【本要約】自分とか、ないから。教養としての東洋哲学(著書:しんめいP)|5分ポッドキャスト
「なぜ、自分を探しても見つからないのか?」——その答えが、東洋哲学にある。
この本は、仏教と老荘思想から「自分なんてない」という真理を解き明かし、生きることを楽にしてくれます。現代人必読、2500年の知恵。
今回ご紹介するのは、藤田一照さんと古賀史健さんの共著「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」です。
1. 著者について
著者の藤田一照さんは、曹洞宗の禅僧です。1954年生まれ、愛媛県出身。東京大学大学院教育学研究科博士課程を中退後、曹洞宗で出家。アメリカで17年間、禅の指導を行いました。現在は、日本を拠点に、坐禅会や講演活動を展開しています。
共著者の古賀史健さんは、ライター、株式会社バトンズ代表です。ベストセラー「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の共著者としても知られています。
「自分という幻想が、苦しみを生む」——この仏教の核心を、二人が対話形式でわかりやすく解き明かした一冊です。
2. 本書の要約
本書は、仏教と老荘思想から「自分なんてない」という真理を学び、執着を手放し、自由に生きる方法を対話形式で描いた哲学入門書です。
藤田さんはまず、衝撃的な宣言をします。「自分とか、ないから」と。
多くの人は、「自分を見つけたい」「自分らしく生きたい」と言います。しかし、そもそも「自分」なんて存在しない——これが、仏教の教えなのです。
本書では、東洋哲学の核心が、7つのテーマで語られます。
テーマ1:「自分」は、幻想である
「無我」の思想
仏教の最も重要な教えが、「無我(アナートマン)」です。
「我(アートマン)」とは、永続する自己、変わらない自分——西洋哲学で言う「主体」「自我」。
しかし、ブッダは言いました。「そんなものは、ない」と。
自分は、変化し続ける
私たちが「自分」と呼ぶものは、常に変化しています。
細胞は入れ替わり、考えは変わり、感情は移ろう——どこにも、「変わらない自分」はないのです。
それなのに、「これが私だ」と固定化する——この執着が、苦しみを生むのです。
テーマ2:すべては「縁起」である
縁起の法則
仏教の核心は、「縁起(えんぎ)」です。
すべてのものは、他のものとの関係で存在する——これが、縁起の法則。
例えば、花は、土、水、太陽、種——すべてとの関係で存在します。花「だけ」では、存在できないのです。
「自分だけ」は、ない
同様に、「自分」も、他者との関係で存在します。
親がいなければ、生まれなかった。食べ物がなければ、生きられない。言葉がなければ、考えられない——「自分だけ」では、存在できないのです。
だから、「自分」という独立した存在は、幻想なのです。
テーマ3:「自我」が、苦しみを生む
執着が苦しみの源
ブッダは、四諦(したい)で苦しみのメカニズムを説きました。
苦諦(くたい):人生は苦しい 集諦(じったい):苦しみの原因は、執着(渇愛) 滅諦(めったい):執着を手放せば、苦しみは消える 道諦(どうたい):執着を手放す方法が、八正道
つまり、執着が、苦しみを生むのです。
「自分」への執着
最大の執着が、「自分」への執着。
「自分を守りたい」「自分を認めさせたい」「自分、自分、自分」——この執着が、苦しみを生むのです。
しかし、「自分」は幻想。幻想に執着しているから、苦しいのです。
テーマ4:坐禅は、「今ここ」に戻る技術
坐禅の意味
禅では、坐禅を重視します。しかし、坐禅は「悟りを得る手段」ではありません。
藤田さんは言います。「坐禅は、目的ではなく、それ自体が答え」と。
「今ここ」に戻る
坐禅の本質は、「今ここ」に戻ること。
私たちは、常に過去を後悔し、未来を不安がります。「今ここ」にいません。
しかし、坐禅をすると、呼吸に集中し、体の感覚に気づき——「今ここ」に戻ります。
この「今ここ」にこそ、自由があるのです。
テーマ5:老荘思想は、「無為自然」を説く
老荘思想の核心
仏教と並ぶ東洋哲学が、老荘思想(老子と荘子の思想)。
老荘思想の核心は、「無為自然(むいしぜん)」。
無為:作為的なことをしない、自然に任せる 自然:おのずからそうなる、ありのまま
つまり、「無理に何かをしようとせず、自然の流れに任せよ」——これが、老荘思想です。
「水」のように生きる
老子は、水を理想とします。
水は、柔軟で、低い所に流れ、形を変え——しかし、最終的には海に至ります。
この「水のような生き方」——柔軟で、執着せず、自然に流れる——これが、理想なのです。
テーマ6:「空」の思想
般若心経の核心
般若心経の最も有名な一節が、「色即是空、空即是色」。
「色」とは、形あるもの、現象。「空」とは、実体がないこと。
つまり、「すべてのものは、実体がない(空)」——これが、般若心経の教えです。
「空」は、虚無ではない
「空」を「何もない」と誤解する人がいます。しかし、違います。
「空」とは、固定した実体がないということ。すべては、関係性の中で変化し続ける——この動的な存在のあり方が、「空」なのです。
テーマ7:東洋哲学を、現代に活かす
「自分探し」をやめる
現代人は、「自分を見つけたい」と言います。しかし、東洋哲学は言います。「自分なんて、ないから」と。
