいから、自分がやりたい方向性とは違うと感じるようになってきました。その頃も自分なりにすぐに古くなってしまうサイクルの速いものは作らないようにと、もともとミリタリージャケットなど時代に左右されないものに、シーズンの役割として、その時の気分やメッセージを載せて、時代をどう捉えるかを考えながら作っていました。でも、どうしても大量生産、大量消費の考え方やシステムに違和感を覚え、自分が謳ってきたことやもともとやりたかったものと矛盾が生じてきました。このスタイルで続けていくことに疑問と葛藤が生まれ、立ち返ったんです」

──自分のスタイルと、ファッション業界のシステムにギャップを感じてしまったんですね。立ち返るにあたり、デニムをテーマにしたのはなぜ?

「ファッションに興味を持ったきかっけは、母のクローゼットにあったブランドものの、もの作りの素晴らしさへの憧れでした。母が若い頃、着ていたであろうカシミアのポンチョや籐のかごバッグなどが大切そうにしまってあり、その特別なものの持つ丁寧な作りや色褪せない美しさに惹かれたんです。まだ幼かったけれど、90年代に流行ったブランドロゴを全面に主張するデザインより、母のクローゼットの中の、60〜70年代のシルクのブラウスやトレンチコートといったクラシックなものを素敵だなと感じていました。それ以来、ファッションに目覚めて、母のセリーヌのブラウスを着られる日を夢見て、早く大きくなりたいと楽しみにしていたのを覚えています。

そういう原体験があったので、パーマネントないいものを作りたいという思いは強くありました。日本で作れるいいものを考えると、ヨーロッパやパリのアトリエで培われた文化ではなく、日本が育んだ歴史あるものがいい。デニムなら世界で通用するハイクオリティなものが作れる確信があり、デニム一本でやっていこうと決めました。それからトゥ エ モン トレゾア(以下トレゾア)でデニムを作ることは、どういうことかを考えました。これまではデニムが持つワークウェアという無骨で粗野なイメージを、刺繍を加えることでフェミニンにしていくことにやりがいを感じていました。でも時代とともにデニム=男性的、パール=フェミニンという考え方自体がずれてきたこともあって、違うアプローチでデニムをフェミニンにできるのではないかと思うようになったんです」

加工の加減で、1year、3year、7year、ワンウォッシュのトーンを展開。ノンウォッシュは色落ちしてバッグに色移りするので、トレゾアではワンウォッシュが一番濃いインディゴだとか。
加工の加減で、1year、3year、7year、ワンウォッシュのトーンを展開。ノンウォッシュは色落ちしてバッグに色移りするので、トレゾアではワンウォッシュが一番濃いインディゴだとか。

──ではどうやってデニムをフェミニンなものへと変化させたんでしょう?

「女性ならではの解釈で、女性の体を考えた機能に寄り添うことを深く追求することにしました。女性の体を見ていくと、私の友人もそうでしたが、出産の前と後ではヒップ周りの印象がまったく違うこともあるので、段階的にヒップラインのパターンを出したほうがいいとか、どうすれば足をきれいにバランスよく見せられるかを検証して、膝を絞ってクロップト丈にして裾を少しフレアに広げることで、スタイルよく見せる効果があるとか。女性がどうはきたいかを考えながら作っています」

──形やデザインはどのように決めてコレクションに落とし込んでいくのですか? 単純に好みの形なのか、押さえておくべきオーセンティックな型を再解釈するのか。ひと口にデニムといってもトレンドによっても変化しますよね。

「デニムをリローンチすると決めてから、まず第一に、時代を超えて長く着られるもの、パーマネントなものを作りたいという思いがあったので、一番定番となる軸を考えました。それは、ボーイフレンドタイプなど自分のワードローブに必要な形、自分でははいてこなかったスキニーも、どういうスキニーなら自分も欲しいか、世の中の女性のワードローブに必要だと思える流行り廃りがないものは何か。

例えば、フレアやロールアップが流行ると、わざとらしく強調したデザインが多いと思うのですが、私の場合は、最初にコレクションを見せた時、全然差がないじゃないかって言われるくらい、一見しただけではわからない些細な違いで作っています。構想から数えると開発して数年経ちますが、これだから古いとか、これは2年前のデザインだとか、そうならないものを考えています。例えば、私にとってのエルメスのスカーフのように、流行など関係なく欲しいもの、永遠に定番として持っていたいものかどうかが基準です」

身近でリアルな人のためのプロダクトとしてのデニム

──自分のデニムをはく人を想像しながら作るということもあったりしますか?

