★今日のシマクトゥバ「寒さ負け」
・フィーサマキ(首里)
・ピーサマキー(今帰仁)
・ピーサマイ(与論)
・ピーシャマキ(石垣島)
さて、この「寒さ負け」という意味の言葉ですが、そもそも「寒さ負け」って何だ? という問題があります。なかなか聞き慣れない表現です。
辞書には「寒さに負けて体が弱ること、体調を損なうこと」などとあります。そう聞くと、寒さと勝負している自覚こそないものの、それ自体はまあよくあることです。独特な表現ですが、北琉球の離島から先島にいたるまでの広範囲でそうした感覚は共有されていたようです。
他にもシマクトゥバのなかには、「寒さに耐える力」、「寒さを我慢する力」といった意味の単語も多く、沖縄県下どこにおいても、やはり寒さは大敵として見られてきたのだとわかります。
明日から仕事という方多いと思います。久しぶりに外に出て寒さ負けしないよう、体調に気をつけて仕事始めしたいですね。
ミードゥシ ンケーティ ウユルクビ ウンヌキヤビーン。
新しい年を迎えて、お慶び申し上げます。
年が明け、2026年となりました。
今年も『しまくとぅばナビ』を宜しくお願いいたします。
今回も小学生向けの『しまくとぅば読本』シリーズより、年頭のあいさつ
「いいお正月です(いい正月になりましたね)」に相当する表現をご紹介いたします。
【那覇】いいお正月です。
イィー ソーグヮチ レービル。(’イー ソーグヮチ レービル)
※那覇の言葉では「ダ」行が「ラ」行になる事が多いです
【宮古】いいお正月です。(いい正月になりましたね)
カギ ショーガチゥンドゥ ナリ ウイゥ。(カギ ショーガツンドゥ ナリ ウス゜)
【八重山】いいお正月です。
イー ショングヮジゥラー。(イー ショングヮズラー)
【与那国】いいお正月です。(いい正月になりましたね)
イー スンカ゚ティドゥ ナイブルユ。
【名護市久志】いいお正月です。
イィー ソーグヮチ ヤー。(’イー ソーグヮチ ヤー)
他にも『しまくとぅば読本』には、
しまくとぅばで使う日常表現がたくさんあります。詳しくお知りになりたい方は
「学習ツール ダウンロード」コーナーより電子版をご覧ください!
https://shimakutuba.jp/learn/document/
まいぱり 宮古島熱帯果樹園の宮古馬
写真提供:ばんない堂
★今日のシマクトゥバ「夜ふかし」
・ユーキ(首里)
・ユーッキ(伊江島)
・ユーウキ(石垣)
・ヨーキ(伊良部)
・ドァーギ(与那国)
※いずれも「夜起きの意」
皆さま、年末いかがお過ごしでしょうか?
ゆっくり休まれている方もいれば、大掃除や帰省、大晦日のご馳走やおせちの準備などで慌ただしい方、お仕事をされている方など色々かと思います。
ともあれ、今日で2025年も終了です。
家族や友人と、あるいは一人気ままに、ご馳走食べてお酒も飲んで、テレビを見たり遊んだり。楽しい夜はついつい夜ふかししてしまいますよね。
ただし過度な夜ふかしは免疫力低下を招きますので、ニンジブスク(寝不足、首里方言)にはくれぐれもお気をつけください。
晴れやかに健やかに、新しい1年をスタートさせましょう。
ツィチフィ ハイスィジティ イチヤ フィジャミタル
トゥシヌ ナカジチン クユイ ナタサ
(島袋盛敏・翁長俊郎『琉歌全集』より護得久朝常 作)
月日が走り過ぎて 一夜を隔てる
年の中垣も 今宵になった
それでは皆さま、よいお年をお迎えください。
ゆでる(ユディーン(ユリーン)) ★今日のしまくとぅば
■「ゆでる」を「ユディーン(ユリーン)」と言います。
別例として
■「ゆでない」を「ユディラン(ユリラン)」と言います。
■「ゆでている」を「ユディトーン(ユリトーン)」と言います。
■「ゆでた」を「ユディタン(ユリタン)」と言います。
・「夏は豚肉はゆでて食べるものだよ」は
「ナチェー ナマジシェー ユディティドゥ カマリーサ」と表現します。
なお、水が沸騰することは「ムゲーイン」を用います。
12月30日も間もなく終わり、今年も残すところ大晦日の31日のみとなりました。
日々の暮らしの中では意識しにくいものですが、振り返ってみると一年はあっという間に感じられます。
明日は年越しです。年越し用の沖縄そばをまだ準備されていない方は、早めにスーパーなどでお買い求めください。
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★今日のシマクトゥバ「映画」
・カーガーシバイ、カーガーウドゥイ(首里方言)
今年も残すところあとわずかとなりました。
今日12月28日は「シネマトグラフの日」とされているそうです。
ちょうど130年前の今日、「シネマトグラフ」つまり映画が世界で初めて商業上映されたことに由来します。
