政治

2026.01.06 11:00

マドゥロ拘束のベネズエラ攻撃、米国民の支持は「わずか33%」 世論調査

ドナルド・トランプ大統領(Joe Raedle/Getty Images)

ドナルド・トランプ大統領(Joe Raedle/Getty Images)

ドナルド・トランプ大統領による週末の攻撃後、米国がベネズエラ問題に過度に関与していることを懸念する米国民が大多数を占めることが、新たな世論調査で明らかになった。ニコラス・マドゥロを大統領職から排除する最近の行動に賛成すると回答したのは、わずか33%だった。

ロイター/イプソスが1月3日と1月4日に1248人の成人を対象に実施した世論調査によると、米国のベネズエラへの軍事攻撃を承認する米国民は3人に1人のみだった。

また、世論調査によると、民主党支持者(11%)と無党派層(23%)は軍事作戦に圧倒的に反対しており、一方で共和党支持者の過半数(65%)はトランプの行動を支持している。

米国民の大多数(72%)は、米国がベネズエラに対して過度に関与することを懸念している。

一方で、ロイターの世論調査では、最近の軍事行動に対する見解の著しい相違にもかかわらず、ベネズエラ攻撃後のトランプの支持率は42%となり、10月以来の最高値を記録した。このオンライン世論調査の誤差範囲は3パーセントポイントだ。

エコノミスト/ユーガブの週次世論調査による2025年末時点のトランプの支持率は39%で、第1期の同時点より3ポイント低く、ジョー・バイデン前大統領の1年経過時点より7ポイント低い。

トランプ政権はマドゥロを「麻薬テロリスト」と呼び、土曜日早朝の攻撃前から逃亡者と見なしていた。この攻撃で米国はベネズエラの首都カラカスにある彼の自宅を「爆撃」した。ベネズエラ与党指導者のナウム・フェルナンデスは、マドゥロと妻がその後「誘拐」されたと述べ、トランプは強襲揚陸艦USSイオー・ジマに乗船した目隠しをされたマドゥロの写真を投稿した。

トランプはその後「安全で適切かつ慎重な移行ができるまで、我々がこの国を運営する」と宣言し、1月3日には「我々が担当している」と述べ、同国の暫定指導者デルシー・ロドリゲスに対し、協力しなければマドゥロよりも「おそらく悪い」目に遭うと警告した。マドゥロは1月4日にマンハッタンの裁判所に出廷し、妻とともに麻薬テロ共謀、コカイン輸入、武器密売への関与の罪で起訴された。両名とも無罪を主張している。

世界の指導者たちは1月4日の国連安全保障理事会緊急会合で、ベネズエラにおける「侵略犯罪」と呼ぶものへの反対を表明した。ブラジル、中国、コロンビア、キューバ、エリトリア、メキシコ、ロシア、南アフリカ、スペインがベネズエラへの攻撃を非難した国々であり、ブラジルの代表は、この動きは「ベネズエラの主権に対する非常に深刻な侮辱」であり「国際社会全体にとって極めて危険な先例」となると述べた。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、この地域における攻撃の影響について「深く懸念している」と述べた。

SEE
ALSO

経済・社会 > 経済

トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

forbes.com 原文

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事

Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2025.12.18 16:00

未経験から飛び込んだ食品業界、「完全栄養食」を創出した起業家の本懐 〜フロンティア精神の体現者たち 〜

ニッカウヰスキー創業90周年を記念して、2024年10月に発売されたウイスキーブランド「ニッカ フロンティア」。創業から一貫して重視してきたのが、スコットランドからウイスキーづくりの技術と精神を持ち帰った創業者・竹鶴政孝に象徴されるフロンティアスピリットだ。

本連載は、「ニッカ フロンティア」にも受け継がれたフロンティアスピリットに共鳴する人物にインタビュー。困難に立ち向かい、新たな道を切り拓いてきたパイオニアは、どのような熱き思いを秘めているのだろうか。

