「天音かなた」卒業の衝撃、人員拡充を急ぐカバーはマネジメント体制を立て直せるか?
相次ぐ「ホロライブプロダクション」からのタレントの卒業で、運営会社カバーの経営課題が浮き彫りになってきました。今期は増収営業増益を予想しているものの、上期は2割の営業減益。業績にも黄色信号が灯っています。 一方、ANYCOLORは今期2度目の通期計画の上方修正を発表。物販だけでなく、イベントやプロモーションも育ってきました。
人員強化を図るために今期営業利益は微増
「ホロライブ」に所属していたチャンネル登録者数168万の天音かなたが、12月2日にまさかの卒業を発表しました。 今年は登録者数が130万を超えていた紫咲シオンが卒業し、同じく130万規模の沙花叉クロヱが配信活動を終了。過去にも、がうる・ぐらなどの大物VTuberが卒業していました。 カバーは持続的な成長に向けた体制拡充などを目的に「先行投資的支出」30億円を、2026年3月期に計上。制作能力の拡充に必要な人件費などの先食い予算を設けるため、今期の利益が一時的に下押しされるとの計画を発表していました。 2026年3月期は、通期の営業利益が前期比2.5%増の微増となる見込みです。 天音かなたの卒業メッセージはファンを驚かせる内容でした。卒業を決めた理由として以下3つを挙げたのです。 「当初想定された領域を大きく超える業務外のタスクが何度も発生したこと」 「その結果、自分の活動が回らないほど負荷が集中する期間が続いたこと」 「仕事の負荷による心身の状態から活動の維持が難しいと感じるようになったこと」 こうした状況を数年前から事務所に相談していたものの、解決には組織全体の仕組みの見直しが必要になるため、健全な活動を続けることが難しく、卒業を決めたというのです。 これまでのVTuberの卒業は「事務所との方向性の不一致」といったものが大半でしたが、活動を続けるのが難しいほどの業務負荷がかかっているという具体的な内容に踏み込みました。 一部のタレントにとって、事務所のマネジメント体制が満足できるものではなかったことが明らかになったのです。人気タレントの離脱を防ぐためにも、マネジメント体制の強化が必要。 カバーは今期上期が2割もの営業減益となりましたが、これはグッズの過去生産商品の評価減5.5億円を計上したことが主な要因。大物タレントが卒業すると一部在庫品の販売が難しくなり、計画にも狂いが生じるという悪循環に陥ることにもなりかねません。