映画のことを首里方言では「カーガーシバイ」(影芝居)、または「カーガーウドゥイ」(影踊り)などと言ったそうです。
初期のサイレント映画には特にピッタリの名称ですよね。
現在の那覇市内にも、かつては桜坂琉映館、アーニーパイル国際劇場、首里劇場、沖映館など数えきれないほど多くの映画館がありました。桜坂琉映館は現在、桜坂劇場と名前を変えています。
いまそれらの多くは閉館し、大きかったもののいくつかは通りの名前になって残っています。それだけ愛されていたということでしょうか。
いやぁ、映画って本当に良いものですねえ。
年末年始はテレビでも特番で映画がたくさん放送されがちなので楽しみです。
ちなみに私の冬物映画のイチオシは、降旗康男監督の『駅 STATION』です。
もらう(イィーン)★ 今日のしまくとぅば
■「もらう」ことを「イィーン」と言います。
別例として
■「もらわない」と言う場合は、「イィーラン」
■「もらっている」と言う場合は、「イィートーン」
■「もらった」と言う場合は「イィータン」といいます。
・仲宗根政善『沖縄今帰仁方言辞典』の「ユン」や宮城信勇『石垣方言辞典』の「イールン」の項では、これらの言葉は「得る(える)」から変化したのだろうと記述があります。
また、「帰る(ケーイン)」を「帰らせる(ケーラスン)」というように、
「イィーン」を使役形にして、「もらわせる」のような形にして「やる」「あげる」というように表現することがあります。
他の動詞と組み合わせて「~やる」の形で使う場合は「~トゥラスン」が用いられることも多く見られます。
■「やる」「あげる」ことを「イィーラスン」と言います。
別例として
■「やらない」「あげない」と言う場合は、「イィーラサン」
■「やっている」「あげている」と言う場合は、「イィーラチョーン」
■「やった」「あげた」と言う場合は「イィーラチャン」といいます。
・また、また、「(雨が)降り込まれる(フイクミラリーン)」というように、
「イィーン」を「もらわれる」のような受身形で言う時は次のように表現します。
■「もらわれる」ことを「イィーラリーン」と言います。
別例として
■「もらわれない」と言う場合は、「イィーララン」
■「もらわている」と言う場合は、「イィーラットーン」
■「もらわれた」と言う場合は「イィーラッタン」といいます。
12月25日はクリスマスです。
本来はイエス・キリストの生誕を祝う日ですが、現在ではサンタクロースがプレゼントを届けたり、家族や友人と集って過ごしたりする、身近で楽しい行事として親しまれています。
時代とともに宗教行事は一般化し、多くの人に受け入れられる形へと変化してきました。現代では想像しにくいことですが、50年後には、沖縄のシマジマの伝統行事もまた、今とは違う形に姿を変えながら受け継がれていくのかもしれません。
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#しまくとぅば
サンタクロースのひげで遊んで興奮している子供。(沖縄県公文書館所蔵)
撮影日:1970年12月21日
寒い(ヒーサン(フィーサン)) ★ 今日のしまくとぅば
■「寒い」を「ヒーサン(フィーサン)」と言います。
別例として
■「寒くない」を「ヒーコーネーン(フィーコーネーン)」と言います。
■「寒かった」を「ヒーサタン(フィーサタン)」と言います。
寒さに関するしまくとぅばには、感覚や状態を細かく表す語がたくさんあります。
・「寒がり(や)」… ヒーサウミー(フィーサウミー)
・「寒さでがたがた震える」… ヒーサガタガタ(フィーサガタガタ)
・「寒さでこごえる」… ヒーサグフヮイ(フィーサグフヮイ)
・「寒さでちぢこまる」… ヒーサマガイ(フィーサマガイ)
南国の気候に慣れた沖縄県では、少しの冷え込みでも敏感になりますが、しまくとぅばにはその微妙な感覚を言い分ける豊かな表現が残っています。
・12月22日は二十四節気の「冬至」でした。
沖縄各地では、この時期に寒波が訪れることが多く、急な冷え込みのことを「トゥンジービーサ」と呼びます。だいたいこの頃から、冬らしい寒さが本格的に始まる印象があります。
二十四節気は太陽の位置を基準にしており、「一年でもっとも日が短い日」は 12月21日〜22日の間 で毎年わずかに変動します。
冬至は「夜が最も長い日」ですが、言い換えればここから少しずつ昼が長くなるため、太陽の力が戻り始める縁起の良い日とも言えるかもしれません。
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★今日のシマクトゥバ「冬至」
【首里】トゥージ、トゥンジー