第1回は、1食で1日に必要な栄養素の1/3が摂取できる「完全栄養食」を開発・販売する、ベースフード代表取締役の橋本舜が登場。「手作り」「家庭の味」といった伝統的価値観が強く残る食品業界において、科学的アプローチを用いた新たなカテゴリーを生み出すまでの道のりについて聞いた。


「本格的」でありながら、「多くの人に受け入れられる」味わいを目指したニッカ フロンティアの挑戦

一大ブームから定番となったハイボールに代表されるように、現代のアルコール飲料においては「飲みやすさ」「口当たりの軽さ」がヒット商品のキーワードとなっている。

その文脈においては、「ニッカ フロンティア」が目指したのは、多くの人が受け入れられる味わいでありながら、本格的な中味を目指した。ここには大きな困難への挑戦があった。瓶詰め前に割り水をし、アルコール度数を40%程度にまで下げることが多いウイスキー。

しかし「ニッカ フロンティア」は割り水が比較的少なく、アルコール度数は48%と高め。骨太な飲みごたえやハイボールにしても割り負けない存在感がある。また、余市のヘビーピートモルトをキーモルトに採用し、モルト比率を51%以上とするなど、中味や製法は本格ウイスキーそのものである。

しかし、目指しているのは多くの人に受け入れられること。ヘビーピートモルトへのこだわりはありながら、強烈なスモーキーフレーバーにはせず、高いアルコール度数でありながら、心地よさを感じられることが条件であった。0.5%以下のブレンド比率の調整を何度も重ね、「本格的」でありながら、「多くの人に受け入れられる」味わいを実現した。

そんな「ニッカ フロンティア」の風味や味わいを堪能できるのが、ウイスキーを炭酸水に浮かべた「フロートハイボール」という飲み方だ。ウイスキーと水では比重が異なるため混ざりきることがなく、見た目も味わいもグラデーションが楽しめる。一口目はストレート、次にロック、次第にハイボールの味わいになるのだ。

橋本も、取材にあたって初めてフロートハイボールを試した。「ニッカフロンティアはアルコール度数が高いにもかかわらず、フルーティー。でも同時に存在感がある。フロートハイボールは初体験ですが、ひとつのグラスの中で味わいの変化を楽しめるのは、ユニークです。一口目でウイスキー本来の風味を確かに感じられます」と語る。

橋本の目に留まったのは味だけではない。ニッカウヰスキーのイニシャル「N」を大きくあしらい、ウイスキーの色が全面に見えるボトルデザインにも興味をひかれたようだ。

「これまでありそうでなかったシンプルなデザインであるがゆえに、本腰を入れてこの商品が作られていることを感じます。私たちベースフードも、シンプルさを意識しています。一方で、伝えることを絞ると、相手の解釈が入るのでメッセージが意図通りに伝わらなくなるリスクが伴います。勇気が要る決断ですよね」

食品業界に身を置く挑戦者だからこそ、近しい領域である「ニッカ フロンティア」がもつメッセージの分析にも余念がない。挑戦者・橋本の特徴はこの冷静な分析力にある。

科学的アプローチを取りながらも届けたいのは「おいしさ」と「健康」

橋本は大学卒業後、DeNAで複数の新規事業立ち上げを経験し、2016年にベースフードを創業した。

創業の理由は、少子高齢化による社会保障費の増大という社会課題を解決したかったからだという。そのために「完全栄養食」の開発というアプローチを選んだのは、最もインパクトが大きい方法を考えたときに、主食の栄養バランスを整えるのが最善だという答えにたどり着いたからだ。

人々の健康を守るために治療の分野は発達しているものの、予防の4項目「食事」「睡眠」「健康診断受診率」「運動」においては、まだまだ改善の余地がある。特に食事においては、現代の生活スタイルでは栄養バランスがすぐれている一汁三菜の献立を毎日作って食べることは難しい。そこで、主食に主菜と副菜の栄養素を組み込めれば、この問題は解決すると考えた。

