AIコードエディタを手掛ける米Cursorの共同創業者でCEOのマイケル・トゥルエル(25)は、いわゆる「バイブコーディング」への過度な依存に警鐘を鳴らした。米Fortuneが12月25日(現地時間)付の記事で報じた。
同氏は、「バイブコーディングとは、AIを使ったコーディング手法を指し、目を閉じてコードを全く見ずに、AIにただプロダクトを作るように指示するだけです」と語り、こうしたAIに全てを任せてコードの中身を確認しない開発手法は、コードの論理構造がブラックボックス化する「不安定な基盤」を積み重ねることになり、規模が大きくなるにつれて「やがて崩れ始める」と述べた。
トゥルエル氏は、Fortune主催の「Fortune Brainstorm AI」カンファレンスで、生成AIの登場によってプログラミングの在り方が大きく変化していると説明した。AIにエンドツーエンドの作業を依頼できる場面は増えている一方で、AI支援コーディングには段階があり、完全に目を閉じてAIに任せるような手法は、特に高度な開発ではリスクが高いと指摘した。こうしたAI任せのコーディングを、床下や配線を理解しないまま家を建てることに例え、ゲームやWebサイトの試作などの簡単な用途には向くが、本格的なシステムでは問題が顕在化しやすいと語った。
Cursorは、こうした「見えない開発」とは異なる立場を取るという。Cursorは統合開発環境(IDE)としてAIをネイティブに統合し、既存のコードやコードベース全体の文脈を理解した上で、次の行の予測や関数生成、デバッグ、エラーの説明などを支援する。必要に応じてAIに包括的な作業を任せつつも、開発者がコードの詳細を把握したまま作業できる点が特徴だとしている。
Cursor(企業)は、2022年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生4人が立ち上げたプロジェクトを起点としており、AIを活用しながらも人間の理解と制御を重視する開発体験を目指しているという。2023年にOpenAI Startup Fundから800万ドルの初期投資を受けた後、Andreessen Horowitz(a16z)などからの出資も得ている。11月にはシリーズDラウンドで米NVIDIAや米Googleなどから23億ドルを調達した。
米Bloombergによると、Cursorは2025年初頭時点で約100万人のDAUを擁する主要コーディング支援ツールの1つに成長した。米CNBCによれば、年換算売上高は10億ドル規模に達し、従業員数は約300人に拡大している。
トゥルエル氏は、Cursorは「目を閉じたコーディング」ではなく、AIと人間の両立によって堅牢なソフトウェア開発を支える存在だと強調した。
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