【今帰仁】トゥンジ
【伊良部】トゥンジー
【石垣】トゥージゥ
明日は冬至です。
一年で最も昼間が短くなる日です。
仕事終わりに空が暗いと、たまらなくうら寂しい気分になります。
人肌恋しい季節です。
冬至には「冬至ジューシー」と言って、ジューシーをつくってお供えする慣習が県内の様々な地域にあります。ただ一様に冬至ジューシーと言っても、そのレシピについては家や地域によって色々だそうです。なんだか文化のあり方が雑煮みたいで素敵ですね。
さて、そんな冬至ですが、実は首里方言には「トゥンジーソーグァチ」(冬至正月)という言葉があります。冬至からもう正月の一部分であるという考え方です。
古来より中国においては冬至の日が正月とされており、その影響が琉球文化圏にも伝わったためと考えられています。
沖縄の正月はちょっとフライング気味に始まるのです。
いいなあ、まだまだ正月は遠い。
仕事納めが待ち遠しいです。
取らせる、やる、与える(トゥラスン)★ 今日のしまくとぅば
■「取らせる」「やる」「与える」ことを「トゥラスン」と言います。
別例として
■「取らさない」「やらない」「与えない」ことを「トゥラサン」と言います。
■「取らせている」「やっている」「与えている」ことを「トゥラチョーン」と言います。
■「取らせた」「やった」「与えた」ことを「トゥラチャン」と言います。
・「取らせる(トゥラスン)」は「取る(トゥイン)」の使役形ですが、「やる」「与える」「渡す」等の意味で使います。また、補助動詞として「~してやる」の形で「~トゥラスン」のように使う事もあります。
例:「言ってやる」は「イチ トゥラスン」、「行ってやる」は「ッンジ チューン(行ってくる)」と同じように「ッンジーン」を使って「ッンジ トゥラスン」と表現します。
・そのほか、命令や依頼の形で「~しておくれ」のような使い方もします。
例:「配慮しておくれ(考えてください)」は「カンゲーティ トゥラシェー」、「堪忍しておくれ」は「クネーティ トゥラシェー」と表現します。
・また「トゥラスン」以外にも「くれる・与える・やる」を指す言葉として「クィーン」もあります。
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久高島港の渡し船から下りる人たち(1960年頃)
写真提供:那覇市歴史博物館
出す(ッンジャスン) ★今日のしまくとぅば
■「出す」を「ッンジャスン」と言います。
別例として
■「出さない」を「ッンジャサン」と言います。
■「出している」を「ッンジャチョーン」と言います。
■「出した」を「ッンジャチャン」と言います。
「ッンジャスン」は、いろいろな言葉と組み合わせて幅広く使われます。
例えば、
・「手紙を出す」… ティガミ ッンジャスン
・「引き出す」… ヒチッンジャスン(フィチッンジャッスン)
そのほかにも、
・「言い出す」… イーッンジャスン
・「選び出す」… イラビッンジャスン
・「思い出す」… ウビッンジャスン
・「掘り出す」… フイッンジャスン
など、“○○を出す” に対応する表現がたくさんあります。このほか「出る」は「ッンジーン」となり、「~出る」は「~(ッ)ンジーン」などがあります。
そのほか、国立国語研究所編『沖縄語辞典』には、「ッンジャスン」以外の表現として以下のような表現が載っています。
・「おびき出す」ことを「ワクユン」。
・「放り出す」ことを「ウッチャンギユン」。
・膿や乳を「出す(したたらす)」ことを「エースン」。
など、“○○を出す” に対応する表現がたくさんあります。
・また、よく耳にするしまくとぅばの言い回しに、料理を丁寧においしく作ることを表す
「ティーアンダ(ティーアンラ) ッンジャスン」 という表現があります。
日本語に直訳すると「手油を出す」ですが、もちろん手から油が出るわけではありません。
“手間ひまをかけてしっかりおいしく作る” というニュアンスを強調した、しまくとぅばらしい味わい深い言い方ですね。
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芸能/組踊 「二童敵討」(戦後)
写真提供:那覇市歴史博物館
★今日のシマクトゥバ「勉強ばか、勉強狂い」
【首里】ガクブリ
【今帰仁】ガクーブリ
【久米島】ガクブリ、ガクブラー
【与論】ガクブリ
寒さがこたえる季節になりましたね。
インフルエンザなどへの不安も増すいまの時期、本当に体調には気をつけていきたいものです。
特に大学受験を控えた高校生、年が明ければすぐに共通テスト。いままさに追い込みの時期ですよね。
また大学に通われている方も、4年生は卒業論文の提出期限間近だったりするのではないでしょうか?