こうして、橋本はまったく未経験だった食品製造業へ飛び込んだ。起業して一年間はたった一人で、知人に専門家を紹介してもらいながら商品を開発。100回以上の試作をつくるなど、試行錯誤が続いた。

「孤独なら耐えられなかったかもしれない」という橋本。しかし「完全栄養食を作りたい」という橋本の思いに賛同する仲間も創業初期から多かったという。「面白いプロジェクトをやっていると、経済合理性を超えて関わりたいと思う人が集まってくるものです。栄養士や大学の先生、後に取引先になった企業など、さまざまな方が協力してくれました」

「BASE FOOD」ブランドのパンやパスタは当初、健康志向が高い層にフィット。事業は大きく成長し、自社通販(サブスクリプション)だけでなく大手コンビニ3社にも販路を拡大するなど、多くの層に受け入れられている。いまや科学的アプローチを取り入れる「フードテック」企業としても注目を集めている。

自社通販でもリテールでも重視したのは、その価値をしっかり伝えること。「BASE FOOD」ブランドのパンやパスタは栄養バランスに優れた主食であり、それを食べるのは自分にとっても社会にとってもよいことだと伝え続けた。

完全栄養パン「BASE BREAD」。コンビニエンスストアとも提携しており、手軽に手に入るのも特徴だ(画像提供:ベースフード)
完全栄養パン「BASE BREAD」。コンビニエンスストアとも提携しており、手軽に手に入るのも特徴だ(画像提供:ベースフード)

「手作り」「家庭の味」など、食文化においては伝統的価値観が根強く残る。しかし、橋本は「当社は真新しいことをやっているわけではない」という。

「我々は科学的アプローチにこだわって完全栄養食を製造・販売していますが、それをダイレクトにお客さまに伝えているわけではありません。『バランスのいい栄養素が摂れて、なおかつおいしい』というお客様が得られる価値を訴求しているのです。お酒やハムなど他の食品も、もともとは家庭内手工業のような形で文化や技法が受け継がれてきたもの。現代では、より多くの人が安全でおいしく食べられるよう、科学技術を用いて工業化されています。そういった意味では、従来の食品と『BASE FOOD』ブランドの商品も同じような発展をたどっていると考えています」

自分の役割を担いながら挑戦を続ける

はしもと・しゅん◎東京大学教養学部を卒業後、DeNAに入社。オンラインゲーム事業の担当をはじめ、駐車場シェアリングサービスや自動運転関連など新規事業の立ち上げを手がける。2016年4月に、ベースフードを創業。
はしもと・しゅん◎ベースフード代表取締役。東京大学教養学部を卒業後、DeNAに入社。オンラインゲーム事業の担当をはじめ、駐車場シェアリングサービスや自動運転関連など新規事業の立ち上げを手がける。2016年4月に、ベースフードを創業。

「完全栄養食」という未知なる食品を生み出し、いまや市場も味方につけた橋本。前例がないことに挑むのは苦労がつきものだが、自身は「インパクトの大きいことをやるなら、同じぐらい大きな苦境は必ず訪れるもの」と冷静に捉える。

商品開発が思うように進まなくとも、創業期は失敗しても失うものは少ないと、チャレンジを続けることだけを考えていたという。事業が大きくなり、ステークホルダーが増えたいまは、大手企業がこだわりを持ってやってきた伝統を受け止め、守りの側面にも目配せをしながら会社経営をするようになったと言う。

橋本は、自身の活動指針に「一番大変なことに挑む」を掲げる。「勝ち馬に乗り、成功しそうなことをやる方が経済的メリットは大きいかもしれないが、解決したい課題に向き合いたい」と語る。合理的かつ客観的に物事を捉える冷静さと、困難に挑む静かな情熱が混じり合うのが、橋本舜のフロンティアスピリットなのだ。