「確かに、より身近な人や、街を歩いているリアルな人をモデルに考えることが多くなりました。以前はテーマやコンセプト、世界観を優先し、クリエイション重視のもの作りをしていた部分もありましたが、今はどちらかというとプロダクトや機能的な日用品を作る感覚に近いかもしれません。もともと民藝運動の考え方には感銘を受け、そういうもの作りが好きなので、必要不可欠なもの、生活や人に寄り添うものと考えると、デコラティブである必要性がどんどんなくなっていき、必要最低限の要素だけを残していくように変化していきました」

──必要最低限として残した要素、不要で削ぎ落とした要素とは?

「ヴィンテージのデニムを象徴するボタンフライですが、そこにこだわる理由が見つからなかったんです。もちろんデザインとしてオールド感はかっこいいけど、機能面から言うと、ボタンを1個1個留めていくよりファスナーのほうが便利です。それに女性はネイルをしている人も多いので、ボタンフライだとネイルが傷むという話も聞いていたので、既成概念を取っ払ってジッパーにしました。ちょっとしたことでも快適さを優先するようにしています」

──デニムの王道を踏襲するこだわりよりも、快適さを重視すると。

「シンチバックについても、デザイン性もありますが、どちらかというと機能として存在しているから採用しています。女性の体は、1カ月の内でもちょっと太りやすい時期があったり、私自身も変化が割とあるほうなので、尾錠の必要性を感じています。リローンチ前は、尾錠のベルトをあえて切っていました。その昔、40年代にカウボーイたちがシンチバックをカットして着用していたのを真似て、カットしたデザインを取り入れていましたが、サイズ調整をするのに必要だからちゃんと付けるように見直しました。それがデニム好きの方にも好評です」

──デニムには石の名前が付けられていて、石の色とステッチの色が連動していたり、そういう着眼点にも女性の作るデニムだなと感じます。石の名前っていいアイデアですよね。

「石が好きというのもあって、石が持っているイメージとデニムを重ね合わせて、反映させています。例えば、エメラルドは健康的で快活なイメージ、サファイアは知的なイメージ、ローズクォーツは女性っぽい雰囲気なのでシルエットもカーヴィーなデニムに、ルビーは情熱的な印象なので最もフェミニンなスキニーというように名付けています」

女性のためのセーフプレイスのようなブランドを作りたい

──2020年、新生トゥ エ モン トレゾアとして再スタートして以来、シーズンごとに何型も作るというスタイルではないと思いますが、まだまだ作りたいデニムはありますか?

「最初に7型デザインして、これで大多数の女性の体型をフォローできると思っていたら、さまざまな体型や雰囲気の女性がいるので、全然足りていませんでした。ある人には7型のうち1択しかしっくりこなかったとか、シルエット的にはローズクォーツが欲しいけど、ちょっとピタピタすぎるとか、全員がはけるものはなかなか難しい。トレゾアのデニムはコレですと押し付けるというよりは、どんな人にとっても私の定番はコレだっていうデニムに出会ってほしいと思っているので、そこにたどり着くには、まだまだ型数が必要だと実感しています」

──さまざまなタイプの女性に合うデニムを作ることで女性を後押しされていますが、ブランドを通して女性を支援する活動に積極的に取り組んでいることもその延長線上にあるように思います。

「学生時代からNPOの活動に参加していたこともあって、ファッションの世界に入ってからも社会的な活動は続けてきました。お客様からの売り上げの一部を寄付に充てるからには責任があるので、寄付金がどのように使われているのか、どんな人が運営しているかをよく調べた上で、私がここだったら信頼できるという団体ということで、主に性的搾取による人身売買の被害に遭った少女や子どもを支援したり、なくすために活動している<かものはしプロジェクト>と取り組みをしています。何かしたいと思っていても個人でアクションを起こすのはハードルが高いので、トレゾアを通じて知るきっかけになればと思っています」