実は、いま私たち普及センターが主催している「しまくとぅば講師養成講座八重山z前期講座」も、
大事な期末試験を来週に控えています…!
認定スマムニ講師への第一関門。突破に向けて皆さん励んでいることと思います。
そんな大事な時期、勉強も大切ですが勉強ばかりで生活がおざなりになっては、メンタルや身体の具合を崩してせっかくの努力が水の泡…なんてことも。
食事・睡眠・リフレッシュを心掛けて、毎日の暮らしを一歩一歩丁寧に積み重ねていきましょう!
当たる(アタイン)★ 今日のしまくとぅば
■「当たる」ことを「アタイン」と言います。
別例として
■「当たらない」ことを「アタラン」と言います。
■「当たっている」ことを「アタトーン」と言います。
■「当たった」ことを「アタタン」と言います。
・「アタイン」は「合う」「出会う」なども表現する事があります。「そんな事は出くわして初めて知るものだ」は「ウンナクトー アタティル シール」と表現します。
また、しまくとぅば普及センターでは、しまくとぅばにどれだけ親しんでいるか、自分の力を確かめたい方に向けて、毎年1回 「しまくとぅば検定」 を実施しています。
今年は 12月13日開催、そして 79名 の方が受験予定です。
受験者の皆さまが問題に挑戦し、
自分の答えが「当たっている(アタトーン)」のかどうかドキドキしながらも、
日頃の学びを存分に発揮して楽しんでくださることを、主催者として心より期待しています。
※今年度の受験申し込みは 10月3日 をもって終了いたしました。
次年度の受験案内は来年公開予定です。詳細をご希望の方は、令和8年4月以降 に「しまくとぅばナビ」のイベントカレンダーをご確認いただくか、しまくとぅば普及センターまでお気軽にお問い合わせください。
※記事の一部に誤記がありましたので訂正いたします。
(正)「当たらない」ことを「アタラン」と言います。
(誤)「当たらない」ことを「アーラン」と言います。
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しびれる(ヒラクムン) ★今日のしまくとぅば
■「しびれる」こと「ヒラクムン(フィラクムン)」と言います。
別例として
■「しびれない」を「ヒラクマン(フィラクマン)」と言います。
■「しびれている」を「ヒラクドーン(フィラクドーン、ヒラクローン)」と言います。
■「しびれた」を「ヒラクダン(フィラクダン、ヒラクラン)」と言います。
・「足がしびれる」を「ヒサヌ ヒラクムン」と言います。また、伊良部のしまくとぅばでは「しびれる」事を「ツフム゚」「シビリイ゚」と言葉で表現します。
・「正座」のことは ヒサマンチ(フィサマンチ) と言いますが、普段から正座をしない人にとっては、長時間の正座は足への負担が大きく、すぐにしびれてきます。
シマの行事やお葬式などで久しぶりに正座をすると、足が痛くなったり、しびれが強くて動きづらくなることもありますね。足を崩したいけれど崩せない場面では、「正座用の椅子があったら助かるのに」と思う方も多いのではないでしょうか。
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★今日のシマクトゥバ「イリチ」(首里方言)
①ふけ
②魚の鱗
人間のふけと鱗が同じ単語で表されたのですね。
ふけを人間の鱗と考えたのか、鱗を魚のふけと考えたのか。
なかなか興味深いです。
この感覚は他のシマクトゥバにも共通のようで「イリチ―」(今帰仁)や「イーキ」(与論)、「イリキ」(奄美)でも鱗とふけの両方を示します。
それなら身体の垢のこともイリチと言いそうなものですが、そっちはそっちで、「フィング」という別の名詞があります。
こちらは鍋底などについた煤を指し示す語彙でもあります。
そしてフィングとは別に、「アカ」という単語も首里方言にはありまして、いかにも垢のことのようですが、頭髪や衣服に付いた汚れのことを指し示します。
……けっこうややこしいですね!
