小中校生の自殺が過去最多──“死にたい”は“生きたい”のサイン 大人にできること:令和7年度自殺白書 #エキスパートトピ

碓井真史
社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
気づき、声をかけ、話を聞こう。みんなで見守ろう。一人ぼっちではないと、わかってもらおう提供:イメージマート

2025年版(令和7年版)の自殺白書が発表された。自殺者の総数は、2万320人(前年比1517人減)。かつて3万人を超えていた時代と比べて減少している。

しかし、問題は子供若者の自殺だ。白書もテーマとして取り上げている。

小中高生の自殺は529人と過去最多。15~29歳の自殺者数は3千人を超えて高止まり。特に若い女性の自殺増加が目立ち、医薬品などの服毒による割合が高く、市販薬の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」が問題視されている。

大学生の自殺も増加。男女とも21歳が最多で、主な原因は進路に関する悩みだった。

ココがポイント

若者の自殺高止まり、5年連続3000人超 OD多さも指摘 25年白書
出典:毎日新聞 2025/10/24(金)

自殺の20代女性、4割に未遂歴 大学生は進路で悩み 2025年版白書
出典:産経新聞:産経ニュース 2025/10/24(金)

子どもの自殺者529人と過去最多に…若者の自殺者も3000人以上と高止まり「進路に関する悩み」が最多 自殺対策白書
出典:FNNプライムオンライン(フジテレビ系) 2025/10/24(金)

子供若者の命を守る方法(中略)自殺は「心のメカニズムの誤作動」(中略)大騒ぎせず、無視もせず、寄り添おう
出典:碓井真史 ヤフーニュース エキスパート 2021/3/16(火)

エキスパートの補足・見解

大人の自殺は、失業率の改善や、うつの早期発見早期予防が効果を表す。ところが、子共若者は、健康でお金も家族もあるのに、死を選ぶ。

幼い子の自殺の特徴は、小さな動機と衝動性である。孤独感を与えないことが大切だ。

若者の「死にたい」は、心理学的には「生きたい」「幸せになりたい」である。だが、その方法がわからず、孤独と絶望感に押しつぶされる。

若者は、自殺のサインを出す。死にたい、消えたい、遠くに行きたいは、直接的なサインである。しかし、サインだとわからないこともある。いつもと違うと感じた時は、ひと声かけよう。

「大丈夫?」と声をかければ、「大丈夫だよ」と答えるだろう。だがここで終わらず、もう一声かけよう。説教はいらない。雑談でも良い。話を聞こう、会話をしよう。

自殺のサインを感じたら、それを共有しよう。一人で抱えるには重すぎる。信頼できる人に話そう。多くの人の目で見守ろう。基本は、「大騒ぎせず、無視もせず」だ。

若者自身が、友人から自殺のサインを感じたら、信頼できる大人に話そうと教育しておこう。大人に話すなど友人への裏切りと感じたりもするが、「友情よりも命が大切」と事前に教えておこう。

いのちSOS 0120-061-338

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

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1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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