──コンセプトにも掲げている、女性のためのセーフプレイスとは、佐原さんにとってどんな意味を持っているのでしょう。

「辛かったり苦しかったりするときに、音楽や文学が励みになることは、誰にとってもあると思うんですが、それが私にとっては、美しい服に触れ、ファッションの世界に浸ることでした。ファッションが心の支えで、現実逃避できる場所だったんです。それを“セーフプレイス”という言葉で表現しているのですが、私がかつてそうだったように、ファッションというジャンルで女性にとってのセーフプレイスみたいなブランドを作りたいという思いがあります。だから、実際に被害にあった女性をサポートし、心の拠り所となる、セーフプレイスを提供している<かものはしプロジェクト>は、次元は違うかもしれないけど、ともに女性のために存在する、という点で共通していると感じました」

女性写真家と対話するように生まれるヴィジュアルイメージ

──ブランドの世界観を伝えるヴィジュアル表現にも、どこか女性のセーフプレイスのような佇まいを感じました。

「リローンチにあたり、ロンドン在住の女性写真家のレナ・C・エメリーに撮影を依頼しました。彼女の撮る写真にはトレゾアと共通するどこかクラシックな世界観が感じ取れたし、環境活動家でもある人間性やフィロソフィにも共感できる部分がありました。やはりファーストコレクションということもあって、女性同士だからわかり合える親密さのようなものをヴィジュアルで表現したかったんです」

──言葉ではない共通言語のようなものがあるのでしょうね。彼女の存在はどうやって知ったんですか?

「もともと写真が好きで、写真集もよく購入していますが、そこで見つけたレナの『Yuka & The Forest』という日本の山林の風景を舞台に、木霊の存在を日本の少女に擬えて捉えた写真集を見て、その美しい世界に引き込まれ、彼女にお願いしたいと、コンタクトしました。写真家にこうやって撮影してくださいと具体的にお願いするのではなく、写真の世界の一部にデニムを存在させたい、写真の世界にちょっと仲間に入れていただくみたいな感覚でした。撮影には参加していませんが、モデルとレナの2人だけで撮影した親密さが滲み出ている、美しい写真に仕上げてくれました」

──自分が共感するフォトグラファーがトレゾアのコレクションをどう解釈して写真に返してくれるかという、なんか文通のようなやりとりですね。

「だからすごく楽しいんです。ブランドとしての思いや服作りの姿勢や考え方を伝えただけですが、写真が届いたとき、自分たちの目の前の世界が開けたような、想像以上に、彼女がさらに広い世界を見せてくれました。ブランドとして、これが正しい方向なんだと再確認できました。だから、ヴィジュアル表現はトレゾアにとってコレクションを発表するのと同じくらい重要です。その次のコレクションでは、もう少し素朴でナチュラルな感じを出したいと思い、クララ・バルザリーという女性写真家に依頼して、二人のモデルによる女性同士のコミュニケーションが垣間見られるようにしました。女性同士の絆みたいな、フェミニズムも感じられる、まさに私が求めていた世界になっています」

Tu es mon Tresor special editorial with SSAW magazine photography by Jenna Westra
Tu es mon Tresor special editorial with SSAW magazine photography by Jenna Westra

──最新のヴィジュアルは、これまでの素朴さや自然体の雰囲気とはまた違う視点というか、構図の面白さやコンテンポラリーダンスを見ているような印象を受けました。

「トレゾアは、ナチュラルなイメージだけでなく、デニムブランドであり、ファッションブランドであること、モダンで洗練された世界観も併せ持っているので、そこを表現したかったんです。そこで、ジェナ・ウェストラという女性フォトグラファーにお願いしました。女性の体のラインやシルエットが作り出すカーブや、それこそ写真の中のスペース(空間)みたいなものを解釈してくれました。デニムをはいた時のシルエットを、言葉では女性らしいカーブの一言でしか伝えられないんだけど、写真だったら何通りにも伝えられるということを教えてもらいました」