こうした意味・用法の多層的なややこしさも言葉の魅力の一つです。
直す(ノースン)★ 今日のしまくとぅば
■「直す」ことを しまくとぅばでは「ノースン」と言います。
別例として
■「直さない」と言う場合は、「ノーサン」
■「直している」と言う場合は、「ノーチョーン」
■「直した」と言う場合は「ノーチャン」といいます。
・「やり直す」は「シーノースン」と表現します。「字を消す」は「ジー チャースン」と言います。また、「片付ける・しまう」事も「ノースン」を使います。
・また、「ノースン」は「片付ける」時にも使う表現で、「引き出しにしまっておけ」は「ヒチジャチーンカイ ノーチョーケー」と言います。
・しまくとぅば普及センターの HP『しまくとぅばナビ』をご利用の方はお気づきかもしれませんが、これまでサイト表示が遅く、「NOW LOADING」が長く続くという問題がありました。
11月にサイト環境を改修したことで、接続速度が改善され、以前より使いやすくなっています。まだ「直し足りない」部分はありますが、学習ツールやゲームなどのコンテンツにスムーズにアクセスできるようになりましたので、ぜひこの機会にご利用ください。
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#しまくとぅば
あつらえる、注文する(アチレーイン)★今日のしまくとぅば
■「あつらえる」「注文する」ことをしまくとぅばでは「アチレーイン」と言います。
別例として
■「あつらえない」「注文しない」と言う場合は、「アチレーラン」、
■「あつらえている」「注文している」と言う場合は、「アチレートーン」、
■「あつらえた」「注文した」と言う場合は「アチレータン」といいます。
・国立国語研究所編『沖縄語辞典』によると、「注文して作らせる」という意味には 「アチレーユン」 という動詞も使われます。標準語の「あつらえる(好みや希望を伝えて、その通りに作ってもらう)」に相当する表現です。
・沖縄には「ヤマトゥソーベー トーアチレー」という言い回しがあります。これは、日本製品を「粗製濫造の品」と低く評価し、一方で中国製品を「あつらえた物のように上等」と褒める、当時の価値観や経験を反映した言葉です。
現在は日本の工業技術が発達し、こうした印象は薄れていますが、こうした表現が残っているということは、当時のシマの人々が商人に足元を見られ、質の良くない品をつかまされて悔しい思いをする場面も少なくなかったのかもしれません。
いまはネットで誰でも相場や品質を比較でき、評判が商売の命となる時代です。かつてのように情報格差を利用した商いは、どんどん通用しなくなっていくとは思います。とはいえ、現在もシマジマに暮らす身としては粗悪品をつかまされないよう、気を付けたいところではあります。
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★今日のシマクトゥバ「ティンヌウプドゥイ゜ヌフスゥ」(伊良部)
さて、本日のシマクトゥバは宮古語の伊良部島方言です。
どういう意味だか、皆さんわかりますか?
直訳すると「天の大鳥の糞」。
これ実は、「隕石」のことなんです。
「リューヌフスゥ」(龍の糞)とも言います。
なぜ糞なのか…と笑ってしまいそうにもなりますが、昔だと空から降ってくるものといえば、雨か鳥の糞くらいだったのかもしれないですね。
それにしてもなかなか立派な、面白い表現ですよね。
よほど大きなものが降ってきたのでしょうか?
さぞ驚いたことでしょうね。
ちなみになかなか見慣れない「イ゜」という文字。
既存の仮名表記では書き表すことが難しいため、このような表記方が用いられています。
シマクトゥバには地域特有の発音がいっぱいです。
しまくとぅば普及センターでは、各地域の言葉に応じた教材を紹介しております。
下記リンクからダウンロード可能です!
https://shimakutuba.jp/learn/document/
興味ある方、ぜひ調べてみてください!