自分を探すのをやめる。自分を固定化しない。自分に執着しない——この手放しが、自由を生むのです。
比較をやめる
SNS時代、私たちは常に他人と比較します。「あの人より劣っている」「あの人より優れている」——この比較が、苦しみを生みます。
しかし、東洋哲学は言います。「比較は、幻想」と。
すべては縁起。比較できる「独立した自分」なんて、ないのです。
「今ここ」を生きる
過去を後悔せず、未来を不安がらず、「今ここ」を生きる——これが、東洋哲学の実践です。
坐禅、瞑想、マインドフルネス——これらはすべて、「今ここ」に戻る技術なのです。
東洋哲学の7つの教え
本書を通じて示される東洋哲学の7つの教え:
「自分」は幻想:無我の思想
すべては縁起:独立した存在はない
執着が苦しみを生む:特に「自分」への執着
「今ここ」に戻る:坐禅の本質
無為自然:老荘思想の核心
「空」の思想:固定した実体はない
手放すことが自由:執着を捨てよ
この7つを理解することが、東洋哲学を生きるということなのです。
本書の核心は、「自分という幻想が、苦しみを生む。手放せば、自由になる」ということ。
私たちは、「自分を守りたい」「自分を認めさせたい」と必死です。しかし、その「自分」は、幻想。
幻想に執着するから、苦しいのです。
東洋哲学は、2500年前から言い続けています。「自分とか、ないから」と。
この真理を受け入れたとき、本当の自由が始まるのです。
3. ポイントや名言
本書には、東洋哲学の本質を突く言葉が数多く登場します。
「自分とか、ないから」
衝撃の真理——これが、仏教の核心です。
「すべては縁起。独立した存在なんて、ない」
相互依存——すべては、関係性の中にあるのです。
「執着が、苦しみを生む。特に『自分』への執着」
苦しみの原因——幻想に執着するから、苦しいのです。
また、坐禅についての重要な指摘も。
「坐禅は、目的ではなく、それ自体が答え。『今ここ』に戻ること」
坐禅の本質——悟りを求めるのではないのです。
さらに、老荘思想についての洞察も印象的です。
「無為自然。水のように、柔軟に、執着せず、自然に流れよ」
老荘の教え——無理に何かをしようとしないのです。
4. 感想・レビュー
この本を読んで、「自分」に対する考え方が根底から覆されました。
これまで、「自分を見つけたい」「自分らしく生きたい」と思っていました。自己啓発書を読み、自分探しの旅をし——しかし、見つからない。
でも本書を読んで、そもそも「自分」なんてなかったことがわかりました。探しても見つからないのは、当然だったのです。
「自分とか、ないから」——このタイトルを最初に見たとき、「挑発的だな」と思いました。しかし、読み進めるうちに、これが真理だと納得しました。
「無我」「縁起」「空」——これらの概念は、難解だと思っていました。しかし、藤田さんと古賀さんの対話は、驚くほどわかりやすい。
特に、「すべては縁起」という教えが、深く響きました。自分は、他者との関係で存在する。「自分だけ」では、存在できない——この真理に、ハッとしました。
「執着が苦しみを生む」という指摘も、身に染みました。自分を守ろうとすればするほど、苦しくなる。自分を認めさせようとすればするほど、疲れる——この悪循環を、経験していました。
本書を読んでから、坐禅を始めました。最初は、「何のためにやるのか?」と思いました。しかし、本書の教え——「坐禅は、それ自体が答え」——を思い出し、ただ座りました。
すると、不思議なことに、心が静かになりました。「今ここ」に戻る感覚——これが、こんなに心地良いとは、知りませんでした。
本書の素晴らしい点は、対話形式でわかりやすいこと。難解な哲学書ではなく、二人の対話で進むため、スラスラ読めます。
また、現代的な文脈で語られているのも魅力。SNS、自己啓発、キャリア——現代の悩みと、東洋哲学を結びつけています。
一方で、すぐに実践するのは難しいとも感じました。「自分はない」と頭では理解しても、感覚的に受け入れるには、時間がかかります。
また、西洋哲学との対比がもっとあれば良かったとも思います。西洋の「主体」と東洋の「無我」——この違いを、もっと掘り下げてほしかったです。
ただし、それでも本書の価値は絶大です。2500年の知恵——これが、現代人の苦しみを癒してくれるのです。
読み終えた後、生き方に対する意識が変わりました。自分に執着しない。今ここを生きる——この姿勢が、心を軽くしてくれました。
5. まとめ
「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」は、仏教と老荘思想から「自分なんてない」という真理を学び、執着を手放し、自由に生きる方法を対話形式で描いた哲学入門書です。
「無我」「縁起」「執着が苦しみを生む」「今ここに戻る」「無為自然」「空の思想」「手放すことが自由」——この7つの教えが、生きることを楽にします。
こんな人におすすめです:
自分探しに疲れた人
生きることが苦しい人
東洋哲学に興味がある人
坐禅・瞑想を学びたい人
自由に生きたいすべての人
自分という幻想が、苦しみを生みます。手放せば、自由になる——この2500年の真理を、今こそ学ぶときなのです。
この本を読めば、東洋哲学の核心がわかります。そして、その知識は、あなたの人生を確実に軽くしてくれるでしょう。
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