──デニムという、飾り立てる要素が少ない分、ヴィジュアルもより本質的な表現になってくるのでしょうね。次はどんな写真家とコラボレーションをして、どんな世界を見せてくれるのか楽しみです。新生トゥ エ モン トレゾアが、デニムだけにコレクションを絞っていることも、女性支援の活動も、こういうヴィジュアル表現が成立していることも、全てに一貫した信念を感じます。

Tu es mon Tresor special editorial with SSAW magazine photography by Jenna Westra
Tu es mon Tresor special editorial with SSAW magazine photography by Jenna Westra

Tu es mon Tresor(トゥ エ モン トレゾア)

お問い合わせ/EDSTRÖM OFFICE
Tel/03-6427-5901
https://ja.tu-es-mon-tresor.com/

「デニム探訪」シリーズをもっと読む


Photo:Anna Miyoshi(Item, Portrait) Interview & Text:Masumi Sasaki Edit:Chiho Inoue

Profile

佐原愛美 Aimi Sahara 「Tu es mon Tresor(トゥ エ モン トレゾア)」デザイナー。1985年生まれ。セレクトショップの販売員などを経て、2009年に表参道に自身のセレクトショップをオープン。10年に「トゥ エ モン トレゾア」をスタートし、パールやビジュー、リボンなどを装飾したデニムを販売し人気を集める。13年秋冬にロンドンのブラウンズでエクスクルーシブ販売を開始し、17年春夏よりコレクションを発表。20年にデニムブランドとしてリローンチ。
 
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寝ても覚めてもメタバースのアバターゲーム 「LOUIS THE GAME」に夢中ナウ【#私の土曜日16:00】

Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)創業者ルイの生誕200年を記念したプロジェクト「LOUIS 200」の一環として発表されたゲームアプリ「LOUIS THE GAME」。いろいろあって、おうち時間をドップリ過ごすことになった私は、起きている時間を楽しもうと観ていなかった映画やNETFLIX、Huluにと時間を過ごしていたのですが、こんな時こそ!と携帯に「LOUIS THE GAME」アプリをダウンロード、で、いざスタート。

やり慣れていない携帯ゲームを始めたからか、目を閉じるとLOUISの冒険を体現してくれるVIVIENNE(ヴィヴィエンヌ)が、夢の中まで出てくる有様。

挙げ句の果てには夢の中で飛んだり跳ねたりしている自分自身のアバターも出てきたりして、ゲームにハマるってこういうことなのねっというのを実感した次第です。

スピーディでアクティブなVIVIENNEは、旅の途上でモノグラム・キャンドルをできるだけ多く集め、各レベルに到達するためのキーも手に入れなければならないそうですが、モノグラム・キャンドルの最後の数個は、どこを探しても見つからなくて、どこに隠されているのかなど攻略法とか出ていないのか知りたいところです。

また、グローバルでは友達と競い合ったり、ヴィヴィエンヌの着せ替えをして披露したりするできるそうですが、着せ替えぐらいしか楽しめておりません。あと、このゲームには、NFT(非代替性トークン)アートが30作品含まれているそうなのですが、それもどれなのかさっぱりわからず……誰か教えて〜〜〜

楽しいのはVIVIENNEが船に乗ったり

こちらはVIVIENNEがタイタニック号のポージング中で楽しませてくれたり……

ボートに乗ったり

気球に乗ったり


ヘリコプターに乗って、別の島に移動すること。


こちらは何かをクリアしたタイミングで出てきたポストカード。何のタイミングかわかっていない残念な状況ですがその瞬間、何かを攻略したのか?と思うのですが……

相変わらず、モノグラム・キャンドルを集めている数は変わらずな状態です。


右下のMONOGRAM ISLAND(モノグラム・アイランド)」に関しては43個あるキャンドルを41まで獲得。左上の「LOUIS FOREST(ルイの森)」では9個あるキャンドルを7個までゲットしているんですけどね……。

とにかく、いまの状態を続けてみようと思いますが、このあとどうなるのか?? 展開が楽しみでなりません。でも、次なる展開で鍵を見つけたら、Louis Vuittonのレア・アイテムを先に購入したりできる特権とかついてくるといいのにな〜〜!(笑)