(水に)つかる(チルガイン)★ 今日のしまくとぅば
■「(水に)つかる」ことを しまくとぅばでは「チルガイン」と言います。
別例として
■「(水に)つからない」と言う場合は、「チルガラン」、
■「(水に)つかっている」と言う場合は、「チルガトーン」、
■「(水に)つかった」と言う場合は「チルガタン」といいます。
・研究社『沖縄語辞典』では、「水につかる」ことを「チルガイン(チルガユン)」と記載しています。一方で国立国語研究所編『沖縄語辞典(首里)』では「チルガユン(チルガイン)」は「かかわる」「つながる(つならる)」事を指す言葉としても使われています。
・11月24日、沖縄本島北部の大宜味村で水道管が破損し、その影響で送水先である中南部を中心に広い地域で断水が発生しました。久しぶりの断水に、不便な思いをされた方も多かったのではないでしょうか。
日頃、中南部の都市部で生活していると、北部や離島で事故や災害が起きても、「大変だな」と感じながらも、距離的・心理的な遠さから、どこか「対岸の火事」のように受け止めてしまうことがあります。しかし今回の断水を通して、地域が離れていても、私たちが確かに「つながり」、互いに「関係し合って」いるという事実を改めて実感しました。
そう考えると、身近な人だけでなく、少し離れた地域に暮らす方々とも、日頃から関わりを意識し、つながりを大切にしていくことの重要さに気づかされます。
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・辺戸岬
写真提供:ばんない堂
首にかける、はめる(ハチュン)★ 今日のしまくとぅば
■「首にかける」「はめる」ことを しまくとぅばでは「ハチュン」と言います。
別例として
■「首にかけない」「はめない」と言う場合は、「ハカン」、
■「首にかけている」「はめている」と言う場合は、「ハチョーン」、
■「首にかける」「はめる」と言う場合は「ハチャン」といいます。
・「首からかける」を「クビカラ ハチュン」と言います。「玉をはめる」は「タマ ハチュン」と言います。
・「ハチュン」は日本語の「佩く」に相当する表現になります。また研究社『沖縄語辞典』では「ハチュン」は「ッヤー ハケー(お前が弁償しろ)」のように「金で弁償する、つぐなう」といった時にも使われています。
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★今日のシマクトゥバ「鬼ごっこ」
【首里】カチミンソーレー
【今帰仁】ウーエイ、ハチミエイ
【儀間】カチミエー
【与論】イヌコーコイ
【石垣】ウィックナー
最近子どもを公園に見なくなりました。寂しいものです。
ときおり子どものころの外遊びを無性にやりたくなることがあります。
大人になって、鬼ごっこってものすごく単純な遊びだったな...と気がつきました。
そんな鬼ごっこでも、呼び名によって捉え方や力点の置きどころが少しずつ変わって面白いです。
今帰仁方言の「ウーエイ」は「追い合い」の意。
「ハチミエイ」や久米島儀間方言の「カチミエー」は「掴まえ合い」の意です。
実はヤマトの文化の中でも「鬼ごっこ」の呼び名や用語はバリエーションが豊富で、鳥取や兵庫、北海道の一部地域では「ぼいやこ」「ぼいやっこ」などと言うそうです。また、タッチすることを奈良では「でん」、北海道では「えった」などと言います。
ちなみに北海道の「えった」はロシア語が起源であるとする説があります。歴史などと絡めて考えてみるとなかなか楽しいですね。
めぐらす、回す、融通する(ミグラスン)★今日のしまくとぅば
■「めぐらす」「回す」「(金などを)融通する」ことをしまくとぅばでは「ミグラスン」と言います。
別例として
■「めぐらない」「回さない」「(金などを)融通しない」と言う場合は、「ミグラサン」、
■「めぐらしている」「回している」「(金などを)融通している」と言う場合は、「ミグラチョーン」」、
■「めぐらした」「回した」「(金などを)融通した」と言う場合は「ミグラチャン」といいます。
・国立国語研究所編『沖縄語辞典』によると、「回す」「回転する」のしまくとぅばは「マースン」ですが、この言葉は人が「死ぬ(亡くなる)」という意味の表現「マースン」と同音でもあるので、
あえて「マースン」の語感を避けて、「ミグラスン」を使う事があるそうです。