このスピリットの原点には、橋本の原体験も関係しているという。両親やきょうだいはクリエイタータイプであり、自分だけがロジカルな問題解決力を武器にしてきたという自覚がある。「私は、クリエイティブな世界では生きていけない。それでも世の中をよりよい方向に変えていかなければなりません。その中で、自分ならではの立ち位置で向き合っていきたい」

今はまだ、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というベースフードのミッションに向けて道半ばだ。「完全栄養食」が特別な分野ではなく、普通の食品カテゴリーのひとつにしていきたい、と橋本は未来を見据える。フロンティアスピリットあふれる起業家の未知なる分野への挑戦は、これからも続く。

「起業家は任期や定年があるわけではない。竹鶴政孝が一生をかけてウイスキーに向き合ったように、私も誰かにバトンを渡す日までチャレンジは続けます」

NIKKA WHISKY


「ニッカ フロンティア」は、ニッカウヰスキー創業90周年を機に、創業者・竹鶴政孝のフロンティアスピリットを継承してつくり上げられた商品。特徴的な製法によって、マーマレードを思わせるフルーティーさと、心地よいスモーキーさが際立つ香り、コクのある飲み口、甘さが続く余韻を実現した。
推奨する飲み方は、フロートハイボール。「ニッカ フロンティア」の薫り高さを感じながら、ロックやハイボールへと味わいが変化していく楽しみが得られる。

→ニッカ フロンティア特設ページはこちら

Promoted by NIKKA WHISKY / text by Takako Miyo / photographs by Yooshinobu Bito / edited by Kaori Saeki / hair & make by Nozomi Fujimoto

経済

2026.01.04 08:00

トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

Shutterstock

Shutterstock

ドナルド・トランプ米大統領は2025年12月中旬、ベネズエラに出入りする石油タンカーの封鎖を命じ、同国のニコラス・マドゥロ政権に対する圧力を劇的に高めた(編集注:トランプは3日、ベネズエラに対する大規模な攻撃を成功裏に実施し、マドゥロを妻とともに拘束したと発表した)。米国はこれまでにベネズエラ沖で複数の石油タンカーを拿捕している。トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で「われわれから盗んだ石油や土地、その他の資産をすべて返還するまで」ベネズエラに対する包囲は続くと脅した。

ホワイトハウスのスティーブン・ミラー大統領次席補佐官はX(旧ツイッター)で、ベネズエラは「記録にある限り米国の富と財産の最大の窃盗」をはたらいたとまで断じた

これ以前、ベネズエラに対する米国の介入は麻薬戦争、とりわけ合成麻薬「フェンタニル」対策の一環として位置づけられていた。

トランプ政権は同月、米国は麻薬カルテルとの「武力紛争」に入っていると米議会に通知した。すでに1期目の2020年3月、米司法省はマドゥロ大統領らを「麻薬テロ」を共謀した罪などで訴追している。米国はこれまでにベネズエラ近海で数十隻のボートを攻撃し、100人以上を殺害している。

不都合な真実は、ベネズエラは実のところ、2021年以降25万人超の米国人を死亡させてきたフェンタニルの供給源ではないことだ。米国務省や米麻薬取締局(DEA)によると、ベネズエラは主にコカインの通過国である。

フェンタニルは圧倒的多くがメキシコで生産されていて、原料となる前駆物質は中国やインドから調達されている。大半は合法的な入国港を通じて米国に流入しており、それを担っているのもほとんどが米国人だ。米国のリバタリアン系シンクタンク、ケイトー研究所が政府データを調査したところ、米国で2024年にフェンタニル関連で有罪判決を受けた被告の5人に4人(8割超)は米国市民だった。

真の問題がフェンタニルでないとすれば、投資家はこう問うべきだろう。「なぜベネズエラで、なぜ今なのか」と。筆者の考えでは、答えは麻薬よりもエネルギーとパワー(力)にはるかに深く関わっている。

次ページ > ベネズエラ産重質油が持つ地経学的意味

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

| あなたにおすすめの記事

人気記事