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 統括編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の編集スタッフとして 創刊から参加。シニア・ファッション・エディターを務める。2005年 Numéro TOKYO編集長に就任し2007年2月創刊、2025年3月まで務める。現在は統括編集長として本誌のヴィジュアル全般、デジタルやSNS、ECなどNuméro事業全体を担う。2021年、新プロジェクトrabbitonを立ち上げる。著書 『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ刊)。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka
 
Fashion / Editor's Post

自分史上最高のTシャツ、見つけました!【#エディターたちのカートの中身】

ファッション誌における頻出ワードの一つに「オン・オフ着回せる服」という表現がありますよね。仕事着としても、休日のリラックスしたムードのときでも着られる万能さを表す言葉ですが、むしろ積極的にオン・オフ常に着ていたい!と思えるマイベストTシャツと出合ってしまいました。

展示会で紹介していただいた一枚のシンプルなTシャツ。一見、なんてことないデザインのように見えるのですが、触れた瞬間に衝撃が。ふわっと柔らかく滑らかで、「気持ちいい〜」と思わず声を上げてしまう肌触り。綿100%と聞くと特有のゴワゴワ感をイメージしますが、その真逆を行く心地良さ。そして、ソフトでありながら同時にしっかりしている不思議な生地なんです。

実際に着てみると、その良さをダイレクトに実感。さらっさらの着心地で、触れている素肌が喜んでいる感覚。気分にまで影響してくるんじゃないかというくらい、ストレスフリー! また、控えめなネックラインや肩から落ちるラインがきれいだったりと、細かなこだわりがそこここに。少し光沢のある生地なので、エレガントな雰囲気も出せちゃう。丈感もいい感じだし……、とドンピシャ好みの言うことなし!

その名は「LIFiLL」(リフィル)。1864年創業の老舗繊維専門商社「スタイレム瀧定大阪」が最高品質のもの、本当に欲しいものを追求してきたブランドなのだとか。さすが繊維のエキスパートだけあって、ハイクオリティな服が生まれるわけですね。私が惚れ込んだTシャツの生地は、スーピマコットンを従来よりも甘く撚(よ)りながら(=柔らかい生地になる)糸が切れてしまうギリギリの強度を保つ独自の製法で紡績したオリジナル生地だそう。それで、柔軟かつしっかりした生地が実現できたという。洗ってもヨレないし、心なしかシワがつきにくい気がします。プロが本気を出すとすごい!

さらに、驚きなのがお値段。Tシャツで¥8,580、長袖Tシャツで¥9,900(ともに税込)という良心的なプライス。え、こんなにハイスペックなのにいいんですか!?

そんなわけで、家着にするにはもったいない、でも気持ちいいからずっと着ていたい!ということで、パジャマの下に着たり、外出時のニットの下に着たりとオン・オフ問わずフル出動中です。

他にもフーディやセーターなどがあり、次はスウェットパンツに狙いを定めています。Tシャツ1枚で感動レベルの体験ができるなんて、なかなかないですよ!

LIFiLL
https://lifill.jp/

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Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・コンテンツ・ディレクター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。
 
Fashion / Feature

幸運を呼び込む!? お守りにしたい虎モチーフアイテム9選

2022年は虎をモチーフにしたアイテムが大豊作! 笑みがこぼれる愛らしいキャラクターや、辛口スパイスにもなる縞模様など、各ブランドが発表したタイガーにまつわるアイテムを紹介。勇敢さの象徴で、古くから魔除けにもなると言われている今年の干支を、ファッショナブルに取り入れてみては? 

Miu Miu|ミュウミュウ

(左上から時計回りに)Tシャツ¥83,600、ロングスリーブTシャツ¥95,700、Tシャツ¥80,300、Tシャツ¥78,100(すべて予定価格)/Miu Miu(ミュウミュウ クライアントサービス 0120-451-993 )

アニメーションに登場する虎のキャラクターをモチーフにしたTシャツコレクション。日本の『タイガーマスク』や少女が悪と戦う『タイガーガール』、ディズニー作品から『ティリータイガー』、『くまのぷーさん』のティガーなど、レトロなムードが漂う個性豊かなメンバーが勢揃い。胸元にはミュウミュウのロゴが刺繍であしらわれている。