・ちなみに「死ぬ(シヌン)」は『沖縄語辞典』では動物に対して使う言葉とあります。直接「死を表す」表現なので人に対しては使わない表現となっています。「シニガーター(死にそう、瀕死状態)」なども動物に対して使う表現なので、冗談でも人に向けて使わないように心がけましょう。
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(数、量が)多い(ウフサン) ★ 今日のしまくとぅば
■「(数、量が)多い」を「ウフサン」と言います。
別例として
■「多くない」を「ウフコーネーン」と言います。
■「多かった」を「ウフサタン」と言います。
・形容詞「大きい」は「マギサン」を用いますが、一方で「ウフッチュ(大人)」「ウフミチ(大きな道)」「ウフワレー(大笑い)」のように、接頭語「ウフ〜」には「大きい」という意味もあります。宮古のしまくとぅばでも「ウプカズ(大きい)」など、似た語感で使われています。
実は日本語の古語でも、「大きい」と「多い」はどちらも「おほし(大し/多し)」と表現され、近い音として認識されていました。現代の私たちが自然に「大きい」と「多い」を使い分けているように、しまくとぅばでも「ウフサン」と「ウフ〜」を無意識に使い分けているのは、とても興味深い点です。
・副詞としての「多く/たくさん」は「ウホーク」で、「多くある」は「ウホーク アン」と言います。
このほか、首里など中南部のしまくとぅばでは、「たくさん」を表す副詞として「ウホーク(多く、たくさん、いっぱい)」、「ウフウフートゥ(いっぱい、たくさん、たっぷり)」、「チャッサン(たっぷり、いくらでも、無制限に)」、「ウサキー(そんなにたくさんの、そんなに多量の)」などがあります。地域によっては、また別の言葉で「多さ」を表現するところもあります。
今日もウホーク(たくさん)しまくとぅばに触れて、言葉の世界をゆっくり広げていきましょう。
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★今日のシマクトゥバ「脂っこい」
【首里】アンダジューサン、アンダブトゥブトゥ
【今帰仁】アンラジューセン
【伊江島】アンダヂューサ、アンダベーサ
【石垣】アバズーサーン、ビットゥリシャーン
独自の食文化として昨今注目されている沖縄料理。
なかでも三枚肉を使った料理や揚げ物は県民にも観光客にも人気ですが、けっこう当たり外れが大きかったりするんですよね。
油がきれていなかったり、脂身にしっかり火が通っていなかったり。
ヤマトでは脂っこいと言う他、その様態に応じて「ギトギト」とか「ニチャニチャ」とかいろいろ言われます。
首里方言アンダブトゥブトゥの「ブトゥブトゥ」は豚の脂のことも指し示す他、ぬかるみという意味もあります。
感触がよく伝わってくる響きですね。
そして、ちゃんと美味しくなさそう。
ちなみに首里方言では、脂身のことを「アンダジシ」(油肉)「シルミ」(白身)などというふうにも表現します。
また、石垣方言ビットゥリシャーンは「おべんちゃらばかり」という意味でも使われます。褒め言葉ってどこか高級肉みたいなところがありますよね。旨いけどもすぐお腹いっぱいになって、ひどいときには胃もたれを起こしそうにさえなります。飽きるほど持ち上げられてウンザリする心情を表現したのでしょうか。
下げる(サギーン)★ 今日のしまくとぅば
■「下げる」ことを「サギーン」と言います。
別例として
■「下げない」と言う場合は、「サギラン」
■「下げている」と言う場合は、「サギトーン」
■「下げた」と言う場合は「サギタン」といいます。
・「サギーン」は、「位置を下げる」「ぶら下げる」「値段を下げる」「膳を下げる」など、標準語の「下げる」と同じように幅広く使われます。
「下げて」保管するものといえば、ムーチー(鬼餅)などが思い浮かびます。
かつては、食べ物を虫やネズミから守るために、蓋つきの平かご「サギジョーキー」に入れ、風通しの良い梁などに吊るして保管する習慣がありました。こうした光景は、住環境の変化とともに、近年ではあまり見られなくなっているかもしれません。
もし、今でも食べ物を「下げて」保管している方がいるなら、それはまさに、昔ながらの暮らしの知恵が息づいている証といえるでしょう。
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