Louis Vuitton|ルイ・ヴィトン

「クヴェルテュール・カルネ」(W16xH21.8xD0.7cm)¥55,000/Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854)

モノグラム・ストライプ キャンバスに「LV MADE」と書かれた虎のモチーフをあしらった「クヴェルテュール・カルネ」は、NIGO®とのコラボレーション「ルイ・ヴィトン LV スクエアード コレクション」のもの。ルイ・ヴィトンのノートレフィルやA5サイズの本のカバーとして使える。裏面には、カモのキャラクター入り。

Gucci|グッチ

バッグ(W37.5xH33xD15.5cm)¥297,000/Gucci(グッチ ジャパン クライアントサービス 0120-99-2177)

グッチにとって重要なモチーフの一つであるタイガー。あのアイコニックな「フローラ」のデザインを手がけたヴィットリオ・アッコルネロによる60年代後半の作品を再解釈し、「Gucci Tiger」コレクションとして登場。淡いパステルカラーで描かれたジャングルが楽園のよう。マチもたっぷりなトート型で、取り外しできるストラップ付き。

Balenciaga|バレンシアガ

ニット¥154,000/Balenciaga(バレンシアガ クライアントサービス 0120-992-136)

虎柄を大胆に全面にあしらったクルーネックニット。落ち着いたトーンなら、パンチのある柄でもシックなイメージに。クロップド丈がすっきりとしたシルエットに見せてくれる。

Burberry|バーバリー

(左)ドレス¥143,000 カーディガン¥143,000 バッグ(W23xH13xD6cm)¥269,500(右)バッグ(W22xH19×D7cm)¥160,600 スカーフ¥81,400

ウェアからバッグ、小物に至るまで虎にちなんだアイテムが目白押し。駆け抜ける虎をグラフィカルに配置したニットウェアは、赤いスカーフが縁起の良さそうなアクセントに。ピリリと辛口な虎模様のチェーンバッグは、コットンに刺繍を施したもの。同柄のメッセンジャーバッグもラインナップしている。

Tod’s|トッズ

「トッズ ケイト ローファー」(ヒール0.5cm)¥105,600

虎の美しい縞模様と旧正月におけるラッキーカラーのゴールドからインスパイアされた、トッズのリミテッドエディション。抽象画のようなさりげない虎柄ファブリックと、マットな輝きのヴィンテージ調ゴールドメタルが洗練された雰囲気を添えてくれる。

Anya Hindmarch|アニヤ・ハインドマーチ

バッグ(W32xH35xD14cm)¥83,600/Anya Hindmarch(アニヤ・ハインドマーチ ジャパン 0800-800-9120)※3月発売予定

シリアルでおなじみ、ケロッグ社のあの人気商品をモチーフにした新作バッグが登場。これまでにもケロッグ社とのコラボレーションを発表してきたアニヤ・ハインドマーチだけれど、今回は軽やかなラフィア素材を採用し、クラフトの温もりがたっぷり。虎のキャラクター、トニー・ザ・タイガーのお茶目な表情が心くすぐる。

Marc Jacobs|マーク ジェイコブス

バッグ「THE SNAPSHOT TIGER STRIPE」(W21×H13.5×D7.5cm)¥59,400/Marc Jacobs(マーク ジェイコブス カスタマーセンター 03-4335-1711)

人気のカメラバッグ「THE SNAPSHOT」が寅年を記念したスペシャルバージョンに! 虎柄のエコファーに包まれて、触っているだけで癒されるふかふか触感。通常の「THE SNAPSHOT」より短めにデザインされたストラップにもエコファーがあしらわれている。取り外し可能なので、手持ちのバッグに付けてカスタムすることも可能!

Marine Serre|マリーン セル

Tシャツ各449USD www.marineserre.com/

デッドストックやヴィンテージのTシャツに、ブランドの代名詞である三日月モチーフのジャージー製リサイクル生地を脇の部分に組み合わせ、アップサイクルな手法で作られたエクスクルーシブなコレクション。野性味溢れる虎のプリントは、実はつぶらな瞳なのがポイント。各限定25点なので、お早めに!

 

Edit & Text: Yukiko Shinto

 

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JANUARY / FEBRUARY 2026 N°193

2025.11.28 発売

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